第三話
- 3 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:14:34.71 ID:kytu5kJuO
- 〜これまでの主な登場人物&精霊〜
(,,゚Д゚) ギコ=モナルド 人
元素 風
装備 ロングソード 銀の胸当て
父親を探すために精霊界を目指している青年。何かと不器用だが、戦闘での判断力には光るものがある。
( ^ω^) ブーン 精霊
元素 風
装備 無し
ギコの精霊。語尾に「〜お」とつける白い豚な精霊。だが、癒し系。
ノパ听) ヒート=スナオ 人
元素 火
装備 ただの服
なんとなくギコの旅について来た元気のよい女の子。すごい単純な性格。ようするにバカ。
从 ゚∀从 ハインリッヒ 精霊
元素 火
装備 レザーコート
ヒートの精霊。ちいさいくせにどこか大人びた雰囲気がある。しかし性格は中学生並。寝起き悪し。
- 4 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:16:04.20 ID:kytu5kJuO
- ('A`) ドクオ=マダチェリー 人(?)
元素 ???
装備 ロングボウ ただの服 不細工な顔
VIP村に住む元狩人。今は精霊使いを目指しているが、今年で三浪目の29歳童貞。
( <●><●>) ワカッテマス=アンダスト ???
元素 地
装備 ただの服
ギコが精霊使いの試験を受けた時の試験官。詳細不明。
( ΦωΦ) ロマネスク=スギウラ 人
元素 風
装備 大剣 皮の服
突然ギコを襲ったおっさん。元ラウンジの傭兵。詳細不明。
从'ー'从 ワタナベ 精霊
元素 風
装備 白のワンピース
ロマネスクの精霊。ブーンの知り合い。なんかのんびりとしている。
- 5 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:17:21.20 ID:kytu5kJuO
- 第三話 〜水と炎〜
( <●><●>)「……」
ワカッテマスは荒れ果てた大地の上で、死んだ森を見つめていた。
( <●><●>)「久しぶりに精霊界に来ましたが……これはひどい」
ワカッテマスの握った拳は小刻みに震えている。
この死んでしまった森は、彼の故郷とも言える場所だった。
森にはたくさんの地の精霊が住んでいて、活気に溢れていた。
しかし、その面影はもうない。
大地は涸れ、青々としていた草木は灰白色の物質となり、精霊達の姿が消えてしまった。
( <●><●>)「だれがやったのかはわかってます。……許せないですね」
強く握った拳からは血が滲んでいた。
そしてその大きな瞳には憎悪の火が燃えている。
( <●><●>)「ええ……。許しませんよ奇形……いや、グリオーク……!」 - 7 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:21:26.08 ID:kytu5kJuO
- 「焦るな。ワカッテマス」
( <●><●>)「!」
ワカッテマスの後ろには少々毛深い中年の男が立っていた。
そしてゆっくりワカッテマスに近づき、その肩をポンと叩く。
「まだ早過ぎる。わかってるだろ?」
( <●><●>)「わかって……ます」
ワカッテマスが小さな声でそれを肯定する。
握った拳の力を抜いて手を開く。
手の平に残った爪の跡が痛々しい。
「よし。……じゃあ人間界に戻るぞ」
( <●><●>)「わかりました。マスター」
森に背を向け、二人はその場を立ち去る。
ワカッテマスは一度だけ、森の方を振り返った。
( <●><●>)(いつか……元に戻してあげます。だから待っていてください)
そしてもう振り返ることはなかった……。
- 8 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:25:14.71 ID:kytu5kJuO
- ………
お世話になった宿屋を後にし、名も無き荒野の村を出た。
俺達は今後の計画を練りつつ荒野を歩く。
ノパ听)「次はどこ行くんだー?」
(,,゚Д゚)「ロビー城に行こうと思ってる」
从 ゚∀从「ロビー城?城なんかになんの用があるんだよ?」
(,,゚Д゚)「ロビー城には精霊の研究施設があるらしいんだ」
( ^ω^)「研究施設かお?」
(,,゚Д゚)「ああ。で、もしかしたら精霊界の行き方を知ってるかもしれないと思ってさ」
从 ゚∀从(やっぱこいつ頭いいな……)
ノパ听)「場所はわかるのかー?」
(,,゚Д゚)「地図買ったからな」
ノパ听)「いつ?」
(,,゚Д゚)「昨日」
ノパ听)「昨日は夜まで私の火龍の話聞いてただろー?面白かったって言ってくれたじゃないか?」
(;゚Д゚)(しまった……) - 10 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:28:21.49 ID:kytu5kJuO
- ノパ听)「……いつの間に買ったんだー?」
(,,゚Д゚)「夜……。そう、夜だ!お前が寝た後こっそりと買いに行った」
ノパ听)「なんで夜に買いに行ったんだー?」
(,,゚Д゚)「夜、突然思ったんだよ。「地図買わなきゃ」って。……な、ブーン?」
( ^ω^)「おー?買いに行ったのはあs(#゚Д゚)「夜だよな?」
(;^ω^)「……うんお」
ノパ听)「そっかぁぁ!ご苦労様だぁぁぁ!」
ヒートは納得してくれたようだ。
彼女が単純で俺は本当に嬉しいと思っている。
(,,゚Д゚)「じゃあ地図はヒートに渡しておくぞ」
ノハ*゚听)「了解だぞぉぉぉ!」
地図を見ながら、ヒートはずんずん進んでいく。
(,,゚Д゚)(本当……単純だなぁ) - 12 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:30:12.64 ID:kytu5kJuO
- そうだ……単純すぎる。
単純と言うかバカ正直と言うか……
人に言われた事を疑わず、簡単に信じてしまう。
そこが彼女の長所であり、短所でもある。
確かに、そういうバカな所はかわいいと思う。
そこに愛おしさを感じる。
いやいや何を言っているんだ。
……惚れた?
そんな馬鹿な。
まだ出会ったばっかりなのに。
だけど……
なんだろうか、この胸のモヤモヤは。
彼女の顔を見ると、彼女の声を聞くと、胸のモヤモヤが大きくなる。
(,,゚Д゚)「……」
彼女は無言で歩いていく。
俺はそれを無言で見つめる。
いつかこの隣には知らない男が立っているのだろうか。
そんなのは嫌だ。
ならば今のうちに……力づくでも彼女を自分のモノに……。
そんな事が脳裏をよぎった。
- 13 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:32:58.58 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)「ヒート」
彼女の名前を呼ぶ。
ノパ听)「なんだ?」
ああ……ダメだ。
そんな目で見つめないでくれ。
俺の中の何かが壊れてしまいそうだ。
(#゚Д゚)「あそこで変なナレーションしてる精霊、殴っていいかなぁ?」
ノハ;゚听)「怪我させるのはダメだぞぉ……」
从 -∀从「ギリギリで理性を保った俺は、慌てて話をk(#゚Д゚)「お前はいつまでやるつもりだ」
从 ゚∀从「だってよー。暇なんだもん」
(#゚Д゚)「張り倒すぞ」
ハインは子供のように頬を膨らませて反論してきた。
从 ゚3从「でもさー、いい年した男女が一緒に旅してんのに色恋沙汰がないと面白くないじゃん?」
(#゚Д゚)「そんなもん求めるな!!」
- 14 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:35:18.88 ID:kytu5kJuO
- 从 ゚3从「なんだなんだ?ヒートはかわいくないってのか?」
(#゚Д゚)「そういう意味じゃなくって!」
ノハ´兪)「私には魅力がないのかぁ……」
(;゚Д゚)「いやだからそうじゃなくって!」
从 ゚∀从「あーあ。落ち込ませた」
(;-Д-)「〜っ!!」
(;゚Д゚)「あのな?ヒート、お前に魅力がないわけじゃなくて……」
( ^ω^)「……」
(;-Д-)(くそ……。またこのパターンか……)
( ^ω^ )「……」
(;-Д-)(こっち見んな……!)
( ^ω^ )「……」
(;-Д-)「……はぁ」
俺はため息をついて、肩をがっくり落とした。 - 16 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:39:07.41 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)「ヒート?おまえはかわいいよ」
ノハ*゚听)「おー……そうか?」
(,,゚Д゚)「うん。すごく魅力的な女性だと思う」
ノハ*゚听)「そんなことないぞー」
(,,゚Д゚)「いやいや、是非嫁に貰いたいくらいで……」
ノパ听)「それはこちらからお断りさせていただくぞ!」
(,,゚Д゚)「……」
ノパ听)「……」
(,,;Д;)ブワッ
ノハ;゚听)「な、泣くな!冗談だ!」
(,,;Д;)(恥ずかしかったのに!すごく恥ずかしい思いをしたのに!)
从 ;∀从(ちょwwwこいつら面白すぎるwwwwww)
( ^ω^)(なんでハインも泣いてるんだお?)
- 17 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:41:54.46 ID:kytu5kJuO
- さて、俺もなんとか立ち直り、再びロビー城へ向かって歩きだした。
時間はかかったが、特に何事もなく―――
( ^ω^)「八時ちょうどのー♪あずさ2号でー♪」
(;゚Д゚)「何を歌ってるの!?」
無事に―――
从 ゚∀从「なんだ、お前も童貞の精と同じく、彼女いない歴=年齢か」
(,,;Д;)ブワッ
――ロビー城に到着した。
ノハ*゚听)「でっかいぞぉぉぉ!!」
(;-Д-)(なんか……俺だけ無駄に疲れてる気がする)
もう日は暮れていて、空は赤く染まっていた。
城に行くのはまた明日にして、しばらく城下町をうろつくことにする。 - 19 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:44:58.67 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)(そういやブーンの服を買ってやる約束だったな)
(,,゚Д゚)「なぁ、ちょっと道具屋行かないか?」
ノパ听)「構わんぞぉぉぉぉ!」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
(;゚Д゚)「えーっと……?」
今俺は非常に困惑している。
(;゚Д゚)「昨日……お会いしましたよね?」
なぜなら、俺の目の前にはあの荒野の町の道具屋の店主がいるのだから。
( ∵)「存じませんが?」
(;゚Д゚)「双子とか……?」
( ∵)「私は一人っ子ですよ?」
(;゚Д゚)「あなた人間ですか?」
( ∵)「当たり前でしょう?」
(;-Д-)「……」 - 22 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:48:18.22 ID:kytu5kJuO
- ノパ听)「さっきからなんの話をしてるんだー?何か買いに来たんじゃないのかー?」
(,,゚Д゚)「あ、ああ……。あの、こいつに合う服ってありますか?」
( ^ω^)「あるかお?」
( ∵)「精霊ですか。少々お待ちを」
店主はゴソゴソと何かを探しはじめる。
そしてすぐに、何着かの服を持ってきて俺達の目の前に並べた。
( ∵)「どれにします?」
( ^ω^)「おー!いっぱいあるお!」
(,,゚Д゚)「好きなの選びな」
ノハ*゚听)「これがいいぞー!」
(゚Д゚,,)「お前は黙ってろ」
( ^ω^)「これがいいお!」
ブーンが淡緑色のツナギを指さして叫んだ。
ぴょんぴょんと子供のように跳びはねている。
そんなに気に入ったのだろうか。 - 24 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:50:52.16 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)「わかった。店主、このツナギをくれ」
( ∵)「ウホッ。他に何か買われますか?」
从 ゚∀从(ウホッ?)
(,,゚Д゚)「そうだな。ヒートの武器と防具でも買うか」
ノハ*゚听)「いいのかぁぁぁぁ!?」
(,,゚Д゚)「ないと困るだろ?」
ノハ*゚听)「ありがとぉぉぉぉ!!」
ヒートはさきほどのブーンよりも目を輝かせて商品を見ている。
そして、一本の槍の前で立ち止まった。
ノパ听)「ん……?なんだこれはー?」
( ∵)「斧槍……ハルバードですね」
ノハ*゚听)「なんか……カッコイイぞぉぉぉ!」
( ∵)「カッコイイだけでなく機能性も抜群ですよ。ハルバードは普通の槍より斬撃に特化してますから」
ヒートがハルバードを手に取り、二、三度振り回した。
ハルバードとは槍の穂先に斧頭、その反対側に鉤爪のような突起がついた武器だ。 - 26 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:54:21.55 ID:kytu5kJuO
- ノハ*゚听)「これに決めたぞぉぉぉぉ!!」
(;∵)「ありがとうございます。あと、ハルバードの穂先を私の喉元に突き付けないでください」
ヒートはそれと鋼の胸当てを買い、とても満足した様子で宿に向かった。
しかしここで問題が発生する。
(,,-Д-)(金欠だ……)
今晩宿に泊まる分は一応あるものの、これからの事を考えると大分苦しい。
この世界で金を稼ぐ方法は二つ。
真面目に働くか、クエスト屋から依頼を受けるか。
前者は安全かつ簡単に金を稼げる。
後者は多少危険な内容が多いが、前者よりも高額の報酬を得ることができる。
どちらにせよ、しばらくはここに滞在することになりそうだ。
(,,-Д-)(俺としてはとっとと先へ進みたいところだけど……しかたないか)
宿屋に到着して、しばらくのんびりとしていると、
突然ヒートがハルバードを振り回し始めた。
(;゚Д゚)「……ど、どうした?」
ノハ*゚听)「新しいものを買うとすぐ使いたくならないかぁぁぁ!?」
(,,゚Д゚)「子供かお前は」 - 28 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 22:57:48.52 ID:kytu5kJuO
- ヒートは楽しそうにハルバードを振り回している。
ノパ听)「しかし……」
ヒートの動きが止まった。
ノハ;゚听)「重くて扱いづらいぞぉぉ……」
(,,゚Д゚)「そりゃそうだ」
確かに、ハルバードは多機能で便利な武器だ。
しかし穂先に斧頭をつけることにより、普通の槍よりも数段重くなる。
(,,゚Д゚)「お前、これを使いこなせるのか?」
ノパ听)「出来るように頑張るぞぉぉぉぉ!」
叫び、またハルバードを振り回し始めた。
形もへったくれもない。
ただ振り回していた。
(,,゚Д゚)「おい、物を壊さないように気をつけ《ガンッ!!》
(;゚Д゚)ノハ;゚听)
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・ - 30 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:02:34.80 ID:kytu5kJuO
- 翌日……
逃げるように宿屋を後にした俺達は、今、ロビー城の門の前にいる。
門の前には二人の衛兵がいて、こちらを睨んでいた。
(,,゚Д゚)「あの、すいません」
(兵1)「何の用だ!」
(,,゚Д゚)「ちょっとここの研究施設にようがあって……」
(兵1)「一般人は立ち入り禁止だ!さぁ帰った帰った」
片方の衛兵がこちらに槍を突きつける。
しかたなく帰ろうとしたらもう一方の兵が口を開いた。
(兵2)「待て、こいつら精霊使いだぞ」
(兵1)「それがどうした?」
(兵2)「ほら、この前モララーが……」
(兵1)「あぁ……」
衛兵二人はしばらく何かを相談していた。
そして、何も言わずに門を開けた。 - 33 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:07:16.74 ID:kytu5kJuO
- 衛兵に先導され、城内に入る。
その中庭らしき所では兵士達が槍の訓練をしていた。
ノハ*゚听)「おー!竜がいるぞぉぉぉ!」
(*゚Д゚)「うそっ!?どこだどこだ?」
城の屋上部分にはこの城で飼っているのであろう飛竜がいた。
俺も生きている竜を見るのは初めてなので、しばらく見とれてしまった。
(兵1)「おい、行くぞ」
衛兵に呼ばれ、しぶしぶその場を後にする。
そのまま中庭を抜け、『研究室』と書いてある扉の前に来た。
中では、白い服を着た研究員らしき人がせわしなく動いている。
(兵1)「この研究室にモララーという男がいる。そいつに会えばいろいろ教えてくれるだろう」
(,,゚Д゚)「ありがとうございました」
衛兵は俺にそれだけ伝えると自分の持ち場へ戻って行った。
早速研究室に入ってモララーという男について聞いてみる。
- 34 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:12:13.18 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)「すいません。モララーって人いますか?」
研究員1「モララーかい?モララーならそこの階段を下りた所にいるよ」
研究員に言われた通り、階段を下りていく。
なんだか薄暗くてジメジメしている。
そしてやけに長い。
(,,゚Д゚)「なんかオバケとか出そうだな」
ノハ;゚听)「うぇぇっ!?オバケ怖いぞー……」
(,,゚Д゚)(オバケも精霊も似たようなものだけどな)
階段を下り終えると、少し広いスペースに出た。
研究室と言うよりは洞窟みたいだ。
川 ゚ -゚)「誰だ」
ノハ;;)「うわぁぁぁ!!でたぁぁぁぁ!!!」
(゚Д゚,,)「落ち着け。精霊だ」
川 ゚ -゚)「はて……。こんな奴らを呼んだ覚えはないのだが」
今すぐ逃げ出そうとするヒートの腕を掴みながらもう一度精霊を見る。
さらりと伸びた黒い髪。
白い肌。
手を顎にやっている姿も美しい。
うーん、マンダム。 - 36 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:15:16.69 ID:kytu5kJuO
- ( ^ω^)ノシ「クー。おいすー」
川 ゚ -゚)「おぉ、ブーンじゃないか。久しぶりだな」
(,,゚Д゚)「また知り合いか」
( ^ω^)「お!ウンディーネのクーだお!」
川 ゚ -゚)「本名はクールだ」
(,,゚Д゚)「クール……ねぇ」
川 ゚ -゚)ノハ;;)
(,,゚Д゚)(名は体を表すとはこのことだな)
片や冷静に物事を考えるクー。
片やパニックを起こし泣き叫ぶヒート。
川 ゚ -゚)「ところでこんなところになんの用だ?」
(,,゚Д゚)「ああ、そうだそうだ。モララーって奴に会いに来たんだが」
(゚- ゚ 川「モララー、呼んでるぞ」
「はいはーい」
- 40 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:19:42.08 ID:kytu5kJuO
- (*・∀・)「あ!あなたたちは精霊使いですか?」
(,,゚Д゚)「……見ての通りだ」
洞窟の向こうから若い研究員が出てきた。
白衣を身に纏い、片手にダガーを持って。
ダガーを確認した俺は反射的にロングソードに手をかけた。
(*・∀・)「丁度良かった。今、精霊が戦闘の時に使うエネルギーの量を調べてるんですよ」
(,,゚Д゚)「? どういう意味だ?」
(*・∀・)「この部屋のあちこちに計測機器があって、精霊から出る特殊な波長を感知し、それに伴って起きる事象を数値化……」
(;゚Д゚)「???」
( ・∀・)「まぁ、細かいことはいいんです」
モララーが身構え、クーがその横にぴったりと着く。
( ・∀・)「僕とサシで戦って下さい」 - 43 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:23:03.37 ID:kytu5kJuO
- (,,゚Д゚)「一対一か……」
ノハ#゚听)「私が行くぞ!!」
ヒートが背にかけていたハルバードを振るう。
なにやら少し怒ってるようだ。
(,,゚Д゚)「でも相手の元素は水だぞ?」
ノハ#゚听)「なんとかなる!!」
(;゚Д゚)「なんとかなるったって……」
俺が止めたにも関わらず、ヒートはモララーに向かって叫んだ。
ノハ#゚听)「よくも私を驚かせたな!許さんぞ!」
(;゚Д゚)(それが理由か!)
( ・∀・)「……」
(・∀・;)「クー。僕、なんか恨まれるようなことしたっけ?」
川 ゚ -゚)「気にするな」
( ・∀・)「わかった」
ノハ#゚听)「行くぞぉぉぉぉぉぉ!!!」 - 45 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:27:58.49 ID:kytu5kJuO
- ハルバードを横に構え突っ込んでいくヒート。
モララーはオドオドしている。
(・∀・;)「ク、クー!なんかでかい武器持ってるよ!」
川;゚ -゚)「そんなのでビビるな!情けない……」
川 ゚ -゚)「『水柱』」
ノパ听)「!」
ヒートの足元から多量の水が噴き出した。
ヒートはそれをバックステップで回避したようだ。
ノパ听)「むー……」
从;゚∀从「なぁなぁ、火の精の俺じゃあいつに攻撃出来ないぞ?どうするんだ?」
ノパ听)「狙うのはモララーだけでいい!」
从;゚∀从「でもよ……俺の攻撃だと簡単に防がれるぜ?ギコに代わって貰った方が……」
ノハ#゚听)「ダメだ!」
ヒートが声を張り上げる。
ノハ#゚听)「だって……だって……!」 - 48 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:31:11.17 ID:kytu5kJuO
- ノハ#゚听)「あの時心臓が止まるんじゃないかってくらいビックリしたんだぞぉぉぉぉ!!!!!」
从;゚∀从(んなもん知るかぁぁぁ!!)
ノパ听)「それに!」
ノハ*゚听)「早速これが使えるじゃないか!!」
ヒートはハルバードを叩きながら言った。
目はキラキラと輝いている。
从;-∀从「ダメだこりゃ……」
ノパ听)「行くぞ!ハイン!」
ノハ#゚听)「『火弾』ッ!!」
ハインの右手から火の玉が三つ射出され、モララー達に向かって行った。
(*・∀・)「すげー!火の玉だ!」
川;゚ -゚)「感心するな!それでも精霊研究員か!!」
火の玉はクーの出した水の塊によって消された。
( ・∀・)「よし!じゃあこっちの番だ!!」 - 50 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:35:07.68 ID:kytu5kJuO
- ( ・∀・)「クー!『氷塊』!」
川 ゚ -゚)「わかった」
ヒートの頭上に、巨大な氷の塊が出現する。
それを避けると、また頭上に氷の塊が出現した。
( ・∀・)「『氷塊』!『氷塊』!『氷塊』!『氷きゃい』!」
ノパ听)(あ、噛んだ)
次々と打ち下ろされる氷の塊。
しかし、ヒートもそれを全て避けている。
しかし、氷の塊に気を取られすぎた。
落下し、地面にぶつかった氷は当然砕け、その場に散乱する。
今、ヒートの足元は氷だらけである。
何度目かわからない攻撃をかわし、着地。
だが、そこには氷の破片。
破片と言っても大きさはそこそこある。
それに乗ったヒートはバランスを崩し、転倒した。
ノハ;゚听)「うぉっ!?」
そこに、容赦なく氷の塊が落とされる。
- 51 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:37:58.48 ID:kytu5kJuO
- 从;゚∀从「ああ!もう!」
ハインが氷の塊に向かって炎を放つ。
炎は渦を巻きながら氷の塊にぶつかった。
ノハ;><)「ひゃうぅ!!」
氷は全て溶け、水となってヒートにかかる。
ノハ;゚听)「つ、冷たいぞー……」
从;゚∀从「ったく。気をつけろよ……ってこっちくんな!冷たい!抱き着くなぁぁぁ!!」
ノハ*゚听)「ハイン暖かいぞぉぉ!!」
( ・∀・)「……」
(・∀・;)「なんか楽しそうだよ!」
川 ゚ -゚)「お前も私に抱き着いていいんだぞ」
( ・∀・)「クーは冷たいからやだ」(温度的な意味で)
川#゚ -゚)「……」
- 53 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:41:46.67 ID:kytu5kJuO
- 一方……
やることのない俺達は雑談をしていた。
(,,゚Д゚)「なんだかんだ均衡が取れてるな」
( ^ω^)「お?どういう意味だお?」
(,,゚Д゚)「ハインの攻撃は火で、クーはそれを水で打ち消す。
一方クーの攻撃は氷で、ハインはそれを火で打ち消せるんだ」
( ^ω^)「なるほどお!『氷塊』は『火弾』で消せるお!」
(,,゚Д゚)「『氷塊』……そういえば、みんな一々技に名前をつけてるよな」
(*^ω^)「ブーン達もつけるお!」
(,,゚Д゚)「あ、ああ」
(*^ω^)「『疾風』と『ブーメラン』は決定でいいおね!?」
(,,゚Д゚)「ああ、『疾風』はロマネスクさんが言ってた奴だな」
(,,゚Д゚)(そういえばロマネスクさんの『鬼牙斬』ってどういう効果だったんだろう……)
(,,゚Д゚)(まぁ、いいか)
(*^ω^)「他の技の名前も考えるお!!」
(,,-Д゚)「楽しそうだな……お前」 - 55 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:44:06.47 ID:kytu5kJuO
- 場面戻ってヒートとモララー。
モララーは何やらクーに殴られていた。
ノパ听)「どうする?」
从 ゚∀从「あいつらの『氷塊』は俺の炎で防げばいい。だけどこの炎は攻撃として使えないな」
ノパ听)「じゃあ攻撃はこれかぁ……」
ヒートはハルバードを見る。
ノハ;゚听)(直撃したら死ぬぞ……)
一応、モララーの研究の手伝いという名目で戦っている。
モララーを殺してしまってはダメだ。
ノパ听)(でも……まぁいいか!)
(;・∀・)(なんだろう。いますごい嫌な予感がした)
ノハ#゚听)「行くぞぉぉぉぉ!!」
( ・∀・)「おっと、クー、『液化』」
足元に散らばってる氷が一気に溶ける。
ノハ;゚听)「うぉ?溶けたぞ?」
从;゚∀从「なんか来るかもしれないぞ!気をつけろ!」
- 56 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:45:55.62 ID:kytu5kJuO
- ( ・∀・)「『水蛇』」
ノハ;゚听)「うぉぉ!?なんだこれ!?」
从;゚∀从「ちょっ!?水はまずいって!!」
溶けた水がヒート達の足に蛇のように纏わり付く。
振り払おうとするが、水は形を変え何度も纏わり付ついて来た。
( ・∀・)「『氷結』」
ノハ;゚听)「「!!」」从∀゚;从
纏わり付いた水が凍り、身動きが取れなくなった。
ハインは自らの炎で氷を溶かし、氷の蛇から脱出する。
だが……
从;゚∀从(ヒート!)
ノハ;゚听)「足が動かないぞぉ……」
( ・∀・)「さぁどうする?炎で溶かすかい?」
从;゚∀从「……やな奴」
- 58 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:48:56.29 ID:kytu5kJuO
- 炎で氷を溶かすのは簡単だ。
だが、あの炎ではヒートを火傷させかねない。
(*・∀・)「どうする?どうする?」
ノハ;゚听)「なんか……足が痛いぞぉぉ!!」
从 ゚∀从「……本当やな奴だなお前」
ハインが手をかざす。
すると、青白い炎がヒートの足を包んだ。
ノハ;゚听)「おぉ!!熱……」
ノパ听)「……くないぞぉぉ?何でだぁ?」
(*・∀・)「何でだ何でだ?」
从 ゚∀从「火の精ナメんなよ。それくらいできるっつーの」
(・∀・*)≡≡「ちょっと待ってね」
モララーは何を思ったか、奥の部屋に入って行った。
- 59 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:51:43.16 ID:kytu5kJuO
- 从 ゚∀从「大丈夫か?」
ノハ;゚听)「ちょっとヒリヒリするけど大丈夫だぞー。でもなんか体がダルいぞー」
从;゚∀从「ああ、ちょっと力を多く使ったからな……」
前に言ったが、精霊を使うのにはそれ相応の精神力が必要となる。
先程は、高温の炎を圧縮し、氷の表面のみを熱した。
これは炎を狭い範囲に圧縮するのにかなりの力を必要とするのだ。
从;゚∀从「大丈夫か?」
ノパ听)「うん!もう元気だぞぉぉぉ!!」
从 ゚∀从「なら……いいけどよ」
≡≡≡(*・∀・)「すごいよすごいよ!!」
モララーが戻って来た。
すごい興奮しているようで、頬が紅潮していた。
(*・∀・)「さっきの炎!小さくて威力が低そうに見えたけど、エネルギー量は今までで最大だった!」
嬉しそうに話すモララーに、ハインは冷たい視線を浴びせる。
从 ゚∀从(こいつ精霊の研究してるって言ってるくせに、全然精霊のことわかってねぇじゃねぇか) - 61 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:54:19.99 ID:kytu5kJuO
- ( ・∀・)「じゃあ……試合再開と行こうか!」
モララーがそう言い終わると、氷塊がヒート達に襲い掛かる。
ヒート達はそれをハインの炎で溶かし、モララーへ向かっていく。
ノハ#゚听)「喰らえぇぇ!!」
ヒートがハルバードを振り上げる。
( ・∀・)「クー、『水壁』」
ヒートとモララーの間に出来た巨大な水の壁。
ヒートはそれを無視してハルバードを振り下ろした。
( ・∀・)「アーンド『凍結』」
水の壁が凍り、ハルバードの動きが止まった。
水の壁がハルバードもろとも凍ったのだ。
ノハ;゚听)「抜けないぞぉ!」
力付くで引き抜こうとするが、抜けない。
ノハ;゚听)「ハイン!」
从 ゚∀从「ヒート!下がれ!」 - 64 : ◆4br39AOU.g :2009/03/04(水) 23:58:25.28 ID:kytu5kJuO
- 从#゚∀从「鬱陶しい氷だな!」
ハインの放った炎が氷の壁にぶつかり、一部の氷が溶ける。
( ・∀・)「『氷結』」
しかし、すぐにそれは氷に戻されてしまった。
ノハ#゚听)「このぉぉぉ!」
ヒートはもう一度力付くでハルバードを引き抜こうとした。
だが、やはりピクリとも動かない。
从 ゚∀从「そのまま引っ張ってろ!今のうちに溶かす!」
ハインが再び炎を放った。
それが氷の壁にぶつかる瞬間……
( ・∀・)「『液化』」
ノハ;゚听)「おおぉぉ!?」
氷の壁が水となり、ヒート達を飲み込んだ。
ついでにギコ達も飲み込んだ。
川 ゚ -゚)「おい、男の方も流されていったぞ」
(;・∀・)「あ……」 - 66 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:05:57.62 ID:UptpyWbhO
- 小さな湖のようになった洞窟内。
モララー達はその水面の上に立っていた。
一方、ヒート達は肩まで水に浸かっている。
ノハ#゚听)「冷たいぞぉぉぉ!」
(;-Д-)(なんで俺も……)
(*^ω^)「おー!楽しいおー!」
从;゚∀从「ちょ……水はダメだってマジで!!」
慌てるヒート達を見て、モララーはいやらしい笑みを浮かべた。
( ・∀・)「『氷結』」
水が凍る。
ヒート達は本当に指一本動かせない状態になってしまった。
唯一動けるのは自力で氷を溶かせるハインだが、
ハインだけではモララーに攻撃することは難しい。
かといってヒート達の周りの氷を溶かすとなると、ヒート達にかなり熱い思いをさせることになる。
ノハ#゚听)「ハイン!氷を全部溶かせぇぇ!!」
从;゚∀从「でも……」
ノハ#゚听)「このままじゃやられちゃうぞぉぉぉ!!」 - 68 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:09:13.95 ID:UptpyWbhO
- 从;゚∀从「……わかった」
このまま何もしなかったらモララー達にやられるのは明白だ。
だったら、やるしかない。
从 ゚∀从「ちぃっと熱いけど我慢しろよ」
ハインの回りに光が集まり、氷が溶けていく。
モララーはそれを嬉しそうな表情で見ていた。
(;+Д゚)「あっちぃ!!!」
まずハインに1番近い位置にいるギコが音をあげた。
そして、ギコの周りの氷が溶け、ギコの体が自由になる。
(;゚Д゚)「ブーン!!」
( ^ω^)「お!」
ブーンによって空中に引き上げられるギコ、続いてヒートが空中に送られる。
ノハ;゚听)「熱かったぞぉ……」
(;゚Д゚)「てか、ブーンはいつまで浸かってるんだ……?」
(*^ω^)「ババンババンバンバンおっ!!」 - 70 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:12:10.32 ID:UptpyWbhO
- 从#゚∀从「おおおおおお!!!」
水温はどんどん上昇していく。
ハインの周りの水はすでに沸騰していた。
( ・∀・)「すごい……けど」
(・∀・;)「どうしよう!?」
川;゚ -゚)「自分で考えろ!」
水温はなおも上昇を続け、ついにブーンがお湯から上がってきた。
(;*^ω^)「いい湯だったお!」
(,,゚Д゚)「沸騰してたぞ。あの水」
ノハ;゚听)「なぁ、なんか暑くないか……?」
確かに暑い。
ハインはまだ熱を放出していて、高温の水蒸気がこの洞窟状の研究室に充満しているのだろう。
(;゚Д゚)「本当、暑いな」
ノハ;゚听)「ハイン!もういいぞ!」
从#゚∀从「え?」
从 ゚∀从「あ、ああ」 - 72 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:15:31.48 ID:UptpyWbhO
- ハインがお湯から上がってくるが、いまだ室内の温度は上昇していく。
もはやサウナだ。
(;・∀@)「暑い……!蒸し焼きになる!!」
川;゚ -゚)「だ、大丈夫か?」
(;゚Д゚)「ブーン!ここから出るぞ!」
ノハ;゚兪)「暑いぞー……」
ブーンの風に乗り、俺達は地下から脱出した。
研究員達は汗だくの俺達を見て、ひどく驚いている。
(;゚Д゚)「あー……暑かった」
研究員1「ど、どうしたんだい?」
(;・∀・)「あー……。なんか実験してたら蒸し焼きにされそうになった」
从;゚∀从(途中からマジで戦ってたけどな……)
ノハ;´兪)「暑いー。頭がクラクラするー……」
( ^ω^)「楽しかったお!」
川 ゚ -゚)「ははっ。ブーンは強いな」
(;゚Д゚);゚听)((こいつら……))(・∀・;从∀゚;从 - 74 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:18:57.77 ID:UptpyWbhO
- (;・∀・)「あーっ!!」
(;゚Д゚)「なんだいきなり……」
(;・∀・)「エネルギーのデータとるの忘れてた!!クー!行こう!!」
川 ゚ -゚)「む、わかった」
慌ててあの超高温サウナに入っていくモララー達。
(,,゚Д゚)「……ご苦労なこった」
ノハ;´兪)「あうあうあー……。気持ち悪いぞー……」
こちらには顔を真っ赤にして調子の悪そうな奴がいた。
(゚Д゚;)「おいおい、大丈夫かよ」
研究員1「これはいかん。医務室へ連れていこう」
ノハ;´兪)「かたじけないぞー……」
ヒートは研究員数名に連れられ、医務室へ行ってしまった。
残ったのは俺とブーンとハインだけだ。
(,,゚Д゚)「……おい」
从 ゚∀从「んー?」 - 76 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:22:26.79 ID:UptpyWbhO
- (,,゚Д゚)「お前、さっき無茶しただろ」
从 ゚∀从「さっきって?」
(,,゚Д゚)「俺達が氷漬けにされた時だ」
从 ゚∀从「……そうでもねぇよ」
(,,゚Д゚)「だったらいいんだけどな。俺にはそう見えたんだ」
(,,-Д゚)「一つ言っておく、お前が無茶したらヒートが苦しむんだからな」
从 ゚∀从「……」
ハインは返事をしなかった。
だが、伝えることは伝えたからもういいだろう。
( ^ω^)「ギコどうしたお?怖い顔してるお」
(,,゚Д゚)「ん、ああ、気にするな。何でもない」
ここでふと思い出す。
(,,゚Д゚)「そういえばヒートのハルバードは?」
从 ゚∀从「あ」
(;-Д-)「……探して来る」
- 101 :>>77訂正>>97m(__;)m ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 01:08:10.64 ID:UptpyWbhO
- 从 ゚∀从「ああ、悪いな」
(,,゚Д゚)「別にいいさ。行くぞ、ブーン」
( ^ω^)「お!」
もう一度、地下へ入る。
相変わらず蒸し暑い。
(,,゚Д゚)「ブーン、『風布』」
先程二人で決めた技の名前を使ってブーンに命令した。
風が自分の周りに集まる。
こうすれば、外気に触れることがないから暑くない。
風は温められてもブーンがまた新しい風を生成してくれる。
(,,゚Д゚)「よし、行くか」
( ^ω^)「行くお!」
「ああああぁぁぁぁ!!!」
階段を下っていると、突然下からモララーの悲鳴が聞こえた。
(;゚Д゚)「モララー!?」 - 79 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:28:33.89 ID:UptpyWbhO
- 駆け足で階段を下っていく。
そうして、先程の広場にでた。
モララーは水(お湯)の上に座り込んでいた。
(;゚Д゚)「おい!どうした!」
( ∀ )「……機械が…壊れてる」
(;゚Д゚)「……え?」
( ∀ )「精霊の波長を感知する機械もそれを数値化してグラフに表す機械もエネルギー量を計測する機械も全部壊れた」
(;゚Д゚)「えと……その……ドンマイ」
( ;∀;)ブワッ
(;-Д-)(とりあえず……ハルバードだけ確保しとこう)
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
医務室……
从 ゚∀从「……」 - 81 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:32:12.39 ID:UptpyWbhO
- 从 ゚∀从「ヒート」
ノパ-)「ハインかぁ……?どうしたぁ?」
ついさっきまで眠っていたヒートは少し眠そうな目を擦ってハインを見上げる。
研究員1「ああ、動かない方がいい。まだ体はボロボロだからね」
从 ゚∀从(やっぱり……)
从 ゚∀从「ヒート、悪いな。無茶して。ゴメン」
ノパ听)「無茶するのはいつもの事だぁぁ!気にするなぁぁぁ!!」
从;゚∀从「そう言われてもヒートがこうなったのは俺のせいなんだよ……」
ノパ听)「でも無茶したのはハインだろぉぉ?」
从;゚∀从「無茶したからこうなったんだって」
ノパ听)「ああ〜……」
ノパ听)「でも無茶したのはハインだぞ?」
从;゚∀从「だ・か・ら!」
从;-∀从(今ならギコの気持ちがよくわかる気がする……) - 83 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:35:17.38 ID:UptpyWbhO
- 从;゚∀从「俺が無茶したから、ヒートがかなりの精神力を使っちゃって、ヒートがボロボロになっちまったんだよ」
ノパ听)「よくわからないぞ!」
从;゚∀从「……」
ノパ听)「だけど!」
ヒートが更に声を張り上げた。
ノパ听)「たとえそうなっても一生懸命やってるのなら私は構わないと思うぞぉぉぉ!!」
从;゚∀从「ヒート……?」
ノパー゚)「だからそんなこと気にするな!」
从 ゚∀从「……そうだな」
ヒートにつられて、ハインも笑みを浮かべた。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・ - 85 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:38:06.01 ID:UptpyWbhO
- ノパ听)「お世話になりましたぁぁ!!」
(,,゚Д゚)「さようなら」
研究員1「また何かあったら来てくれよ。はい、コレ」
研究員から青いカードを渡される。
(,,゚Д゚)「これは?」
研究員1「入城許可証だよ。これさえあればいつでもこの城に出入りできるんだ」
(*゚Д゚)「あ、ありがとうございます!」
研究員1「いやいや、是非また来てくれ。風使いさんと炎使いさん」
研究員にお礼を言って、ロビー城を後にした。
そして、前日泊まった宿とは別の宿屋で一泊することにする。
ノパ听)「今日一日大変だったなぁぁぁ!!」
(,,-Д-)「ああ、散々だったよ。モララーって奴の実験に無理矢理付き合わされるし……」
- 86 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:40:35.89 ID:UptpyWbhO
- ノパ听)「そういえば、もともと何しにあそこに言ったんだ?」
(,,゚Д゚)「そりゃあ精霊界の場所を聞きに……」
(;゚Д゚)「……」
从 ゚∀从「すっかり忘れてたな」
(;-Д-)(明日……もう一回城に行くか)
ため息をついて、ベットに腰をかけた。
その時、コンコンと戸を叩く音がした。
( ^ω^)「誰か来たお!」
「すいませーん!開けてー!」
(,,゚Д゚)「この声は……」
モララーの声だった。
しかし、今さら何の用だろう。
戸を開けて、モララー達を招き入れる。
モララーは何やら多くの荷物を持っていた。 - 89 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:42:55.23 ID:UptpyWbhO
- ( ・∀・)「いやー、参った参った」
出会った時とは違い、軽い口調で話してくるモララー。
いつのまにか敬語もなくなっている。
(,,゚Д゚)「一体どうしたんだ?」
(;-∀-)「それがねー。高価な機械をことごとくぶっ壊しちゃったから……」
( >∀<)テヘッ「あそこクビになっちゃいました!」
(;゚Д゚)「え……」
ノハ;゚听)「えぇぇぇぇぇ!!?」
モララーから、衝撃の事実を告白された。
しかしモララーの顔がなんともウザい。
(;゚Д゚)「お前、「テヘッ」じゃねーだろ!どうするんだよこれから!」
( ・∀・)「だから、ここに来たんじゃないか」
(;゚Д゚)「ほぇ!?」
( ・∀・)「なんでもあんた達は旅をしてるらしいって聞いたから……」
(;゚Д゚)「待て待て待て。まさかついて来る気じゃあ」
( ・∀・)b「もち」 - 91 :>>87帰っちゃいました ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:48:47.01 ID:UptpyWbhO
- ノハ*゚听)「おー!モララー達も一緒にくるのかぁぁぁ!!」
(*^ω^)「クーも一緒だお!」
ヒートとブーンはもう乗り気だ。
断るわけにもいかないだろう。
( ・∀・)「ね?いいでしょ?」
(;-Д-)「……わかったよ」
イェーイ
( ・∀・)人(゚- ゚ 川
( ・∀・)「あ、そういや自己紹介がまだだったね。僕はモララー=S=ファウスよろしくね!」
(,,゚Д゚)「あ、あぁ。俺は……」
( ・∀・)「あ、知ってるからいいよ。調べた」
(;゚Д゚)(いつの間に……!?)
こうして、また変な仲間が一人増えてしまった。
これからの旅も前途多難だ……。
第三話 完 - 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 00:41:49.84 ID:JUDzfcMeO
- バトルだけして帰っちゃったの?
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 00:52:24.11 ID:2p7RfN+nO
- 乙〜
次回投下はいつ〜?
>>90
>>91で答えてくれてるぞw
- 93 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 00:54:35.56 ID:UptpyWbhO
- おまけ
('A`)「どうも童貞の精です」
('A`)「最近、精霊の勉強しました」
('A`)「ですから、みなさんの質問に答えつつ精霊達の簡単な補足説明をさせていただきます」
('A`)(いつかぜってー本編に出てやる)
('A`)「あ、質問はどんどんして下さい。あと、文句も言ってください」
('A`)「>>92週一のペースで投下したいと思ってますです」 - 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 00:56:05.25 ID:9FaHZNEQO
- 乙
やっと服が着れた子
http://imepita.jp/20090305/010181
アホの子
http://imepita.jp/20090305/032140 - 96 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 01:00:26.93 ID:UptpyWbhO
- ('A`)「精霊とは!」
('A`)「火、水、風、雷、地、光、闇の七つの元素を自在に操ることの出来る存在!」
('A`)「しかも水は氷も自在に操っちゃったりしちゃいます!」
('A`)「身長は大体80cm前後、小柄です」
('A`)「ただ、ごくまれに人間とほとんど同じ姿をした精霊がいますが、詳細は不明です」
('A`)「>>94ありがとう。どっくん嬉しくて泣いちゃう」
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:03:44.82 ID:2p7RfN+nO
- >>93
童貞の精ktkr www
週一ペースか。おk把握
総合投下の時から見てるよw
現行遭遇出来たら支援するわw
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:05:26.95 ID:C6eGLbIT0
- 精霊使いになるためにはあの試験に受かるしかないの?
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:08:54.16 ID:2p7RfN+nO
- 『風布』の読み方は?
かざぬの?ふうぷ?kwsk
>>95
どどんまいw - 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:14:42.09 ID:9FaHZNEQO
- もういっこ
冷たい子(温度的な意味で)の『氷塊』魂
http://imepita.jp/20090305/043580
- 105 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 01:18:35.95 ID:UptpyWbhO
- ('A`)「精霊界!」
('A`)「精霊達が暮らしてる世界です」
('A`)「村があったり、友人関係があったり、温泉があったり……」
('A`)「基本僕らの世界とおんなじですね」
('A`)「ただ、彼らには科学技術が必要ないんで、バスとかはありません」
('A`)「ちなみに、こっちの世界で精霊が瀕死になると、精霊達は自動で精霊界に転送されてしまいます」
('A`)「でも三日ほどで元気になって帰ってくるようです」
('A`)「>>104 ありがとうございます。あたいMだから性格的な冷たい子も大歓迎だよ」
- 106 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 01:20:31.76 ID:UptpyWbhO
- ('A`)「まことに残念ながら、今日のどっくんのうんちくコーナーは以上です」
('A`)「質問は引き続き受け付けますのでご安心を」
('A`)ノシ - 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:24:02.43 ID:2p7RfN+nO
- >>103
雷の精霊は飛べないのか……
「かざぬの」か。把握
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:25:45.14 ID:9FaHZNEQO
- 童貞の精霊乙
http://imepita.jp/20090305/050620
- 111 : ◆4br39AOU.g :2009/03/05(木) 01:26:48.78 ID:UptpyWbhO
- >>109
残念ながら、飛べません - 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:30:12.80 ID:2p7RfN+nO
- 改めて乙〜ノシ
>>110
カンペを渡すドクオを描いた人か?w - 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:33:23.38 ID:2p7RfN+nO
- >>111
雷の精霊は飛べないのか
了解
乙乙〜
- 115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:34:18.06 ID:9FaHZNEQO
- >>112
今回は話全部終わるまで待てましたよウフフ - 117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/05(木) 01:42:20.64 ID:2p7RfN+nO
- >>115
仕事早ぇなw
115も乙〜ノシ