第五話
5 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:34:07.74 ID:7J8nSVtXO
〜これまでの主な登場人物&精霊〜

(,,゚Д゚) ギコ=モナルド 人
元素 風
装備 ロングソード 銀の胸当て
父親を探すために精霊界を目指している青年。何かと不器用だが、戦闘での判断力には光るものがある。ツッコミ担当

( ^ω^) ブーン 精霊
元素 風
装備 淡緑色のツナギ
ギコの精霊。語尾に「〜お」とつける白い豚な精霊。だが、癒し系。風呂好き。
現在、精霊界にて怪我の治療中。

ノパ听) ヒート=スナオ 人
元素 火
装備 ハルバード 鋼の胸当て
なんとなくギコの旅について来た元気のよい女の子。すごい単純な性格。アホの子。

从 ゚∀从 ハインリッヒ 精霊
元素 火
装備 レザーコート
ヒートの精霊。ちいさいくせにどこか大人びた雰囲気がある。しかし性格は中学生並。寝起き悪し。

( ・∀・) モララー=S=ファウス 人
元素 水
装備 ダガー 白い服
高価な機材をぶっ壊し、ロビー城の精霊研究施設をクビになった青年。困ったらクーにお任せ。
8 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:35:55.08 ID:7J8nSVtXO
川 ゚ -゚) クール 精霊
元素 水
装備 水色のドレス
このパーティーで最も常識力のある存在(?)。モララーの世話をするのが面倒でしょうがない。うんちくが長い。この物語のヒロインらしい。

('A`) ドクオ=マダチェリー 人(?)
元素 ???
装備 ロングボウ ただの服 不細工な顔
VIP村に住む元狩人。今は精霊使いを目指しているが、今年で三浪目の29歳童貞。
かわいい女の子型の精霊とあんなことやこんなことをしたいらしい。

( <●><●>) ワカッテマス=アンダスト ???
元素 地
装備 ただの服
ギコが精霊使いの試験を受けた時の試験官。詳細不明。

( ΦωΦ) ロマネスク=スギウラ 人
元素 風
装備 大剣 皮の服
突然ギコを襲ったおっさん。元ラウンジの傭兵。詳細不明。

从'ー'从 ワタナベ 精霊
元素 風
装備 白のワンピース
ロマネスクの精霊。ブーンの知り合い。なんかのんびりとしている。ボケキャラ。

9 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:37:42.73 ID:7J8nSVtXO
第五話 〜疾風迅雷〜

(,,゚Д゚)「ロマネスクさん。あんたにはすごい感謝してる」

(,,-Д-)「あんたがいなかったら俺達は全員死んでたかもしれない」

(,,゚Д゚)「でも……」

(,,゚Д゚)「あんたがクエストの報酬金全部持ってくのは納得いかない」

( ΦωΦ)「死んでたら金とかの問題じゃないだろ」

(,,゚Д゚)「結果的に生きてるんだよ」

( ΦωΦ)「そんな結果論など通用せん!」

(,,゚Д゚)「じゃあ言わせてもらうが、あいつをあそこまで弱られたのは俺達だぞ?
少しくらい分け前があってもいいんじゃないか?」

( ΦωΦ)(こいついつの間にタメ口に……)

( ΦωΦ)「結果的に奴を倒したのは俺だ!文句あるか!」

(,,゚Д゚)「そんな結果論など通用せん!」

( ΦωΦ)「うるさい、黙れ」

(,,゚Д゚)(……大人ってずるい!)
11 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:39:53.48 ID:7J8nSVtXO
……現在、俺達はクエスト屋にいる。
そして、ロマネスクさんと報酬金の分け前について口論をしていた。

ロマネスクさんはまた別の町に行ってしまうようで、俺達と一緒に来る気はないらしい。


( ΦωΦ)「よし、じゃあこうしようじゃないか。
この報酬金は全て俺が貰う。
その代わりに次にお前達が受けるクエストについて行ってやる。
そのクエストの報酬金は全てお前らにくれてやろう」

(,,゚Д゚)「え……」

ロマネスクさんがついて来てくれれば、クエストの成功率もグンと跳ね上がる。
と、なると難易度が高めのクエストでも受けれるというわけだ。

(,,゚Д゚)(状況によればかなり得な話だな……)

(,,゚Д゚)「わかった。じゃあk( ΦωΦ)「よし、じゃあこのクエストを受けるぞ」

(;゚Д゚)「なっ……?」

ロマネスクさんはあっという間にクエスト受注の紙を持って、受け付け口まで行ってしまった。
どんなクエストかはわからないが、恐らく楽な依頼だろう。
……完璧にしてやられてしまった。

(,,゚Д゚)(……大人ってずるい!)
15 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:41:32.49 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「手続きが終了したぞ」

(#゚Д゚)「卑怯者!!」

( ΦωΦ)「はっはっ。なんとでも言え」

(#゚Д゚)「鬼!悪魔!金玉口!ヤクザ顔!筋肉ダルマ!ゆとり!童貞!黄猿!」

( ΦωΦ)「はっはっ。俺は大人だからそんな程度でカッカしないのさ。あと俺は童貞じゃない」

(#゚Д゚)「ロリコン!」

(#ΦωΦ)「だぁぁぁれがロリコンじゃぁぁぁぁ!!!」

(,,゚Д゚)(キレた!)

(#ΦωΦ)「自分の精霊を愛でて何が悪いというんだぁぁぁぁぁ!!」

(,,゚Д゚)(ワタナベのことだ!)

(#ΦωΦ)「ツムラぶち殺すぞこのアマァァァァ!!!!お前のカーチャンでぇぇべぇぇそぉぉぉ!!!」

(,,゚Д゚)(ツムラって誰!?しかもいまどき『お前母ちゃんでべそ』って……)

(,,゚Д゚)「とりあえず、落ち着きましょうか」

(#ΦωΦ)「……」

( ΦωΦ)「……」
18 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:43:47.67 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「すまない。取り乱した」

(,,゚Д゚)(ロマネスクさんにロリコンは言っちゃだめって覚えておこう)

( ΦωΦ)「ほら。……これがクエストの内容だ」

ロマネスクさんから一枚の紙を受け取る。
それにはクエストの内容が細かく記されていた。

(,,゚Д゚)「『ロビー国郊外で発見された謎の遺跡の調査』……?遺跡なんて見つかったのか?」

( ΦωΦ)「そうだ。その上、何やら精霊と関係がありそうな物が遺されているらしいぞ」

(,,゚Д゚)「なんと!」

( ΦωΦ)「問題はこの遺跡には多くの罠が仕掛けられてて危険だという点だが……構わんな?」

(,,゚Д゚)b+

+d(ΦωΦ )


・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
21 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:45:59.03 ID:7J8nSVtXO
(,,゚Д゚)「そんなこんなで、今俺達は馬車に揺られています」

ノパ听)「誰に言ってるんだぁぁぁ!?」

(,,゚Д゚)「気にするな。……しかし揺れるな」

( ΦωΦ)「馬車だから当たり前だろう」

(,,゚Д゚)「へぇ、初めて乗ったもので」

( ΦωΦ)「おいおい。冗談だろ?」

(,,゚Д゚)「マジだよ」

( ΦωΦ)「それじゃあ今まで遠出したことないのか?」

(,,゚Д゚)「遠く行くのはバスだったから」
  _, _
( ΦωΦ)「バス?」

(,,゚Д゚)「でかい車のこと」

( ΦωΦ)「むぅ……そんなものがあるのか」


……雑談をしながら目的地へと向かう。
到着は二日後の予定だ。
25 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:47:39.79 ID:7J8nSVtXO
川 ゚ -゚)「ところで」

(,,゚Д゚)「なんだ?」

川 ゚ -゚)「ブーンはまだか?」

(,,-Д-)「……まだだ」

川 ゚ -゚)「精霊の中でもシルフ達は治療に関して優秀だ。三日経つのに帰ってこないとはよほどひどいのだろうな」

(,, Д )グサッ

川 - 、-)「本来なら怪我しないで済んだはずなのにかわいそうに……」

(,, Д )ザクッ

川 ゚ -゚)「きっと精霊界からこちらに帰ってきたくないんだな?私にも同じような経験があるからわかるぞ」

(,, Д )ズドッ

川 ゚ -゚)(嘘だけど)

(,, Д )

从;゚∀从「あんまいじめるなよ」

川 ゚ -゚)「だって楽しいじゃん」

从 ゚∀从「その気持ちはわかるが……。……まぁいいか楽しいし」
29 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:49:42.35 ID:7J8nSVtXO
(,,゚Д゚)「よくねぇよ。人で遊ぶな」

川 ゚ -゚)「ブーンはお前に愛想尽かせたから帰ってこないのかな」

(,, Д )ズバッ

川 ゚ -゚)(これ、しばらく使えるな)

从 ゚∀从「ブーンのやつ、今ごろどうしてるかな……」

・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・

( `ω´)「ひーまーだーおー!!」

( ^ω^)「ダメダメ。あと二日は安静にしてなきゃ」

( ´ω`)「おー……」

ブーンはニシカワと一緒に神殿の個室にいた。
傷の方もほぼふさがっており、外から見た感じは普通だ。

( ^ω^)「まだ内臓の傷は治ってないんだから」

( ´ω`)「お……」

よしよし、とブーンの頭を撫でるニシカワ。
しかし、彼は自分の背後にに近づくある存在に気づいていなかった。
31 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:52:22.83 ID:7J8nSVtXO
ミセ*゚ー゚)リ「つっかまえた!」

( ゚ω゚)「うるっきゃぇくぁwせdrftgyふじこf不二雄!!」

(;^ω^)「兄ちゃん!?」

後ろから突然ミセリに抱き着かれたニシカワは、
驚きのあまり奇妙な叫び声を上げ、失神した。

ミセ*゚ー゚)リ「この程度で失神するとは……情けないやつ!」

(;^ω^)「兄ちゃんいじめるなお」

ミセ*゚Д゚)リ「甘いよ。ブーン。ニシカワくんの女嫌いを治すためにはこれくらいしなくちゃ」

( ^ω^)「お!なるほどお!」

( ^ω^)「兄ちゃんの女嫌い早く治るといいお!」

ミセ*゚ー゚)リ「なんで?」

( ^ω^)「兄ちゃんと一緒に冒険したいお!」

(;^ω^)「そうしないと兄ちゃんが心配で仕方ないお……」

ミセ*゚ー゚)リ「……なるほどね」

失神してぶくぶくと泡を吹いているニシカワを見ながらミセリが頷いた。
34 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:54:51.28 ID:7J8nSVtXO
ミセ*゚ー゚)リ(こればっかりは治らないだろうけどね……)

(*゚ー゚)「やっほー。ブーンくん、大人しくしてる?」

( ^ω^)ノ「しぃ、おいすー」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、しぃいいところに来たね」

(*゚ー゚)「?」

ミセ*゚ー゚)リつミセ   リ「はいこれ」

( ^ω^)(カツラ!!)

(*゚ー゚)っミセ   リ「これをかぶれってこと?」

カポッ
ミセ*゚ー゚)リ「これでいいの?」

ミセ*゚∀゚)リ「ほらほらwww瓜二つwwwww」

( ^ω^)「おー、ほんとだお」


( ^ω^)「で?」

ミセ*゚ー゚)リ「あ、それだけ」

(*゚ー゚)つミセ   リ「しょーもなー」
36 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:56:41.62 ID:7J8nSVtXO
( ^ω^)つミセ   リ「そんなことのためにこんなの作ったのかお?」

ミセ*゚ー゚)リ「でも、見分けつかなかったでしょ?」
カポッ
ミセ ^ω^)リ「……確かにわからなかったお」

ミセ*゚ー゚)リ「やめて。なんか気持ち悪い」

(#^ω^)つミセ   リ「……」

ミセ*゚ー゚)リ「冗談よ冗談。あれはあれでかわいかったよ」

(*^ω^)「……」

(*゚ー゚)(単純……)

しぃが視線を落とす。
そこには泡を吹いて、白目を剥き、青ざめた顔で倒れているニシカワがいた。

(;*゚ー゚)「ちょっと?これ、どうしたの?」

しぃがニシカワを抱き起こすが、ニシカワは全く反応しない。

ミセ*゚ー゚)リ「勝手に倒れただけたよ」

( ^ω^)「お?ミセリが抱きt……もごっ!?」
40 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 20:58:48.58 ID:7J8nSVtXO
ブーンの口がミセリによって塞がれる。
しかも親指がブーンの鼻を塞ぐ形になってしまった。

(*゚ー゚)「どうしたの?」

ミセ*^ー^)リ「なんでもないよー」

(li゚ω゚)(い、息が……!!)

(*゚ー゚)「でも今ブーンくんがミセリがどうのって言ったよね?」

ミセ*^ー^)リ「気のせい気のせい」

(li ω )(くるしい……)

(*゚ー゚)「……なにか隠してない?」

ミセ*^ー^)リ「なにもー?」(本当の事言ったらしぃ怒るだろうなぁ……)

(li ω )(……)

(;*゚ー゚)「ね、ねぇ。ブーンくんの顔が青ざめてるんだけど……」

ミセ*^ー^)リ「え?」

(li ω )ピクピク……

ミセ;゚ー゚)リ「ちょ……!?どうしたの!?ブーン!」
42 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:00:20.15 ID:7J8nSVtXO
ミセリが手を離したことで、やっとブーンは呼吸することが許される。
しかし、若干酸欠のようでフラフラとしていた。

ミセ*゚ー゚)リ「なにやってんの?」

(#^ω^)「ミセリがブーンの口と鼻を塞いだんだお!!」

(*゚ー゚)(鼻あるんだ……!)

(*゚ー゚)「とりあえずニシカワくんは医務室に連れていくね。ブーンくんはあと二日、ちゃんと安静にしてるんだよ」

( ^ω^)「わかったお」

(*^ー^)「またね」

笑顔を残し、しぃはニシカワを医務室まで引きずっていった。
……数分後、医務室からニシカワの叫び声が聞こえてきたのは言うまでもない。


・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
44 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:01:59.02 ID:7J8nSVtXO
(,,゚Д゚)「ふぅ……」

満天の星空の下、俺達はテントをはっていた。
目的地まではまだまだあるらしい。

手頃な岩の上に腰を下ろし、
空を見上げる。

(,,゚Д゚)「星がきれいだ……」

(,,゚Д゚) (おしっこしたくなった……)

足早にキャンプから離れたところにある草むらまで行って、用をたす。

(,,゚Д゚)「うぃ〜……すっきりした」

<_プー゚)フ「何やってんだお前」

(,,゚Д゚)「え?」

声のした方に振り返る。
そこにはこちらを見上げる精霊がいた。

次の瞬間、精霊の体が光り、右腕に焼けるような痛みが走る。

(;-Д゚)「っつ!なにすんだ!!」
47 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:03:21.79 ID:7J8nSVtXO
痺れる右腕でロングソードを握り、構える。
今の攻撃は恐らく小さな雷だろう。

(,,゚Д゚)「雷の精霊か……。なんで攻撃してきたんだ?」

<_プー゚)フ「その前にお前の股間でプラプラしてる粗末なもんをしまえよ」

(//゚Д゚)「ぁ……そ、粗末って言うな!」

<_プー゚)フ「粗チン(笑)」

(///Д/)「だ、黙れぇ!!」

<_プー゚)フ「ま、いいや。俺さぁ、今暇なんだよね」

精霊の体が青白く発光する。
その体内に蓄え切れなくなった電気が、バチバチと音をたてて放電していた。

<_プー゚)フ「ちょっと付き合ってくれよ」

<_プー゚)フ「『迅雷』」

精霊の姿が消えた。
俺はすぐさま、敵の攻撃に備えて防御体制に入る……。

(,,゚Д゚)「え?」

だが、それよりも早く相手の突きが腹をえぐった。
51 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:06:09.90 ID:7J8nSVtXO
音よりも早い、衝撃。
ミシッ、とあばらの折れる音がした。

(; Д )「ぐほっ……」

<_プー゚)フ「休ませねぇぜ!」

(;゚Д゚)「!?」

倒れて、起き上がった瞬間に蹴りがくる。
避ける間も防ぐ間もなくそれを喰らう。
脳が揺れ、意識が飛びそうになった。

<_プー゚)フ「まだ寝るなよ?」

相手の手の平が俺の額に当てられた。
そして、一瞬光った後に体を雷が貫いた。

固まる筋肉。
筆舌し難い痛みが全身を駆け抜ける。

(; Д )「な……なにを……?」

<_プー゚)フ「お、まだ喋れるのか。そのタフさ……さてはお前は精霊使いだな?」

(; Д )「『雷触』?」

<_フ;゚ー゚)フ「人の話聞けよ……。しかもそれ別の作品だし……」
53 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:08:48.26 ID:7J8nSVtXO
<_プー゚)フ「ま、そんなに余裕があるなら精霊使いで決定だな」

そう言いながらキョロキョロと辺りを見渡し始める。
その隙に体制を立て直そうとするが、体が上手く動かせない。

<_プー゚)フ「お前の精霊どこにいるんだ?これだけお前がボロボロになったら気づくはずなんだが……」

(; Д )「っ!!」

<_プー゚)フ「もしかしてあれか?強制送還されちゃった?」

<_プー゚)フ「だっせぇww。弱いんだなお前の精霊www」

(  Д )「!!」

その言葉を聞いて、体の中の血の温度が上昇する。

(# Д )「オオォォオォォォオォ!!」

咆哮。
痺れる体を起こし、剣を振った。

<_プー゚)フ「おっと」

相手は簡単にそれをかわす。
動きが雑だからよけるのは簡単だろう。
だが、そんなのは関係ない。
今はただ怒りに身を任せて剣を振っていた。
56 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:10:37.45 ID:7J8nSVtXO
(#゚Д゚)「オオォォオォォォオォ!!」

<_プー゚)フ「……しつっこいなぁ!!」

<_プー゚)フ「『雷撃』!!」

相手の指先から放たれる光の球。
それは光速で俺の胸を貫いた。
再び全身を襲う痺れ。

倒れそうになったが、それでも両足に力を込めて踏ん張った。

<_フ;゚ー゚)フ「おいおい。なんで立ってるんだよ……」

(#゚Д゚)「お前が!!」

叫んだ。
同時に突風が発生する。
相手はそれにより、体制を崩した。

(#゚Д゚)「ブーンを弱いって言う資格なんざない!!!」

叫びながら一気に距離を詰めて、剣を振るった。
相手はギリギリでそれを回避する。

結局、剣の先が掠った程度で大したダメージは与えられなかった。
59 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:13:22.62 ID:7J8nSVtXO
<_フ;゚ー゚)フ「ひょお。あぶねぇあぶねぇ」

<_プー゚)フ「でも、そうでなくっちゃ張り合いがねぇよな!」

<_プー゚)フ「『迅雷』!!」

迅雷。
先程の様子を見る限り、自らのスピードを上げる技だろう。

<_プー゚)フ「行くぜ!」

また相手の姿が消える。
今度はすでに防御体制を整えている。

(,,゚Д゚)(さぁ……どこから来る!?)

相手の速度は目で追えない程早い。さすがは雷と言ったところか。

(,,-Д-)(目で追えないのなら見ない!感じればいい!)

目を閉じ、神経を研ぎ澄ます。
まだ相手は攻撃してこないようだ。

じっと待っていると、左側から気配がした。

(,,゚Д゚)「そこだ!」

振り返ることなく足を出した。
相手は光の速さに近い速度でこっちにむかってきている。
その状態から突然足をだされた結果……
61 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:15:37.85 ID:7J8nSVtXO
<_フ;##д#)フ「ぶごぁ!?」

……顔面を、足の裏に激突させた。

<_フ;##д#)フ「あだだだだだ!!」

のたうちまわる精霊。
自分からぶつかってきたとはいえ、そのダメージは同じスピードで蹴りを喰らったのに等しい。
かなり効いたはずだ。

<_フ#゚Д゚)フ「もぉ怒ったぞ!俺様を怒らせたことを後悔するがいい!!」

(,,゚Д゚)(自分からぶつかってきたくせに!)

精霊が立ち上がり、両腕を前に突き出した。
俺は防御しようと身構える。

<_フ#゚Д゚)フ「『稲妻』!!」

……それは自然の雷と同じだった。
防御をすり抜け、体を突き抜ける光の束。
その後、想像を絶する痛みとともに爆音が鳴り響いた。

プスプスと体中から煙が上がる。
体のあちこちが焦げ臭い。
普通の人間なら即死。
例えそうでなくとも致命傷になりかねないダメージだ。
63 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:17:43.94 ID:7J8nSVtXO
(#゚Д゚)「まだまだぁ!!」

<_フ;゚Д゚)フそ「なんで!?」

体を起こし、ロングソードを構え直す。
心なしか、ロングソードが帯電してるようにも見えた。

バチバチと火花を散らすロングソード。
その剣の腹を頭上に振り下ろした。
ガン、と鈍い音がして相手が倒れる。


<_フ;@д@)フ「うぉ〜……目が回る……」

(,,゚Д゚)「観念しな」

精霊を踏み付け、その場から逃げられないようにした。
もう観念したようで抵抗はなかった。

<_フ;゚ー゚)フ「くそ……なんで『稲妻』が効かなかったんだ……?あんた雷使いか?」

(,,゚Д゚)「いや、違う。理由はわからんけど、雷に打たれて無事だったのはこれで二度目だ」

一度目は精霊使いの試験の時。
部屋に発生した小さな雷雲から落ちた雷が直撃したが、
大したダメージはなかった。

(,,゚Д゚)「とにかく、なんで突然襲ってきたのか教えてもらおうじゃないか」
66 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:20:29.35 ID:7J8nSVtXO
<_フ;゚ー゚)フ「だから言ったろ?暇だったんだよ」

(,,゚Д゚)「本当にそれだけか?」

<_プー゚)フ「おう!」

(,,゚Д゚)「……」

(;゚Д゚)(俺、こいつの暇つぶしのために殺されかけたのか!?)

なんともあっさりとした理由に驚いていると、先程の爆音を聞いたクー達が走ってきた。

川;゚ -゚)「どうしたんだ!?」

(,,゚Д゚)「いや……突然こいつに襲われて」

川 ゚ -゚)「なんだ。立ちションしてたら尿が化学反応を起こして爆発したのかと思った」

(;゚Д゚)「どんな尿だよ……しかもなんで俺が立ちションしてたの知ってんだよ……」

川 ゚ -゚)「それは勘だ。ところでそいつは誰だ」

(,,゚Д゚)「こいつはエk(;ΦωΦ)「エクスト……?」

クーの質問に答える前に、クーの後ろにいたロマネスクさんが声を上げた。

<_プー゚)フ「おぉ。ロマじゃん。久しぶりだな」

(;ΦωΦ)「……なんでお前がここに?」

67 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:21:52.19 ID:7J8nSVtXO
(;ΦωΦ)「ツムラは?」

<_プー゚)フ「はぐれた!」

( ΦωΦ)ホッ

(,,゚Д゚)「あのーロマネスクさん?」

( ΦωΦ)「なんだ?」

(,,゚Д゚)「知り合い?」

( ΦωΦ)「そうだ」

(,,゚Д゚)「どんな仲で?」

(´ΦωΦ)「……順に話そう」

ロマネスクさんは腕を組み、遠い目をする。
そして、自分の昔の話を始めた。
( ΦωΦ)「こいつの名前はエクストで、トソン=ツムラの精霊だ」

( ΦωΦ)「ツムラは俺と同じラウンジの傭兵でな、よく一緒に仕事したもんだ……」

( ΦωΦ)「あの時も……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜
71 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:23:15.98 ID:7J8nSVtXO
(゚、゚トソン「ロマネスク」

( ΦωΦ)「んぁ?」

(゚、゚トソン「んぁ?じゃありませんよ。仕事です」

( ΦωΦ)「めんどい。パス」

−+⊂(゚、゚トソン「行きたくないんですか?」

( ΦωΦ)「突然行きたくなった。だからそのレイピアを下ろしてくれ」

(゚、゚トソン「じゃあ行きますよ。サロン国ニュー速町へ」

( ΦωΦ)「サロン国?なんで別の国の問題を取り扱わないかんのだ」

−+⊂(゚、゚トソン「文句ありますか?」

( ΦωΦ)「ありません」

……

<_フ*゚ー゚)フ「おぉ!!すげぇ!!見たこともない機械がいっぱいだ!」

从*'ー'从「ほんとだ〜。すご〜い」

( ΦωΦ)「ワタナベ、あんまり離れるなよ」

从'ー'从「は〜い」
76 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:25:39.14 ID:7J8nSVtXO
(゚、゚トソン「ロリコン……」

(#ΦωΦ)「あぁ?なんか言ったか?」

(-、-トソン「いいえ、何も」

( ΦωΦ)「……ったく。で?仕事の内容はなんだ?」

(゚、゚トソン「ニュー速が開発した兵器とおもわしき物体を調査しろとの事です」

( ΦωΦ)「なんだそんな程度かよ。そんなの俺達がやる必要ないじゃないか」

(゚、゚トソン「話を最後まで聞きなさい。また、その兵器が我が国に悪影響を及ぼす可能性があれば極秘で破壊せよとも書いてあります」

( ΦωΦ)「極秘で?」

(゚、゚トソン「はい」

( ΦωΦ)「無理だろjk」

(゚、゚トソン「だから私達にこの仕事が回って来たんですよ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜

(,,゚Д゚)「ちょ、ちょっと待ってくれ」

( ΦωΦ)「なんだ?」

(,,゚Д゚)「ニュー速で兵器の開発?そんな事があったのか?」
78 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:28:01.66 ID:7J8nSVtXO
サロン国は昔から
「戦争は
 しない
  させない
   許さない」
の標語を掲げ、この世界で唯一兵器を持たない国としてここまで来ていたはずだ。

兵器を開発していたなど寝耳に水だ。

( ΦωΦ)「まあ、とりあえず話は最後まで聞け」

( ΦωΦ)「そして俺達はニュー速の地下の研究施設に潜入したんだ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜


( ΦωΦ)「えらく警備が薄いな。本当に兵器なんてあるのか?」

(゚、゚トソン「だから私達はそれを調査しに来たんですよ?」

<_プー゚)フ「戦わないのか?つまんねー」

从'ー'从「私はどっちかと言うと戦いたくないな……」

(゚、゚トソン「私もです」

( ΦωΦ)「おーおー。昔ロビー国と内戦があった時一人で相手兵200を手玉に取った、通称『雷神』がよく言うぜ」
81 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:30:07.85 ID:7J8nSVtXO
−+⊂(゚、゚トソン「無益な殺生は嫌いです」

( ΦωΦ)「ならなぜ俺にレイピアを突き付ける」

−+⊂(゚、゚トソン「あなたが世界の害毒だからですよ」

( ΦωΦ)「ひでぇ……」

(-、-トソン「……とにかく、今は仕事です」

<_プー゚)フ「おい!こっちにでかい扉があるぞ!」

( ΦωΦ)「『DANGER!!』か……。ここっぽいな」

(゚、゚トソン「鍵が開いてませんね。エクスト、『磁変』」

<_プー゚)フ「おっけぃ!!」

( ΦωΦ)「磁力を利用して鍵を開ける……。泥棒になれば?」

(゚、゚トソン「冗談はやめて下さい。ここからは気を引き締めて行かないと、死にますよ?」

( ΦωΦ)「大丈夫だって、この国が兵器なんか作るわけねぇだろ?」

<_プー゚)フ「開いたぞ!」

(゚、゚トソン「ご苦労です」
85 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:32:04.93 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「なんだ?これは……」

(゚、゚トソン「ホルマリン漬けにされてるのは魔物ですね。どうやらここは生物実験が行われてる場所のようです」

从'ー'从「マスター!ここに変なのがいるよ〜!」

( ΦωΦ)「変なの?」

。゜
 。
   ∩_∩
  (-Д- )
 ⊂    つ
   | x  |
   U⌒U


(゚、゚トソン「『PORORO』ですか。……これが兵器でしょうか?」

( ΦωΦ)「ははっ。かわいい顔してんじゃねぇか。これが生物兵器ってのなら驚きだぜ」

(゚、゚トソン「……しかし、これが兵器だったら破壊せねばなりませんね」

( ΦωΦ)「こwwれwwwがww兵wwww器wwwプゲラ」

(゚、゚トソン(うぜぇ……)
87 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:33:56.60 ID:7J8nSVtXO
(゚、゚トソン「とりあえず……このカプセルをどうやって開けるか考えましょう」

( ΦωΦ)「ぶっ壊そうぜ」
_,_
(-、-トソン「あのですね……あなたは極秘の意味を分かってますか?」

( ΦωΦ)「冗談だよ冗談。本気なわけが……」

ピシッ……

( ΦωΦ)「……ぴしっ?」

(゚、゚;トソン「カプセルが……!」

ピシッ……ピシピシ……!

(゚、゚;トソン「ロマネスク!何をやったんですか!?」

(;ΦωΦ)「なんもやってねぇよ!!」

ガシャン!!

(-Д・ )「ぃ……ぃぇぁ……」

(゚、゚;トソン「こうなったら行きますよ!!ロマネスク!!」

(;ΦωΦ)「ま、待て!相手は子供だぞ!」
93 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 21:38:07.55 ID:7J8nSVtXO
うわ、トソンの眉毛ずれた

すいません、今電車の中なんですけど、携帯の電池がやばいです。
40分くらいで家に着くのでそれまで保守お願いします……

109 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:28:57.37 ID:7J8nSVtXO
保守ありがとうございました('∀`)ニコッ

続き投下します
111 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:32:03.33 ID:7J8nSVtXO
(゚、゚;トソン「兵器に年齢がありますか!?」

(;ΦωΦ)「だが……ちょっとだけ待ってくれ」

(・Д・`)「ぁ……ぅ……?」

( ΦωΦ)「おい、小僧」

(・Д・`)「ぅぁ……?」

从'ー'从「あなた誰?って言ってるよ」

( ΦωΦ)「おぉ、言ってることがわかるのか。さすがワタナベ」

从*'ー'从「え〜へ〜へ〜」

( ΦωΦ)「私の名前はロマネスクだ。小僧」

(・Д・`)「ぁ〜……ぃぁ?」

从'ー'从「ごはん探してます!」

(ΦωΦ )「ごはん……?よしツムラ!母乳出せ!」

(゚、゚#トソン「でるわけないでしょう」
114 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:34:35.68 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「あぁ、そうか。ペッタンコだもんな」

―+⊂( 、 #トソン「辞世の句は詠んだか……?」

<_フ;゚ー゚)フ「ト、トソン落ち着けよ……」

(・Д・`)「ぅ……ぁぅぁ……」

从'ー'从「父親と母親を探してます!!」

( ΦωΦ)ピーン「!」

( ΦωΦ)「俺が父親だ!」

(゚、゚;トソン「え……!?ちょ、ちょっと!?」

( ΦωΦ)「で、あのペッタンコが母親だ!」

( 、 #トソン「おい」

(・Д・ )「ぃぇぁ!」

从'ー'从「パパって言いました!多分!」

( ΦωΦ)「おーよしよし。ほらみろ、かわいいもんだ」

―+⊂(゚、゚#トソン「……どういうつもりですか?」

( ΦωΦ)ボソッ(いいから。こうやって俺達が親だと思わせるんだ)

116 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:36:42.92 ID:7J8nSVtXO
(゚、゚#トソン(なにか策でもあるのですか?)

( ΦωΦ)(このまま城まで連れて帰る)

(゚、゚トソン(!)

( ΦωΦ)(こいつが本当に兵器ならこちらが利用すればいい)

( ΦωΦ)(兵器じゃなかったら俺が育てる)

(゚、゚トソン(連れ帰る……ですか……。なるほど、それならこの子を殺さなくて済みますね)

( ΦωΦ)(「この子」ってwww。もう母親気取りかよwww)

―+⊂(゚、゚トソン「かわいそうに……この子は片親ですか」

( ΦωΦ)「父親のいないこどもはひねくれちゃうと思います」
(・Д・ )「ぃぇぁ!」

从'ー'从「ペッタンコって言いました!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜

( ΦωΦ)「そして、俺達はぽろろを連れて帰って大事に育てたとさ」

(;゚Д゚)「……」
119 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:38:19.13 ID:7J8nSVtXO
空気が、固まった。

( ΦωΦ)「なんだその顔は」

川 ゚ -゚)「リア充」

从 ゚∀从「なんだよ。ただの自慢話か」

( ΦωΦ)「はっはっ。なんとでも言え」

( ・∀・)「ロリコン」

(#ΦωΦ)「なんだとテメェやんのかコラァァァ!!」

(;゚Д゚)「ちょ、ちょっとロマネスクさん?」

(#ΦωΦ)「なんだ!」

(,,゚Д゚)「その……ぽろろって本当にいたのか?あと、少し落ち着け」

( ΦωΦ)「嘘じゃない。本当の話だ」

ロマネスクさんの話を聞いて、疑問点が多く浮かんだ。
まず、「ぽろろ」という名の生物を盗まれたのに騒ぎになった記録はないということ。
そして、もう一つ。その「ぽろろ」が目を覚ます時期だったのにも関わらず、その研究所に人がいなかった事だ。
122 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:41:14.83 ID:7J8nSVtXO
(,,゚Д゚)「ヒート」

ノパ听)「なんだぁぁぁぁ?」

(,,゚Д゚)「ぽろろってどこかで聞いたことあるか?」

ノパ听)「今初めて聞いたぞぉぉぉ!!」

(,,゚Д゚)(ヒートも知らないってことはニュースになってないんだな。そんな危険性のある生物を盗まれたのに……)

(,,゚Д゚)(いや……そうじゃない。危険な生物を盗まれたから騒ぎを起こさなかったんだ)

前に言った通り、サロン国は平和主義を掲げてここまでやってきた。
それなのに生物兵器を作っていたとなると、世界から叩かれかねない。
だから「ぽろろ」盗まれても、騒ぎを起こさず、
最初からそんな生物兵器などなかったことにしたのだろう。

(,,゚Д゚)(そもそも……なんで生物兵器なんか作ったんだ?)

国のイメージを下げることになりかねない兵器をなぜ今頃になって作ったのか、
……謎だ。

それにもう一つ、「ぽろろ」の警備が手薄だったこともまだ謎めいている。

(,,゚Д゚)「ロマネスクさん」

( ΦωΦ)「ん?」

(,,゚Д゚)「なぜ、ぽろろの警備をする人間がいなかったんだ?」
125 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:42:51.97 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「それは……」

<_プー゚)フ「ぽろろが怖かったんだよ!奴らは!」

ここで突然エクストが口を挟んできた。
ピョンピョンと跳びはねて、落ち着きのないやつだ。

( ΦωΦ)「……俺もそうだと思う」

(,,゚Д゚)「?」

ロマネスクさんの声の調子が少し低くなった。
少しだけ悲しそうな目をしている。

( ΦωΦ)「俺達はぽろろを城に連れて帰った。そうして研究員数名に、ぽろろを調べさせた」

( ΦωΦ)「でも、いつまでたっても研究員からの報告がなかったんだ。それで、痺れを切らして研究室に入ったら……」

( ΦωΦ)「食われてたんだ。研究員全員が」

(;゚Д゚)「!!」

( ΦωΦ)「骨まで残らず……全て。残ったのは機材と、それに飛び散った血と……腹一杯になって満足そうに笑うぽろろだけだった」

( ΦωΦ)「驚いた……それよりも恐ろしかった。ぽろろの奴、俺に笑顔で『お腹いっぱい』って言ったんだ」

(;゚Д゚)「そんな……」

( ΦωΦ)「そう。それがサロン国が開発した生物兵器……『PORORO』だ」
127 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:45:24.95 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「自分の体を変幻自在に変え、獲物を仕留める、怪物さ」

( ΦωΦ)「それだけじゃない。ぽろろの細胞は特殊で、銃弾で穴を空けても、剣で腕をたたっ切っても、炎で焼いてもすぐに再生するんだ」

( ΦωΦ)「あれは地上最強の生物と言っても過言じゃないだろう」

(;゚Д゚)「……」

聞いてて背筋が凍りつきそうだった。
体を変幻自在に変えれる不死身の怪物。
そんな生物が戦で使われたら……?

(;゚Д゚)「そんな化け物が……?」

( ΦωΦ)「……だが、ぽろろは『心』を持っていた。ちゃんと善悪を区別できる心を」

( ΦωΦ)「ただ始めは何が正しくて何が間違ってるのかわからなかっただけなんだ」

( ΦωΦ)「俺とツムラはぽろろの親として、何が正しくて何が間違ってるのかを一から教えた」
从'ー'从「私もですよ〜」

<_プー゚)フ「俺も!!」

(´ΦωΦ)「ああそうだな」

( ΦωΦ)「そしてぽろろは人を襲わなくなった。我慢することも覚えた。言葉も少しずつ覚えて、きちんと話せるようになったんだ」
132 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:47:26.54 ID:7J8nSVtXO
(,,゚Д゚)「それで、今ぽろろは……?」

( ΦωΦ)「……いずれ、話そう」

……それきりロマネスクさんは口を開こうとしなかった。
ただ、とても淋しそうな目をしたことだけはわかった……。


川 ゚ -゚)「なんか重い空気が漂ってるが……ちょっといいか?」

川 ゚ -゚)「そのぽろろってなんだ?」

(,,゚Д゚)「お前今の話聞いてなかったろ」

川 ゚ -゚)「だって向こうでハイン達とロマ×トソンのネタで盛り上がってたもん」

( ・∀・)「ぶっちゃけ萌えたね」

ノパ听)「よくわからなかったぞぉぉぉぉ!!」

(;ΦωΦ)「お前らなぁ……」


先程までの重たい空気はクーの一言で一蹴された。
KYもここまでくると一種の才能だろう。

(,,-Д-)(まぁ……ずっと重い空気のままでいるよりマシか……)
136 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:49:48.12 ID:7J8nSVtXO
( ΦωΦ)「とにかく、エクストをどうにかしないと」

<_プー゚)フ「ところでロマはどこ行くんだ?」

( ΦωΦ)「俺は遺跡だが?」

<_プー゚)フ「おっ!一緒じゃん」

( ΦωΦ)「……」

( ΦωΦ)「えっ?」

<_プー゚)フ「よーし!じゃあヨロシクな!」

ノパ听)「よろしくだぞぉぉぉ!!」

(;ΦωΦ)「ちょっと……?」

なにか言いたげなロマネスクさんを差し置いて、盛り上がるエクスト達。
普段と違い、少々情けないロマネスクさんの姿に若干の違和感を覚えた。

(,,゚Д゚)「どうした?」

(;ΦωΦ)「いや……大丈夫だ。それより今日はもう休もう」

(,,゚Д゚)「???」

(;ΦωΦ)(今は……できればツムラに会いたくなかった……)
138 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:52:20.93 ID:7J8nSVtXO
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・

精霊界……


⊂ニニ( ^ω^)ニニ⊃「ぶーーーーん」

( ^ω^)「ブーンは元気だな」

( ^ω^)「お!元気が一番だお!」

( ^ω^)「うん、そうだね。ところでブーン。『安静』の意味を知ってるかい?」

( ^ω^)「知らねぇお!」

( ^ω^)「『安静』っていうのはね、体を動かさないで大人しくしてることを表すんだよ」

( ^ω^)「おk。把握」

⊂ニニ( ^ω^)ニニ⊃「ぶぅーーーーーーん!」

(#゚ω゚)「お前は話を聞いてたのかぁぁぁ!」

(#゚ω゚)「安静あんせいアンセイANSAI!!大人しくすること!」

( ^ω^)(ANSAI?)
140 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:55:09.14 ID:7J8nSVtXO
……ブーンとニシカワ前より少し広い個室にいた。
ニシカワがドアと窓に鍵をかけ、ミセリとかが入ってこれないようになっている。

(#゚ω゚)「ぶぅーーーーーーんじゃねぇよぉぉぉ!!」

(#゚ω゚)「大人しくしてろぉぉぉぉ!!」

(;^ω^)「わ、わかったお。だから少し落ち着くお」

( ^ω^)「わかればいいんだ」

(;^ω^)(なんなんだ今の豹変ぶりは……)

( ^ω^)「あと一日大人しくしてればいいだけなんだから我慢しろよ?」

( ^ω^)「おー……」

( ´ω`)「でもギコ達にあんまり心配かけたくないお。早く戻りたいお」

( ^ω^)「……早く向こうに戻るのと『ぶーーーーん』にどんな関係が?」

( ^ω^)「そんなものないお!」

( ^ω^)「じゃあ大人しくしてろ」

( ´ω`)「お……」
142 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:58:03.69 ID:7J8nSVtXO
( ´ω`)「明日までまだまだ時間があるお。ブーンはこの有り余るエネルギーをどこで発散すればいいんだお?」

( ^ω^)「……絵とか?」

( ^ω^)「お!絵を描くお!」

( ^ω^)「そうかそうか。じゃあ兄ちゃんが筆とか持ってきてあげよう」

そう言って部屋を出ていくニシカワ。
案の定、すぐにニシカワの悲鳴が聞こえてきた。

ミセ*゚ー゚)リ「やっほー」

( ^ω^)「おー。ミセリだお」

ミセ*゚ー゚)リ「筆と絵の具と紙持ってきたよ」

( ^ω^)「おー!ありがとうお!」

( ^ω^)「……兄ちゃんは?」

ミセ*゚ー゚)リ「外で寝てる」

( ^ω^)「おっおっ。疲れてたんだおね」

無邪気に笑うブーン。
一方のミセリは悪魔のような笑みを浮かべていた。
それに気づかず、ブーンは絵を描き始める。
144 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 22:59:55.33 ID:7J8nSVtXO
ミセ*゚ー゚)リ「何描いてるの?」

( ^ω^)「お!動いちゃダメだお!」

ミセ;゚ー゚)リ「へ……?」

( ^ω^)「ミセリを描いてるお!じっとしてて欲しいお!」

ミセ*゚ー゚)リ「お、私を描くとはいいセンスしてるじゃないの」

( ^ω^)(扇子?)


黙々とミセリを描いていくブーン。
輪郭……髪……鼻……目……。
徐々にその形が出来上がっていく。

そして、ブーンが最後の一筆を描き終えた。

( ^ω^)「できたお!」

ミセ*゚ー゚)リ「見せて見せて」
146 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 23:02:01.81 ID:7J8nSVtXO
    /\___/ヽ        
   / --=  、_:::::\nn     
  .| (●),ン <(●) 、.:|..| |^n     
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .:::::|.|..| |.|     
  .|   _,ィェエヲ`  .::::::|! : :|   
   \  `ー'´  .::::_人  :イ  
   /`ー‐--‐‐―´\|  │ 


ミセ ー )リ「これ……私?」

( ^ω^)「頑張って描いたお!」

ミセ ー )リ「……へぇ〜。ブーンには私はこう見えるんだ」

( ^ω^)「上手に描けたと思うお!」

ミセ# ー )リ「ブーン、ち ょ っ と こ い」

( ^ω^)「お?」


その後、ブーンの姿を見たものは誰もいない……

第四話 続く
148 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 23:06:21.42 ID:7J8nSVtXO
第五話前編は以上です

質問等ありましたらどうぞ
童貞の精がお答えします
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 23:09:32.64 ID:sA8IZ9bLO
面白かった
次はいつ頃?
152 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 23:13:12.32 ID:7J8nSVtXO
('A`)
>>151 一応、毎週水曜日をメドとして投下しております
遅れたらごめんなさい
154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 23:20:28.51 ID:rg04gjqPO
童貞の精、顔出してるだけじゃないかw

ぽろろのこれって耳?角?
http://imepita.jp/20090325/839280
流血注意

155 : ◆4br39AOU.g :2009/03/25(水) 23:34:28.75 ID:7J8nSVtXO
>>154 (((;'A`)))ガクブルガクブル
どっちなんでしょうね?
僕は耳だと思ってました
161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/26(木) 00:38:33.34 ID:pf75tc/TO
サブタイ?が塔の魔術と悪魔のようです、何話かと被ってるけど関係あるの?

162 : ◆4br39AOU.g :2009/03/26(木) 00:54:40.09 ID:UVMG4QCHO
('A`)まだ残ってたんだ……
>>161 あはは。被っちゃってますね。
とりあえず関係はないです。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 20:45:35.20 ID:rg04gjqPO
http://imepita.jp/20090325/746080
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:12:20.86 ID:rg04gjqPO
支援
http://imepita.jp/20090325/762340
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 21:44:04.74 ID:rg04gjqPO
と、ここで火の精霊を出しておく
http://imepita.jp/20090325/780250
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 22:09:32.67 ID:Wb3hfMoxO
(゚、゚トソン「保守です」
http://imepita.jp/20090325/795310


105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 22:12:57.28 ID:rg04gjqPO
風の子達も待ってます
http://imepita.jp/20090325/798910
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 22:26:02.43 ID:rg04gjqPO
ロリコンの権化も待ちかねて腰を上げそうです
http://imepita.jp/20090325/806970
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 22:37:29.71 ID:rg04gjqPO
http://imepita.jp/20090325/813680
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 23:07:24.04 ID:rg04gjqPO

http://imepita.jp/20090325/814050
157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/25(水) 23:48:48.26 ID:rg04gjqPO
出そうと思ってたのこっちだた
http://imepita.jp/20090325/856470
グロ注意

手か
ウサミミを手でやるあれか
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