川 ゚ -゚)クーはマリッジブルーなようです
- 1 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 21:55:28.22 ID:NbdTQ+Dc0
-
【天下一ブーン会】
ヽ
(^ω^)-┐
】そ┗-ヽ ノ
┏┘ ゲリラッタ
滑り込みで参加させて頂きます
- 2 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 21:56:21.52 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「……はあ」
...川 ゚ -゚) ウロウロ
(゚- ゚ 川... ウロウロ
川 ゚ -゚)「……ふぅ」
......川 ゚ -゚) ウロウロ
(゚- ゚ 川...... ウロウロ
川 ゚ -゚)「……ほぉ」
ξ゚听)ξ「クー……?」
川 ゚ -゚)「何だ?」
ξ゚听)ξ「正直、ウザい。少し落ち着きなさいよ」
川 ゚ -゚)「これが落ち着いていられるか。結婚式は明日なんだぞ?」
− 川 ゚ -゚)クーはマリッジブルーなようです −
- 5 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 21:58:11.04 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「そうね、明日ね……。もう明日なんだから、今更慌ててもしょうがないでしょうが」
川 ゚ -゚)「しかし、明日なんだぞ? 明日になったらもう、慌てる暇もないじゃないか」
ξ゚听)ξ「……そりゃそうだけど」
川 ゚ -゚)「結婚なんて生涯そう何度もすることじゃないんだぞ? いくら考えても、考え過ぎなんて事はない」
ξ゚听)ξ「まあ、そうだけど、それなら何で前日になってからなのよ?」
ξ゚听)ξ「昨日までは──」
ξ゚ -゚)ξ「結婚ぐらい誰でもするものだから、別にどうということではない」
ξ゚听)ξ「なんて言ってたじゃないの」
川 ゚ -゚)「昨日は昨日、今日は今日だ。“男子三日会わざれば刮目して見よ”という言葉を知らんのか?」
ξ--)ξ「残念ながら、私らは女だし、昨日も会ったでしょうが」
川 ゚ -゚)「むう、このツッコミ体質め」
ξ゚听)ξ「あんたとこれだけ長く付き合ってれば、嫌でもツッコミ体質になるわよ」
- 8 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:00:00.86 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「女なのに突っ込む方とは──」
ξ^ー^)ξ「それ以上喋るとぶん殴るわよ?」
川 ゚ -゚)「冗談だ。相変わらずその手のネタには厳しいな」
ξ゚听)ξ「当たり前でしょうが。あんたも少しは弁えなさいよ、女なんだから」
川 ゚ -゚)「男女差別は如何な物かと思うがな」
ξ゚听)ξ「TPOを考えなさい。あんたの外見でそれは引くから」
ξ゚听)ξ「結婚相手の前でいつそんな事を口走るか気が気じゃなかったわよ」
川 ゚ -゚)「流石にそれはちゃんと弁えるよ」
川 ゚ -゚)「しかし、そのくらいで引いてるようじゃ、結婚は無理だろ?」
川 ゚ -゚)「偽りの姿を受け入れてもらっても仕方がないじゃないか」
- 9 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:03:09.51 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「偽らずに直せって言ってんのよ。破談にしたいの?」
川;゚ -゚)「それは困る」
ξ゚听)ξ「向こうは見るからに真面目な純粋培養なんだから、もうちょっと気をつけなさいよ?」
川;゚ -゚)「うむ……心得た」
ξ--)ξ「まあ、しかし、心配なのはわからなくもないわ」
ξ゚听)ξ「あんたんとこは早くにご両親を無くして、妹のヒートちゃんとずっと2人で生きてきたもんね」
ξ゚听)ξ「ヒートちゃんと別れるのは辛いでしょう?」
川 ゚ -゚)「別に辛くはないさ」
川 ゚ -゚)「ただちょっとヒートと離れたくないだけで、ヒートのことが心配なだけで、ヒートの将来が色々と心配──」
ξ;゚听)ξ「ストップ、ストップ。わかった、わかったから……」
ξ゚听)ξ「と言うか、全然この結婚に納得してないんじゃないの?」
- 11 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:06:04.97 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「納得してないか、全く納得してないかで言えば──」
川 ゚ -゚)b「毛ほども納得してない」
ξ;--)ξ「……だから、何で前日になってそんな事言い出すのよ」
川 ゚ -゚)「……冗談さ。納得はした、と言うかせざるを得ない状況だったよ」
川 ゚ -゚)「彼の純粋な思いを見ればね」
ξ゚听)ξ「……そうね、今時珍しいくらい純粋だったわね」
川 ゚ -゚)「ああもまっすぐに想いの丈をぶつけられれば、首を立てに振らざるを得ないさ」
ξ゚ー゚)ξ「泣きならが、“絶対幸せにしますから”って連呼したんだっけ?」
川 ゚ -゚)「ご丁寧にすがり付いてな」
川 ゚ -゚)「全く男のくせに情けない……」
ξ゚ー゚)ξ「……フフ」
- 13 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:08:20.66 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 - -)「……まあ、それだけ他人から想われるという事は、幸せなのだろうなとは思ったよ」
ξ゚听)ξ「……妬けるわね」
川 ゚ -゚)「“誰だって、幸せになる権利はある”とも言われたしな」
ξ゚听)ξ「……お金持ちだもんね、彼」
川 ゚ -゚)「まあ、そこでぶん殴ったけど」
ξ;゚听)ξ「やっぱりTPO弁えてねえ!」
ξ;゚听)ξ「と言うか、それ、初耳なんだけど? よく破談にならなかったわね……」
ξ゚听)ξ「しかし、何でまた……」
川 ゚ -゚)「……確かに私達姉妹は、生活は苦しく、世間一般の家庭よりは苦労してきた」
川 ゚ -゚)「だが、そこには幸せもあった」
川 ゚ -゚)「姉妹で共に暮らし、日々の苦楽を分かち合う、私達だけの幸せだ」
- 15 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:10:29.33 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「他人から見れば些細な事にしか見えないことでも、私達にとっては確かに幸せな事だった」
ξ゚听)ξ「……ごめん」
川 ゚ -゚)「何故お前が謝るんだ?」
ξ゚听)ξ「私も、あんた達姉妹がずっと苦労してここまで来たことしか──」
川 ゚ -゚)「さっきのは少し訂正しよう。私達の幸せは、私とヒート、そして私やヒートを愛してくれた周りのみんなと作り上げた物だ」
川 ゚ -゚)「いつも朝起こしに来てくれたお節介な親友がいたから、私はちゃんと高校も卒業できた」
ξ゚听)ξ「……」
ξ--)ξ「あんたは朝弱すぎるのよ」
川 ゚ -゚)「普通に遅刻でヤバかったな」
ξ゚听)ξ「これからは起こしてくれるヒートちゃんもいないんだからね?」
川 ゚ -゚)「モーニングコール頼んでいい?」
- 18 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:14:17.92 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「……たまには何か奢りなさいよ?」
川 ゚ -゚)「貴様は貧乏人から搾取するのか?」
ξ゚听)ξ「お金持ちになるんでしょうが……まあ、何か料理でも作ってよ」
川 ゚ -゚)「そのくらいの暇はあるだろうから構わんが、何と言うかツンは料理も少しは覚えた方がいいと思うぞ?」
ξ;゚听)ξ「で、出来ないわけじゃないわよ」
川 ゚ -゚)「確かに出来はするが、出来た物がああも化学兵器では、その内あのお人好しも愛想を尽かすぞ?」
ξ;゚听)ξ「わ、私の料理の腕にブーンは関係ないでしょ? てか、化学兵器ってどういうことよ?」
川 ゚ー゚)「おや、私は“お人好し”と言っただけで、ブーンとは一言も言ってないがな?」
ξ// /)ξ「……ッ」
川 ゚ -゚)「まあ、順調そうで何よりだ。あいつはいいやつだからな。高校時代はあいつの明るさに随分助けられた」
ξ--)ξ「何も考えてないだけよ。いつあんたの機嫌を損ねるかヒヤヒヤしてたわよ」
- 19 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:17:25.74 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「変に気を使われるより、あんな風に自然に接してくれた方が救われるよ」
ξ゚听)ξ「そっか……、あいつの無神経もたまには役に立ってたのね」
川 ゚ー゚)「まあ、その無神経が過ぎて、未だにゴールインにには至らないわけだが」
ξ// /)ξ「う、うるさいわね。他人の事はいいから、今はあんたのことを考えなさいよ!」
ξ゚听)ξ「……だいぶ話がそれたけど、それでどうしたの?」
川 ゚ -゚)「どうとは?」
ξ゚听)ξ「相手をぶん殴ったんでしょ? その後よ」
川 ゚ -゚)「ああ、仰向けに倒れた脇腹に数発蹴りを──」
ξ;゚听)ξ「何してんのよ!」
ξ;゚听)ξ「つーかそれは、普通に危険よ。良い子は真似しちゃダメよ?」
- 21 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:21:02.85 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「それでよく破談にならなかったわね……」
川 ゚ -゚)「ああ、蹴った後、さっきの幸せの話をしたら、土下座して謝ってきたよ」
ξ;゚听)ξ「うわぁ……」
川 ゚ -゚)「泣きながら、よく聞き取れない声で“ずびばせん、ずびばせん”って言ってた」
ξ;゚听)ξ「……正直、コメントが難しい」
川 ゚ -゚)「ヘタれ過ぎて、こんなやつでいいのか不安だったな」
ξ;゚听)ξ「ヒートちゃんは止めなかったの?」
川 ゚ -゚)「……………………れた」
ξ゚听)ξ「え? 何?」
- 22 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:24:11.63 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ´ -`)「……こっぴどく叱られた」
ξ;゚听)ξ「ああ……まあ、当然よね」
ξ;゚听)ξ「毎回手ぇ出してるもんね……」
川 ´ -`)「私が自分が間違ってるとは思ってないぞ?」
川 ´ -`)「結婚なんて生涯そう何度もすることじゃないんだ。慎重に慎重を重ねてもやり過ぎってことは無い」
ξ゚听)ξ「手を出すのはやりすぎよ。……まあ、言ってること自体は正しいとは私も思うけど」
川 ´ -`)「……」
川*゚ -゚)「やはりそうか?」
川*゚ -゚)「ヒートもな、言いたいことはわかるし、間違ってないって言ってくれたんだ」
ξ゚听)ξ「はいはい、シスコン、シスコン」
- 23 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:27:01.90 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「間違ってないけど、やり過ぎって言われたんでしょうが」
川*゚ -゚)「ああ、言われたとも」
ξ;--)ξ「何で誇らしげなのよ……」
川 ゚ -゚)「それと、私はシスコンじゃないぞ?」
川 ゚ -゚)「この世でたった1人の家族なんだ。大事に思うのは当然だろ?」
ξ゚听)ξ「あんたのは度が過ぎてんのよ」
ξ゚听)ξ「だからどっちもずっと彼氏が出来なかったんじゃないの」
川 ゚ -゚)「私は、出来なかったんじゃなくて作らなかったんだ」
川*゚ -゚)「そしてヒートに色目を使うやつは私がことごとく潰してきた」
ξ;゚听)ξ「だから、誇らしげに言うなっての。ヒートちゃんも迷惑してたでしょうね」
川 ゚ -゚)「その辺は大丈夫だ」
- 26 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:29:58.91 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)b「そのことがヒートに漏れる様なヘマはしていない」
ξ゚听)ξ「……あんた、色々とダメダメだわ」
川 ゚ -゚)「妹の為なら心を鬼にするさ」
ξ゚听)ξ「あんたの場合、鬼気じゃなくて喜々としてやってそうだわ」
川 ゚ -゚)「何とでも言え。私は私の信じる道を歩んだまでだ」
ξ--)ξ「はた迷惑な姉ね……」
ξ゚听)ξ「まあ、でも、それも今日までね」
川 ゚ -゚)「……」
川 ´ -`)「……はあ」
川 ´ -`)「……明日は結婚式か」
- 28 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:32:35.44 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「いい加減に腹くくりなさいよ。昨日今日決まった話じゃないでしょ?」
川 ゚ -゚)「そんなことわかってるさ」
川 ゚ -゚)「だがしかし、頭での理解と心での理解は違うだろ?」
川 ゚ -゚)b「考えるな、感じろだ」
ξ゚听)ξ「色々とおかしいけど、あんたのはアレね」
川 ゚ -゚)「アレとは?」
ξ--)ξ「いわゆる、マリッジブルーってやつよ。結婚前にかかる鬱病みたいなものね」
川;゚ -゚)「何故私がそんな物に?」
ξ゚听)ξ「私だって、何であんたが、って言いたいけど、今のあんたはどう見てもそうとしか思えないわ」
川;゚ -゚)「むう……」
- 30 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:34:30.46 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「不安?」
川 ゚ -゚)「……うん」
ξ゚听)ξ「そう……」
川 ゚ -゚)「全くの他人だぞ? そんなやつ──」
ξ゚听)ξ「私だって、あんたとは他人よ。血は繋がってないわ」
ξ゚ー゚)ξ「でも、友達でしょ?」
川 ゚ -゚)「……ああ、友達だ。血は繋がっていないけど、家族と、ヒートと同じくらい大切な親友だ」
ξ*゚听)ξ「あんた、そういうのよく真顔で言えるわよね」
川 ゚ -゚)「正直なのが私の取り柄だからな」
ξ゚ー゚)ξ「……そうね。あんたは絶対ウソつかないもんね」
- 33 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:37:01.87 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「最初は他人同士でも、いずれ分かり合えるわよ」
ξ゚听)ξ「私も会ったけど、彼はいい人だわ。真面目で純粋、優しい目をしてたわ」
ξ゚听)ξ「あんたもそこは認めてるんでしょ?」
川 ゚ -゚)「まあな。悪いやつではない」
川 ゚ -゚)「だが、私はあまり人を見る目がないからな」
ξ゚听)ξ「私は、人を見る目に自信があるわよ?」
川 ゚ -゚)「うん、確かにツンの目は確かだな。お前の周りにはいいやつしかいない」
ξ゚ー゚)ξ「あんただってその、私の周りのいいやつの1人じゃないの」
ξ゚听)ξ「それに、あんたも見る目があったから私と友達になったんじゃないの?」
川 ゚ -゚)「……そうだな」
- 35 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:39:13.56 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ー゚)「確かに私の周りも、いいやつばっかりだ」
ξ゚听)ξ「そういうことよ。だから、心配しなさんな」
川 ゚ -゚)「ああ。……しかし」
ξ゚听)ξ「……ヒートちゃんと離れるのが辛い?」
川 ゚ -゚)「……うん」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「いや、すまん、気持ちの折り合いはついてるんだ。ヒートと2人、ちゃんと話し合って決めたことだ」
ξ--)ξ「折り合いがついてないから、マリッジブルーなんかになってるんでしょうが?」
川;゚ -゚)「う……」
ξ゚听)ξ「全く……手間のかかる子ね」
- 37 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:42:30.17 ID:NbdTQ+Dc0
-
川;゚ -゚)「今日のツンはいつになく厳しいな」
ξ゚听)ξ「そりゃそうでしょ?」
川 ゚ -゚)「あれか、私がマリッジブルーなら、ツンはブルーデ──」
ξ#^ー^)ξ「へし折るわよ?」
川 ゚∩゚)「お口にチャック」
ξ;゚听)ξ「全く……そういうネタは止めろって言ってるでしょうが」
川 ゚ -゚)「ツンにしか言わないさ。それだけ気が置けないって事さ」
ξ゚听)ξ「もうちょい私にも気を使えっての」
ξ--)ξ「まあ、いいわ。とにかくヒートちゃんね」
川 ゚ -゚)「今までずっと一緒だったんだ」
- 38 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:44:39.79 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「そうね、たった2人の家族だもんね」
川 ゚ -゚)「ああ、家族だ。そして、家族は離れても家族で、距離が空いた程度で私達の仲が壊れるなんて思ってもいない」
ξ゚听)ξ「そこまで納得してても?」
川 ゚ -゚)「納得はしてる。でも……でも、やっぱり……」
川 - )「私は……」
ξ゚听)ξ「……クー」
川 - )「なあ、ツン……」
ξ゚听)ξ「……」
川 - )「私は……どうしたらいいんだ?」
ξ゚听)ξ「……」
川 - )「……」
- 40 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:48:05.46 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「……わからない……かな?」
川 ー )「……何だそれは? ツンならきっと、私が納得できる答えを教えてくれると思ったのに」
ξ゚听)ξ「まあ、私の事じゃないからね。ご期待に添えなくて申し訳ないけど」
川 ー )「いつになく冷たいじゃないか」
ξ--)ξ「……答えは、あんたの心次第よ」
川 - )「……」
ξ--)ξ「ホントは、もう答えは出てるんでしょ?」
川 - )「……」
ξ゚听)ξ「あんたもヒートちゃんも幸せで、これからもっと幸せになれる」
ξ゚听)ξ「そのための選択をした。自分達が選びたい道を、ちゃんと2人で話し合って決めたんでしょ?」
- 41 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:49:28.70 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 - )「……ああ」
ξ゚听)ξ「あんたは、今までずっと、ヒートちゃんの姉としてがんばってきたわ」
ξ゚听)ξ「ううん、姉だけじゃない。時にはヒートちゃんの母親で、父親だった」
川 - )「……」
ξ゚听)ξ「でも、明日であんたはヒートちゃんのそばを離れる」
ξ゚听)ξ「お互い、違う生活を始めることになるわ」
川 - )「……」
ξ゚听)ξ「やっぱり寂しい?」
川 - )「……うん」
ξ゚听)ξ「だったら──」
川 - )「ヒートと離れてしまうのは、どうしようもなく寂しいさ」
- 43 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:53:28.49 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 - )「ヒートには私がついてなきゃダメだと思ってた」
川 - )「そして私にも、ヒートがそばにいなきゃダメだと思ってた」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「でも、そうじゃなかった」
川 ゚ -゚)「私達は家族で、2人だけの家族で、ずっと一緒にいた」
川 ゚ -゚)「しかし、私達は家族である前に1個の人間なんだ。お互い違う考えを持ち、いずれは違う道を歩く」
川 ゚ -゚)「それに、私達は2人だけで生きて来れたわけじゃないしな」
ξ゚听)ξ「……」
川 ゚ -゚)「私達は、お互いを必要としながらも、ちゃんとそれぞれ自分の足で立ってるんだ」
川 ゚ -゚)「そんな事は、ずっと前からわかっていたはずだ」
川 ゚ -゚)「ただその日が、明日になっただけの事」
川 ゚ -゚)「私がすべき事は、お互いの成長を喜び、幸せへの門出を祝福する事だ」
ξ゚听)ξ「……強がんなくてもいいわよ?」
川 ゚ -゚)9m「強がってなんかないZE?」
- 44 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 22:56:32.80 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「もう、マリッジブルー飽きた。結婚とか大した事ないよ、うん」
ξ;゚听)ξ「飽きたって何よ……」
川 ゚ -゚)「長い人生、結婚の1回や2回するさ。そんなもん、超余裕っスよ」
ξ--)ξ「はいはい、そういうことにしときましょ」
川 ゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ「……少しは気が晴れた?」
川 ゚ -゚)「……ああ」
ξ゚听)ξ「そう……」
川 ゚ -゚)「ツン」
ξ゚听)ξ「何?」
- 45 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:00:35.00 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「いつも私の愚痴を聞いてくれてありがとう」
ξ*゚听)ξ「な、何よ改まって……気持ち悪い」
川 ゚ -゚)「ヒドいな……気持ち悪いはないだろ?」
ξ*--)ξ「気持ち悪いもんは気持ち悪いわよ」
川 ゚ -゚)「むう……」
ξ゚听)ξ「それに、私は何もしてないわよ」
ξ゚听)ξ「ただ、あんたが出した答えを聞いてただけよ」
川 ゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ「……まあ、また愚痴りたい時はいつでも来なさいよ」
ξ--)ξ「あんたがどうなろうが、私達はずっと友達よ」
川*゚ -゚)「ツンデレwww」
ξ#゚听)ξ イラッ
川 ゚ -゚)「まあ、冗談はさておき、当てにしてるよ」
- 46 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:04:13.07 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「その代わり、たまには私の愚痴も聞きなさいよ?」
川 ゚ -゚)「だが断る」
ξ#゚听)ξ「何でよ!?」
川 ゚ -゚)「ツンの愚痴といえば主にあのニブチンの事じゃないか」
川 ゚一゚)「あれは愚痴と言うより惚気だしな」
ξ*゚听)ξ「なッ……」
川*゚ー゚)「気恥ずかしくて聞いてられんよ」
ξ*゚听)ξ「う、うるさいわね! あれのどこが惚気よ? ちゃんと立派な愚痴じゃないの!」
川 ゚ -゚)「はいはい、愚痴愚痴」
ξ#゚听)ξ「コイツ……ムカつくわ」
ξ゚听)ξ「まあ、いいわ。そんな事より今日はそろそろ帰りなさいよ」
ξ゚听)ξ「明日の準備もあるだろうし、何より、ヒートちゃんと一緒に過ごす最後の夜なんだからね?」
- 48 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:08:34.00 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「何を言ってるんだ? 今日はここに泊まるつもりだぞ?」
ξ;゚听)ξ「は? いや、さすがにそれはまずいでしょうが。準備とか色々……」
川 ゚ -゚)「いや、準備とかしなきゃ、結婚式延期になるんじゃね?」
ξ;゚听)ξ「アホか! そんなんで延期にならないわよ!」
川 ゚ -゚)「雨天順延とか……」
ξ;゚听)ξ「屋内でしょうが!」
川 ゚ -゚)「風が吹いたら遅刻して」
ξ;゚听)ξ「どこの大王よ!」
川 ゚ー゚)「さすがツッコミ体質、完璧だ」
ξ;゚听)ξ「いいからさっさと帰れ」
- 49 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:10:56.65 ID:NbdTQ+Dc0
-
川 ゚ -゚)「冷たいな。私は親友と一緒にいたいだけなのに」
ξ゚听)ξ「私を出汁にすんな。ちゃんと逃げずに向かい合いなさい」
ξ゚听)ξ「ヒートちゃんと、ちゃんといっぱい話して、明日を迎えなさいよ?」
川 ゚ -゚)「……うん、わかってるよ」
ξ゚听)ξ「……じゃあ、おやすみ」
川 ゚ -゚)「おやすみ」
ξ゚听)ξ「……明日は」
ξ゚ー゚)ξ「泣くんじゃないわよ?」
川 ゚ー゚)「ああ、たかだか結婚式ぐらいじゃ泣かないさ」
ξ゚ー゚)ξ「フフ……またね」
川 ゚ー゚)「またな……」
- 50 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:17:36.91 ID:NbdTQ+Dc0
- _
( ゚∀゚)「続きまして、新婦の入場です」
_
( ゚∀゚)「新婦は不幸にも幼い頃にご両親を亡くされております」
_
( ゚∀゚)「しかしながらそんな逆境にもめげず、姉妹2人、ここまで二人三脚でがんばってきました」
_
( ゚∀゚)「このヴァージンロードを歩くのも、そんな姉妹2人の二人三脚です」
川 ゚ -゚)ノパ听)
( ><)
- 52 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:20:05.68 ID:NbdTQ+Dc0
-
( ><)「お、お、お姉さん、ほ、ほほ本日はお日柄もよく」
川 ゚ -゚)「それは今こんな所でする挨拶ではないな」
( ><)「ぼ、ぼぼ僕はヒ、ヒートさんを? ヒートさんと? ヒートさんが?」
ノパ听)「ビロードー、少し落ち着けー」
川 ゚ -゚)「ビロード君」
( ><)「は、はいなんです!」
川 ゚ -゚)「妹を……私の大切な──」
川 ゚ー゚)「ヒートをよろしく頼んだよ」
(*><)「はいなんです!」
ノハ*゚ー゚)
- 54 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:22:02.22 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「……よく泣かなかったわね」
川 ゚ -゚)「私が人前で泣くわけないだろ? そんなみっともない事出来るか」
ξ゚ー゚)ξ「この、強がりめ」
川 ゚ -゚)「ツンももらい泣きするなよ? 厚化粧が剥がれて──」
ξ#^ー^)ξ「殴るわよ?」
川#)゚ -゚)「うん、そういうのは殴る前に言ってくれ」
ノハ*゚听)(><*)
川 ゚ -゚)「……」
ξ゚听)ξ「……ヒートちゃん、綺麗ね」
川 ゚ -゚)「私の妹だからな。当然だ」
- 57 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:25:15.28 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ゚听)ξ「はいはい。その綺麗なお姉さんも、早く相手を見つけて結婚してくださいね」
川 ゚ -゚)「私が本気を出せば、そんなの引く手数多、選り取り緑のワゴンセールだ」
ξ゚听)ξ「……肩の荷は下りた?」
川 ゚ -゚)「いや。……ヒートは荷物なんかじゃなかったからな」
ξ゚−゚)ξ「あ、ごめん──」
川 ´ -`)「半身がもぎ取られた様な感じだ」
ξ;゚听)ξ「いい加減吹っ切りなさいよ。あんたがそんな顔してちゃ、ヒートちゃんが安心してお嫁にいけないでしょうが」
川 ゚ -゚)「それもそうだな」
ξ;゚听)ξ「立ち直り早!」
川 ゚ -゚)「私はヒートのためなら何でもするからな。この結婚も、ヒートが心から望んだから、こうやって祝福してるんじゃないか」
ξ゚听)ξ「その割に昨日は盛大に落ち込んでたわよね」
川 ゚ -゚)「過ぎた事は忘れようじゃないか」
- 58 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:28:41.57 ID:NbdTQ+Dc0
-
ξ--)ξ「……はぁ」
ξ゚听)ξ「そういえばヒートちゃん、ブルーのウェディングドレスなんだね。薄いけど、純白じゃなくて」
川 ゚ -゚)「ああ、あれかい?」
川*゚ -゚)「青はお姉ちゃんの一番好きな色だからって、私のためにあれにしてくれたんだ」
ξ゚听)ξ「……あれ見て、お姉ちゃんもウェディングを着たくなる様にってことかしらね」
川*゚ -゚)「ん? 何か言ったか?」
ξ--)ξ「何でもないわよ。ただ──」
ξ゚ー゚)ξ「あんたら姉妹はホント仲良しだって事よ」
川 ゚ -゚)「何を今更……」
- 61 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:32:14.44 ID:NbdTQ+Dc0
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ノハ*゚ー゚)(><*)
川 ゚ -゚)「……ブルーか」
ξ゚听)ξ「ん?」
川 ゚ -゚)「いや、綺麗なブルーだなと思ってな」
川 ゚ー゚)「こういうブルーなら、悪くない」
ξ゚ー゚)ξ「そうね。昨日のブルーにはうんざりだったけど」
川 ゚ー゚)「そう言うな。次はお前か私の結婚式で、またどっちかがブルーになるんだ」
ξ゚ー゚)ξ「ならないわよ、バカ」
川 ゚ -゚)「……その機会が来なくて──」
ξ#゚ー゚)ξ「あ?」
- 63 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:33:59.04 ID:NbdTQ+Dc0
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川 ゚ -゚)「冗談だよ」
ξ--)ξ「全く……」
川 ゚ -゚)「まあ、とにかくだ……」
ノハ*;凵G)( ; ;*)
川 ゚ー゚)「結婚、おめでとう、ヒート。幸せにな……」
− 川 ゚ -゚)クーはマリッジブルーなようです おしまい −
- 70 名前: ◆h5fZDXzLuI :2009/03/29(日) 23:38:08.57 ID:NbdTQ+Dc0
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どうもでした。
ぶっちゃけ、普通に書いてた短編のタイトルに色が入ってたので、急遽最後辺りを少し色強調に直して参加させて頂きました。
いい加減な感じで便乗してすみません。
支援等、ありがとうございました。