後編 その2
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 23:06:46.77 ID:tGMGbiRB0



ゾイドは心で扱うものである。

昔そんなことを誰かが言っていた。
遥か以前の話なので、その誰かはもうわからないが。


さて、話は変わるが。
昔私には、1人の友人がいた。

その友人は、とてもゾイドの操縦が上手かった。
私も一応の自信はあったのだが、彼女には1回も勝てたことがない。


その事に関して以前、私は彼女に質問したことがある。

何故君はそこまで強いのか。
何故私は勝てないのか。

その問いに対し、彼女はいつもと同じポーカーフェイスで。
こんな風に、答えたのだった。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 23:08:26.06 ID:tGMGbiRB0


『君は、自分自身に頼り過ぎているんだ』

『え?』

『ゾイドが操縦者者の想いに応えて強くなる生き物だということは知っているな』

『ああ……』

『それは確かに正しい。しかし、ただ想うだけでは駄目だ』

『ではどうしろと?』

『簡単な事さ。愛機を信じればいい。彼等の力を、心を、全て頼りにするんだ』



――君にはそれが抜けているから、私に勝てないんだ――


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 23:11:09.97 ID:tGMGbiRB0

今聞くと、全くもって耳が痛い言葉だと思う。
当時の私には、ゾイド乗りとして最も欠けてはならない部分が欠けていたのだから。
負けっぱなしなのも頷ける話と言える。


まあ、昔の話はとりあえずはどうでもいい。
問題なのは現在の事だ。

私は、今。
愛機を信じることができているのだろうか。


――わからない。


セイバータイガーよ。
お前は一体、どう思っている?

私の想いに応えてくれるのか?




教えてくれ―――



9 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:12:12.49 ID:tGMGbiRB0





後編2:《変動》






10 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:13:57.09 ID:tGMGbiRB0



――ミルナ――



獅子の刀と虎の爪が交錯する。
金属と金属が激突し、強烈な音を轟かせた。

まただ。
糞、何故こうも防がれる。

先程から何度も絶妙な間合いで攻撃を行っているのに。
その全てがあの大刀によって受け止められていた。


11 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:16:19.93 ID:tGMGbiRB0


(;゚д゚ )「ぐっ――!」

<_プー゚)フ『はは! お前やっぱいいわ!』


実に上機嫌なエクストの声。

格闘戦こそがゾイド戦の醍醐味だと思っている彼にとって、
積極的に接近戦を挑んでくるミルナとの戦いは、本当に楽しいものなのだろう。

だが、当のミルナはそうは思っていない。
ここは何としてでも、早急に勝負をつけたかった。


(;゚д゚ )「まさかこうも強敵だとは……! 油断、していたな」



12 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:20:20.78 ID:tGMGbiRB0

相手の実力は想像以上だ。
本気を出した己と互角に渡り合えるなんて、
この若さで中佐にまでなったことだけはある。

しかも彼はまだ、爪も牙も使ってきていない。
それを使ってくるようになった時、果てして自分は勝てるのか?


( ゚д゚ )(何を言っているんだ私は……)


勝てるかどうか? 
そんなもの、問題じゃない。

勝たなければならないのだ。

約束した。生きて帰ると。
そして今度こそ、彼女を倒してみせると。

だから自分は、ミルナ・スコッチは――


13 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:22:13.02 ID:tGMGbiRB0


(#゚д゚ )「負けるわけには……」


虎が再び駆ける。
狙いはただ1つ、フェイントだ。
奴を確実に仕留めるにはこれしかない。

咆哮し、牙を剥きだして。
あたかも喉笛に食らいつこうとしているように見せかける。


(#゚д゚ )「いかないんだああああああああああああ!!!」


その猛りにムラサメも応える。

回りくどい回避などしない。
剣を真横に展開し、一直線にこちらを迎え撃ってきた。


14 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:24:11.90 ID:tGMGbiRB0

――ここまでは予想通り。

あの刀の厄介なところは、
“斬る”だけでなく“突く”ことも可能ということ。
故にそのどちらを行ってくるかを咄嗟に判断しなくてはならない。

そして今までの行動の結果。
エクストが“斬る”動作を好むことがわかっていた。
ならば後は確実にその動作を引き出せる行動をすれば。

動きを予測するのは、容易なこと。


15 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:25:33.79 ID:tGMGbiRB0


<_#プー゚)フ『ほざけ! 叫べば勝てるってもんじゃねーぞ!』


日の光を浴びてより一層輝く村雨之刀。
あれがセイバータイガーを切り裂くまでの予測時間は――


( ゚д゚ )(3……2……1……)


視界が銀で埋まる。
すぐそこにまで迫ってくる殺意の塊。

そして


( ゚д゚ )(今だ――ッ!)


一気に機体を、限界まで屈めた。
19 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:31:37.07 ID:tGMGbiRB0


<_;プー゚)フ『! しまっ――』


真上を通り過ぎる刃。
それは戦闘開始直後にミルナ自身が行った回避方法の再現だ。

が、今回は少しタイミングが遅かった。
完全には避け切れず、背部の砲塔がスッパリと斬り裂かれていく。


( ゚д゚ )(だが、これで終わりだ!)


互いの機体が行き違う。
ミルナの眼にはムラサメの動きも、セイバータイガーの動きも。
全てがスローモーションのように見えていた。

虎が首を上げ、大きく口を開く。
眼前にあるのはムラサメの長い尻尾。

そしてそれに食らいついた。
刹那、ムラサメの動きが、止まる。
21 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:35:34.29 ID:tGMGbiRB0


(#゚д゚ )「うおおおおおおおおおおおおお!!!」


ミルナ・スコッチが叫ぶ。
自らを、そしてセイバータイガーを勇気付ける気合いの雄叫び。

それに応えるかのように、虎がその首を勢いよく振った。
尾を掴まれ身動きが取れない漆黒の獣王はその動作に従うしかない。

結果として。
ムラサメの体は大きく振り回され、宙を舞うこととなる。


<_;フー )フ『ぐはあッ……!』


バウンドし、2回3回と地面に叩きつけられる。

振り回されるだけでも常人にとっては辛いと言うのに、その上この仕打ちだ。
機体は無論、エクスト自身に掛かる不可も並大抵のものではない。

それでも意識が飛ばなかったのは、偏に彼の強靭な精神力のおかげか。


22 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:37:47.40 ID:tGMGbiRB0


(#゚д゚ )「止めだ!」


とは言えできた隙は決定的。
最早、取り返しのつかないほどに。

剥き出しになった獅子の腹へ爪を立てようと、
セイバータイガーが大地を蹴る。

当然、ムラサメは動くことができず。
ただ成行きに任せるしかない。


――決まった。


もしこの試合を人が見ていたら。

10人中10人が恐らくそう思ったことだろう。
実際、この状況でムラサメが危機を逃れるのは普通なら不可能だ。


普通ならば、だが。
28 : ◆O7VpO4QdUA >>24 村雨黒塗装verでおk:2009/01/24(土) 23:45:02.83 ID:tGMGbiRB0


<_フー )フ『甘いなあ……・。甘くて甘くて、舌がとろけちまいそうだ――』


大刀が動く。
真っ直ぐ刃を突き出し、こちらに向ける。


(#゚д゚ )「それがどうした!」


しかし所詮はそれだけのこと。
機体が動かなければ、猛り狂う虎の突進を止めることなどできはしない。

少なくともこの時、ミルナはそう思っていた。
故に勢いを落とさない。そしてそれが――


<_プー゚)フ『――ぜ!』

(;゚д゚ )「なっ……!?」



仇となった。
32 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:52:50.73 ID:tGMGbiRB0



――ブーン・ジョルジュ――



戦場を駆け抜ける黒い影。
その行く手を阻もうと、何機ものコマンドウルフが果敢に挑んでいく。


『撃て撃て撃て撃て!』

『だ、駄目だ当たらない!』

『なら接近戦で――ぎゃっ』

『うわああああああああ!』


だが彼等の攻撃は尽く避けられて。
逆に撃ち抜かれ、食い千切られ、破壊された。


33 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:53:50.61 ID:tGMGbiRB0



【――――!】



刹那、白狼とは別の咆哮が轟いた。
主は蒼いボディを持つ護りの獅子、シールドライガー。

獅子はその名前の由来にもなった光の盾を展開し、
影を破壊すべく一目散に突撃してくる。

勿論相手も黙って見ているわけではない。
凄まじい迫力を発する標的に対し、冷静にビーム砲を撃ち込んだ。
が、それらは全て弾かれる。

  _
( ゚∀゚)「っ、やっぱ通じねぇか! だが――」



34 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/24(土) 23:59:30.51 ID:tGMGbiRB0

――甘い。

これは集団戦なのだ。
どこぞで戦ってる隊長さんは例外として。
1人の敵にかまけるなど命取り以外の何物でもない。

現に、今まさにこちらに向かってこようとしていた獅子は。
突如横から突撃してきた巨象の牙によって、腹を一撃で貫かれていた。

  _
( ゚∀゚)「ナイスだブーン!」

( ^ω^)『こんなもんですお!』
  _
( ゚∀゚)「おっしゃ次だ!」


彼等の周りにはたくさんの味方の影。
だが敵はそれらを遥かに凌ぐ大軍勢だ。

それでも帝国は、1歩も退かなかった。
37 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:01:23.78 ID:mrabQCqo0

後ろに控えるレッドホーン等が援護射撃を行う中。
エレファンダーを初めとする大型機が敵を粉砕し、
取りこぼした敵を小回りの利く機体が仕留めて行く。

各自の役割をきちんと定めた連係戦法。
一方の共和国が仕掛けてくるのは数に任せた消耗戦だ。

そこには戦術も糞もあったものではない。
仲間がやられようがどうなろうが、構わず突撃を続行し続ける。

犠牲の数では共和国が圧倒的多数。
これだけ見れば、帝国が優勢に見えなくもない。

しかし実際の情勢はその真逆。
彼等は少しづつではあるものの、確実に押し始めていた。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/25(日) 00:04:56.05 ID:mrabQCqo0

  _
(;゚∀゚)『ちぃ、切りがねぇ!』


いくら当初の予想より少ないとは言え、両者の数は20倍近くの差がある。
そう簡単に状況を覆せる筈がない。

また1機、また1機とやられていく仲間達。
このままではブーン達も危ないだろう。


『糞、これ以上は無理だ! 一端引いて態勢を――』
  _
(#゚∀゚)「馬鹿言え! んな暇なんてねーよ!」

『だったらどうしろって言うんだよ! このままじゃ確実に死ぬぞ!』
  _
(;゚∀゚)「ぐっ……。畜生!」


仲間の言っていることは、正しい。
危険でもここで空気を入れ替えないと――


『いいからそこをどけ。消えたくなければな』
 
42 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:10:46.53 ID:mrabQCqo0

  _
( ゚∀゚)「へ?」


唐突に無線から響いた謎の声。
何事かと思ったジョルジュが振り返ると、そこには

  _
(;゚∀゚)「ぬおおおおおお!?」

『んぎゃくぁああああああああ!?』

(;゚ω゚)『ちょwwwwwwww』


視界いっぱいに広がる、エネルギーの奔流。
周りのありとあらゆるものを飲み込む破壊の光。

最強兵器、荷電粒子砲だった。


43 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:12:14.25 ID:mrabQCqo0


『避けろぉおお! あれに飲み込まれたら終わりだぞ!』


そんなこと言われるまでもなく、既に誰もが回避行動を取っている。
幸い、数が元々少なかったこともあってか帝国側に被害は無かった。
だがあの声がなかったら危険だったかもしれない。

一瞬の内にブーン達の間を通り過ぎる神の雷。
あまりの眩しさに目が潰れそうだ。

そして、数瞬後。


(;^ω^)『共和国カワイソス』
  _
(;゚∀゚)「………」


閃光に爆発、そして轟音。

コマンドウルフが、シールドライガーが。
まるで玩具のように粉砕され散って行く。
それは正に悪夢としか言う他ない光景だった。


44 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:16:22.82 ID:mrabQCqo0


『無茶をするなアニジャ。味方に当たったらどうするつもりだったんだ』

『何、こんなものを避け切れないようでは、この先は生き残れないさ』
  _
(;゚∀゚)「だ、誰だ!?」


今だ消えぬ黒煙を気にも留めず、
後方から悠々と歩いてくる、2つの機影。
背中の二連大型パルスレーザー砲が特徴的な、破壊の権化。


(´<_` )『……その考え方は、ある意味流石だな。アニジャ』

( ´_ゝ`)『だろ? なんつったって俺等は、流石兄弟だからな』

46 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:20:51.30 ID:mrabQCqo0

しかし乗っているのは、何とも気の抜ける表情をした双子だ。
似合う組み合わせとはお世辞にも言えない。

尤も、いきなり荷電粒子砲をぶっ放した点はそっくりかもしれないが。

  _
(#゚∀゚)「ちょっと待て! テメェら俺達を殺すつもりか!?」

(#^ω^)『そうだお! 非常識にも程があるお!」

『まったくだ、親の顔が見てみたいぜ!』


その場に居合わせた者達は口々に文句を叫ぶ。
しかしジェノザウラーのパイロットはまるで反省した様子を見せず


( ´_ゝ`)『助けてやったのに随分な言われようだ。
      少佐殿に申し訳ないとは思わんのか』


即時自らの保身に走った。


47 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:23:04.03 ID:mrabQCqo0


『しょ、少佐!?』

(;^ω^)『失礼しましたお!』
  _
(;゚∀゚)「フヒヒwwwサーセンwwww」

(´<_` )『権力を盾にするとは、流石だなアニジャ』



と、そんな事を言い合っている内に。
黒煙の中から、生き残った共和国のゾイドが次々に這い出てきた。
やはり荷電粒子砲と言えども全てを消すことはできなかったようだ。
49 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:27:45.71 ID:mrabQCqo0


(´<_` )『む、しぶといな。だが今なら奴等は態勢が整っていない筈だ』

( ´_ゝ`)『一気に押し返すならこの時しかない。総員砲撃及び突撃開始。連中を蹴散らせ』

『『『お、おおおおおおおお!!!』』』


いきなりの出来事に戸惑っていた帝国勢であったが、
双子のその言葉を聞いた途端、大歓声を上げた。

今までの仕返しをさせてもらおう、と言わんばかりに、
地響きを立てながら突撃していくセイバータイガーの群れ。
その後ろにエレファンダーやレッドホーンが続いていく。


50 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:30:34.47 ID:mrabQCqo0


『おっしゃああ! ここで手柄を立てまくって大出世してやんよ!』

『ひゃっふううううう! 覚悟しやがれ糞野郎共。帝国魂なめんなよ!』


それらよりワンテンポ遅れて、突撃を開始した一団があった。

黒い装甲に赤いフレーム。
先端の角をドリルの如く回転させて大地を踏みしめるゾイド達。

ブラックライモス。
小型版レッドホーンとも言える、高性能機だ。


『オラオラオラオラオラオラオラオラ! ブラックライモス隊のお通りだあああ!』


同クラスである筈のコマンドウルフをいとも容易く突き飛ばし、
左右から生える巨大な電磁砲で相手の動きを永久に止める。
勢いづいた漆黒の軍勢は止まることを知らなかった。
54 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:38:00.56 ID:mrabQCqo0


( ´_ゝ`)『調子のいい奴らだな』

( ^ω^)『よし、ブーンも……』

(´<_` )『おっと、お前は待て』

(;^ω^)『お?』


いざ飛び出そうと構えたところを呼び止められ、
出鼻を挫かれたブーン上等兵及びエレファンダーのコンビ。
両者はほぼ同時に、不満の感情を帯びた声を出す。


( ^ω^)『何ですかお?』

(´<_` )『お前とジョルジュには、ちょいとミルナ少将のところにまで行ってきてほしい』
  _
( ゚∀゚)「少将? 確かあの人は敵の隊長と」

( ´_ゝ`)『戦闘中だ。だが流石にそろそろ戻ってきてもらわんと困るのでな』

( ^ω^)『戦いの邪魔したら怒るんじゃないですかお?』

56 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:42:47.06 ID:mrabQCqo0

今までの雰囲気から、
ミルナが正々堂々の勝負を望む男だということはわかっていた。

そんな彼の真剣勝負に水を差すような真似をすれば、
例え仲間であっても何をされるかわかったものではない。

だがオトジャはその心配は無用だと言う。


(´<_` )『あの人は大局を見ることができる人だ。
      今何を優先するべきか、ちゃんとわかっている筈さ』

( ´_ゝ`)『と言うかそうじゃなきゃ少将になんてなれないだろjk』
  _
( ゚∀゚)「まあ確かに。でも突然どうしたんだ?」

( ^ω^)『何かあったんですかお?』

( ´_ゝ`)『………』(´<_` )

58 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:48:14.88 ID:mrabQCqo0

答えは、沈黙。
尤もその表情からある程度の予測はつくが。

  _
( ゚∀゚)「……とりあえず了解した。おい、行くぞブーン」

(;^ω^)「お? は、把握」


追求することはせず、2人は共和国の群れの中へと駆けて行った。
ミルナはこの先、敵陣のど真ん中で戦っている。


(´<_` )「まったく、無茶をする人だ。敵が戦馬鹿じゃなければ危なかったぞ」

( ´_ゝ`)『そうだな。ま、でもアイツのことだ。雑魚が何匹増えようとも敵じゃないだろ』

(´<_` )「………」



59 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:50:12.19 ID:mrabQCqo0

オトジャは無言のまま前方を見つめている。

視線の先にあるのはメインモニタ。
そしてそこに映っているのは、暗号化された緊急用の伝言文。
上空を飛んでいるホエールキングから、先程送られてきたものだ。


(´<_` )「砲撃隊接近中、か。気付いているのだろうか、あの人は」

( ´_ゝ`)『さあな。わからん』


迫りくる第二の軍勢。
それが到着した時、一体己の運命はどうなるのか。

言いようのない悪寒に襲われながらもオトジャは、アニジャは。
待ちうける無数の敵機へと歩んで行く。


まるで、戦いが全てを忘れさせてくれる事を期待するかのように。
61 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:55:38.85 ID:mrabQCqo0



――ミルナ――



迂闊だった。
こうなることを予測しておくべきだった。

もう何年もゾイド乗りをやっていると言うのに、
未だにこういうミスを犯すとは、弛んでいる証拠だ。


(;゚д゚ )「糞、大丈夫か? セイバータイガー」

【――――………】



62 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 00:59:50.10 ID:mrabQCqo0

答えは否定。
この凶暴無比な虎が、弱弱しく唸っている。

幸い致命傷とまではいっていない。
だが傷を負ったところが悪かった。
これでは満足に動くこともできないだろう。


<_プー゚)フ『油断したな』

( ゚д゚ )「……そうだな」


セイバータイガーの肩口。
そこから、銀色の刃が生えていた。
64 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:05:17.59 ID:mrabQCqo0


( ゚д゚ )「射出式のブレードとはな。流石に予想していなかったよ」

<_プー゚)フ『切り札は最後まで取っておくものさ』


これこそが、ムラサメの最強技であった。

大刀を弾丸の如く撃ち出し、敵を貫く。
1度きりしか使えない代わりに、相手に与えるダメージと驚きはかなりのもの。
使い方さえよく考えれば、正に一撃必殺の奥義となる。


<_プー゚)フ『そのザマじゃあ動けねぇだろ。勝負あったな』


獅子が止めを刺そうと、その前足を高く掲げた。

狙いは今ミルナ自身がいる操縦席。
あれが振り下ろされれば、まず間違いなく助かるまい。
66 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:10:42.49 ID:mrabQCqo0


( ゚д゚ )(………負け、なのか?)


勝負が決したのは誰の目から見ても明らかだ。
唯一の希望があるとすれば、エクストの油断くらいか。
だがそれも動けなければ意味がない。


(-д-)(確かに、厳しいな。……しかし)


このまま負けを認めて、果たしてそれでいいのだろうか。
クー・スカイアとの勝負を投げ出し、勝手に逝くのが正しい道だというのか?


67 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:13:03.57 ID:mrabQCqo0


( ゚д゚ )(そんな筈は無い)


彼女以外の者に負けるなど。
それこそ死よりも辛い屈辱だ。

このまま逝っていいわけがない。
しかし、どうしようもないのもまた事実である。




――ゾイドは心で操るもの――




死にたくはない。
でも死ぬしかない。

矛盾する希望と現実。
これを正すためには、自分は一体どうしたらいいのか?

ミルナは冷静に考える。
69 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:14:24.78 ID:mrabQCqo0




――想いに応えて強くなる――




脳裏に浮かぶ、彼女の言葉。

想えばゾイドは強くなる。
そんなことを、言っていた。


( ゚д゚ )(いや、それだけでは駄目だ)


だが彼女はこうも述べた。
71 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:16:12.10 ID:mrabQCqo0




――愛機を信じればいい――




自分にはそれができなかった。
だから彼女には勝てなかった。

その言葉自体は昔から頭に入ってはいる。
だが結局何も変わってはいなかった。


(-д-)(……すまない、セイバータイガー)



72 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:18:36.47 ID:mrabQCqo0

今はどうなのか?
そんなもの少し考えればわかることではないか。

自分が信じているのは、今も昔も変わらず己の力だけ。
愛機の事などなに1つ信じてはやれなかった。

見かけだけの絆。
たださもゾイドと仲がいいように見せかけているだけ。
そんなものに、彼が応えてくれる筈がない。

だからこうも無残に、大地に横たわっているのだ。


(-д-)(お前はさぞかし私を憎んでいるだろうな)


それは、仕方がない。
憎むなと言う方が難しい。

しかし。もしも、もしもだ。
今からでも間に合うと言うのなら。


73 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:19:53.08 ID:mrabQCqo0


(-д-)(私はお前を信じよう。だから――)


都合のいい話なのはわかっている。
この戦いが終わればどんな報いでも受けよう。
なんなら愛機と同じように右肩を破壊してくれても構わない。

だから、だから頼む。
セイバータイガーよ、
77 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:22:42.49 ID:mrabQCqo0



(-д-)(私に――)





力を





(#゚д゚ )(貸してくれ――!)






虎が、吠えた。


78 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:24:42.29 ID:mrabQCqo0



――――



激戦の地、シベリアから数十キロ離れた地点。
もうまもなく1本道に入ろうかと言う場所に、とある軍勢が佇んでいた。

共和国軍・第5重砲撃隊。
名将ロマネスクが率いる、超重量級部隊だ。


その機体数はおおよそ1000。

本来は複数のゾイドで構成されている隊なのだが、
今回は先頭にいる1体を除き、全てが同じ機体となっている。
80 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:26:16.32 ID:mrabQCqo0

ディバイソン。

背中からせりでた17本の砲身と、鋭い2本の角を持ち。
荒い息使いと共に繰り出される突撃攻撃で全てを破壊する、鋼鉄の野牛。


( ФωФ)「流石にこれだけ揃うと壮観であるな」


先頭に立つ、白銀の恐竜型ゾイドのコクピット内。
共和国が誇る偉大な将軍、ロマネスクは自らの軍勢を見てそう呟いた。


『ロマネスク中将』

( ФωФ)「どうした?」

『い、いえ。そろそろ向かわなくてよろしいのですかと』

83 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:30:43.07 ID:mrabQCqo0

通信機越しからも伝わってくるこの気迫。
猫くらいならば簡単に気絶させられそうである。

質問をしようとしただけだと言うのに、
彼の副官は思わず縮こまってしまった。


( ФωФ)「まあそう慌てるな。少しは灸を据えてやらんと」


そう言って無邪気な笑みを浮かべる中将殿。
彼をここまでさせる度胸のある人間は、後にも先にもただ1人しかいないだろう。

エクスト=プラズマン。

先鋒を務める第7高速隊の隊長にして、
ロマネスクの弟子に当たる超がつくほどの単純馬鹿。
85 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:34:25.10 ID:mrabQCqo0


『しかし、我々を置いて先に行ってしまうとは……。
 一体エクスト中佐は何を考えておられるのでしょうか』

( ФωФ)「生憎、あの馬鹿の事は師匠である私にもよくわからん。すまんな」

『い、いえ』


今の彼の言葉には少々誤りがある。
実際には“わからない”のではなく、“わかりたくない”だけ。

規律と誇りを至上とする彼にとって。
エクストの自由奔放な考え方は、考えただけで頭痛がする代物なのだ。

よってこの話はこれでお終い。
気分転換のためか、今度は逆にロマネスクの方から質問が飛ぶ。


86 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:35:33.97 ID:mrabQCqo0


( ФωФ)「ところで。ホエールキングの追撃隊はどうなっている?
        何でもレドラー決死隊の活躍によって取り逃がしたと聞いたが」

『はっ、その通りであります。よって残りを確実に仕留めるため、
 上層部はギコ大佐の率いるストームソーダー隊に出撃を命じた模様です』

( ФωФ)「ほう、あのゴラゴラ坊主がか。それは面白い」


副官の口から飛び出してきた懐かしい名前。
あいつなら敵がよほど腕利きでもない限りは大丈夫だろう。

そんな事を考えながら。
彼はようやくその重い腰を上げ始めた。


87 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:37:04.68 ID:mrabQCqo0


( ФωФ)「では、そろそろ参ろうか。――各自2機で1列になって突入せよ。
        戦争の終結は、もうすぐそこだ」


ロマネスクの指示の元。
ゆっくり野牛の軍勢が動いて行く。

全てを砕き、
全てを終わらせるために。

目指すは最果ての地、シベリア。

今ここに置いて。

全ての役者が、揃ったのだ。
91 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:40:13.80 ID:mrabQCqo0



――エクスト――


エクストは戸惑っていた。
目前の相手が、あまりに不可解だったから。
視界いっぱいに広がる、セイバータイガーの鋭い爪。

動けるわけが無い。

自分の撃った刀は確かに相手の肩を貫いていた。
現に奴は先程まで、あんなに弱っていたではないか。


なのに、

なのに、

何故奴はあんなに――
93 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:42:08.34 ID:mrabQCqo0


<_;プー゚)フ(動けるんだよおおおおおおおおお!?)


頬を殴られ、獅子が地に倒される。

地響きと猛烈な砂煙。
周りにいた者は、一体何が起こったのかと皆一様に驚いていた。

それは無理もない。
エクスト自身だって、驚愕の出来事だったのだから。

今まさに止めを刺そうとしていた敵が急に動き出し。
己の攻撃を受け止め、更にカウンターを加えてきた。

今までからは想像もできないほどの鮮やかな動き。
こんな操縦をできる人間が、この世にいたなんて。
96 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:43:50.75 ID:mrabQCqo0


(#゚д゚ )『うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』

<_;プー゚)フ「っ――!」


大気を振動させるほどの凄まじい迫力。

あまりに恐ろしくて、身震いが止まらない。
そしてそんな己に吐き気がした。


<_#プー゚)フ(糞がッ!)


一体自分を誰だと思っている?
共和国第7高速戦闘隊体長、エクスト=プラズマンだぞ?

負ける筈がない。
すぐに逆転できるに決まっている。

そう思うことにより、彼は己を奮い立たせた。
恐ろしくて恐ろしくて、理性がすっ飛びそうだったから。
98 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:46:30.96 ID:mrabQCqo0


<_#プー゚)フ「畜生おおおおおおおおおおおおお!!!」


この屈辱、絶対に許さない。
怒りの炎を身に纏い、漆黒の獅子が飛び掛かる。


(#゚д゚ )『あああああああああああ!!!』

<_;フー )フ「がっ……!」


だが駄目だった。
ギリギリの距離で避けられて、やはりカウンターを打ち込まれる。

紙のように容易く吹き飛ばされるムラサメの巨体。
ただの爪の一撃で、ここまでの威力とは。


<_#プー゚)フ「クソッタレ!」


空中で受け身を取り、何とか態勢を持ち直す。

――しかし
100 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:49:56.60 ID:mrabQCqo0


<_プー゚)フ「へ?」


衝撃。

機体が反回転しながら宙を舞う。
一瞬で間合いを詰めた、猛虎の手痛い追加攻撃。


<_;プー゚)フ(馬鹿な! は、速――!)


衝撃。

またも一撃もらってしまった。
着地すらしていないと言うのに。


<_;フー )フ「っ……! ありえ――」


衝撃。

空中で爪を立てられたまま地面に打ち付けられる。
もがいて脱出を図るものの、敵の力が強すぎて無理だった。


101 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:52:17.50 ID:mrabQCqo0


<_;フー )フ「ね、え………」


度重なる攻撃。
その結果、エクストの意識は既に限界に来ていた。
気を失わないようにするためには、もう少しの気の緩みも許されない。


<_;フー゚)フ(く……そ! どう、する……!?)


目前には、こちらを見下ろすセイバータイガー。
対するこちらの状態は絶体絶命。

装甲が抉れ、内部構造も衝撃でイカレ気味。
更には完全に抑えつけられ動けないとくる。


102 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:53:27.00 ID:mrabQCqo0


<_;プー゚)フ(しかし、何でいきなり強くなりやがったんだ……。
         まさか眠っていた力がいきなり目覚めました、とか?)


そんな都合のいい現象、あるわけがない。
しかしそうでもしなければ説明がつかない。

エクストにはわからなかった。
いや、わかるわけがなかった。


( ゚д゚ )『……お前は確かに、パイロットとしては申し分ない』

<_プー゚)フ「何……?」


絶対的に優勢な状況。
にもかかわらず、ミルナは止めを刺そうとしなかった。

油断では、ない。

先程はそのせいで死にかけたのだ。
また同じ轍を踏むほど彼は愚かではない。
104 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:54:40.25 ID:mrabQCqo0


( ゚д゚ )『だが、ゾイド乗りとしては二流、いや三流以下だ』


己の力で機体の自我を捻じ伏せる。
そんな操縦法で、彼等が応えてくれる筈もない。

現に先程までの彼もそうだった。
セイバータイガーを、己の愛機を信じていなかった。


( ゚д゚ )『だが今は違う。私は相棒を信じ、そして共に戦う』


1人で戦っているエクストに対し、愛機と共に闘っているミルナ。

つまりは2対1。
これでは彼が勝てる道理など無い。


105 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:56:56.45 ID:mrabQCqo0


<_#プー゚)フ「……だからどうしたってんだ」


しかしそんな事実を突き付けられてなお。
エクストの不屈の闘志は揺らがなかった。


<_#プー゚)フ「ゾイドと共に闘う? ふざけんな。いいか、戦いで信じられるのはただ1つ」


蛇の様にうねる、ムラサメの尾。
先端に取り付けられたテイルブレードで、ミルナ=セイバータイガーを薙ぎ払う。


(;゚д゚ )『っ――!?』


まだ足掻こうとする気力があるのか。
てっきり命乞いでもするのかと考えていたのに。

ミルナは内心で舌を巻いた。
107 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 01:59:14.46 ID:mrabQCqo0


<_#プー゚)フ「自分の力のみだ!」


獣王が再び大地に立つ。
その動作は驚くほど鮮やかに、そして速かった。

だがそれは、エクストの意志に応えたわけではない。
単に彼とムラサメの思惑が一致しただけのこと。


<_#プー゚)フ「さあて、ちいと長く時間をかけすぎた。いい加減終わらせようぜ!」

( ゚д゚ )『そうだな。私もそう思っていたところだ』


低く長い、唸り声。
獅子と虎が睨みあう。

これが恐らく最後の対峙だ。

相手の動きを観察し、僅かな隙を突いて。
そして最高の一撃を相手にお見舞いする。


108 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:01:47.59 ID:mrabQCqo0


<_#プー゚)フ「――ッ!」

(#゚д゚ )『はっ――!』


気合いの声はほぼ同時。
各関節の保護用キャップが、最高速度で回転する。

駆け始めて数秒後。

速度は既に限界、
ミルナに至ってはそれ以上だ。


(#゚д゚ )『うおおおおおおおおおおおお!!!』

<_#プー゚)フ「はああああああああああああ!!!」


もうこれが幾度目の叫びだろうか。

喉は痛み、声は枯れ。
しかしそれでも叫ぶのを止めない。


109 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:03:06.64 ID:mrabQCqo0


【―――――!!!】

【―――――!!!】


そしてそれは彼等の愛機も同じこと。

獅子は己のため。
虎は自らの主のため。

死力を尽くし、駆け抜ける。


(#゚д゚ )『おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』

<_#プー゚)フ「ああああああああああああああああ!!!」


再び迸る、絶叫。

互いの間はあと少し。

その瞬間、飛ぶ。

宙を踏みしめ、前へと踏み出し。

その爪を大きく振りかざす――!
111 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:04:29.84 ID:mrabQCqo0


(#゚д゚ )『ストライク――』


ムラサメの爪が強い光を放った。
大気を焼き尽くす、灼熱の炎。

対するセイバータイガーのそれは、特に変化は無い。
一昔の機体である故に武器の性能も多少劣っているのだ。

だが構わない。

愛機の力を信じ己の力も引き出せば。
それくらいの差、どうとでもなる。


112 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:05:25.07 ID:mrabQCqo0


<_#プー゚)フ「レーザー――」


目と鼻の先にまで迫る獅子の顔。
瞬間、腕を振り降ろしたい衝動に駆られるが思い止まる。

まだだ、まだ駄目だ。

これでは相手に致命傷は与えられない。
もっと、もっと近づかなければ。

タイミングは相手より遅くても構わない。
先に届きさえすれば、問題無い。


113 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:06:20.86 ID:mrabQCqo0


コンマ1秒、2秒、3秒。


今だ。

全ての力を振り絞り、一気に腕を、振り下ろす。

ムラサメも動いてきた。同時か。

どちらが先に届く?

相手か、自分か。

自分だ。自分に、決まっている。

そうだ。いけ、いけ、いけ―――――!



114 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:08:06.85 ID:mrabQCqo0




<_#プー゚)フ「クロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」( ゚д゚#)



116 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:10:44.81 ID:mrabQCqo0

刹那。

セイバータイガーの、右腕に。

百獣の王の体を抉った、

確かな感触が、伝わった―――







to be continued


117 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:12:38.45 ID:mrabQCqo0
以上で、今日の投下を、終わります。眠い
微妙に急展開すぎるのは仕様です。あうあう

最後スラゼロの影響受けまくりワロチ


一応今回新しく出したゾイドの解説もしておきます
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/25(日) 02:15:00.85 ID:grKNCL980
ブーンが割りと空気なけry

120 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:18:58.14 ID:mrabQCqo0


帝国サイド

ブラックライモス サイ型 搭乗者:帝国パイロット

小型版レッドホーンとも呼べる万能機。
ビークル及びレーダーなどによる索敵までをこなす。
頭部の突撃戦用超硬度ドリルの破壊力は抜群。


共和国サイド

ディバイソン バッファロー型 搭乗者:共和国パイロット

旧大戦で無敵を誇ったとあるゾイドに対抗すべく作られた機体。
ツインクラッシャーホーン、17連突撃砲が主な武器。
殆どの武装が前面に向けられた、完全な突撃戦用ゾイド。


121 : ◆O7VpO4QdUA :2009/01/25(日) 02:20:22.15 ID:mrabQCqo0
長い間お疲れ様でした。
つーかこんな時間にも支援してくれる人がいて泣いた

>>118
これから終盤にかけて活躍する……と思い……ます、たぶん
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