听)ξ俺達は平穏に過ごせないようです./・ω
1 名前: ◆9SAojckYCw :2009/08/18(火) 21:37:43.21 ID:zHpqXrYl0
カタカタ ('A`)「『立ったら今度こそ最後まで投下する』っと……」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:40:04.13 ID:zHpqXrYl0
('A`;)「……板の状況は気にすべき事だったな。まさかラスト手前で鯖落ちとは……」

( ^ω^)「雑談が嫌いな人は2レスほど飛ばしてくれお。
      前回深夜まで付き合ってくれた人、ありがとうだお!
      今回は二話を初めから投下し直しだお」


     ○     ○     ○

(´・ω・`)「嬉しい事に、このお話にもまとめがつきました。ありがとうございます」

ξ ゚听)ξ「『雑談ウゼェよ』という貴方は、 ブーン文丸新聞 さんまで――」

http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/peaceful/peaceful.htm

( ^ω^)「『むしろ読みたいよ』という人は、 フェスティバロスwww さんまでどうぞだお!」

http://boonfestival.web.fc2.com/notpeace/list.html

川 ゚ -゚)「『そんなの読む暇無いよ』という人は、次の三文字あらすじで理解してくれ」

・高入空

('A`;)「理解出来ねぇ! つーか普通は三行だろ!」

ξ ゚听)ξ「次のレスは注意事項よ」
4 名前:以下、本編を投下する前に雑談をお送りします:2009/08/18(火) 21:42:16.03 ID:zHpqXrYl0
・この話はフィクションです。実際の人物、個人、人名とは関係ありません。

・日本の公道でのセグウェイ搭乗は禁止されています。お家の中でどうぞ。

・サーバーが不安定な時の投下は危険です。場合によっては4時間が無駄になります。畜生……


('A`;)「最後の奴はただの自体験じゃねーか……
    次のレスから投下開始だ。雑談の事を綺麗さっぱり忘れてどうぞ」

5 名前:以下、雑談にかわりまして本編をお送りします:2009/08/18(火) 21:44:41.09 ID:zHpqXrYl0

     *     *     *

深夜、大通りから外れた所にある、ビルの隙間の狭い路地。
切れかけた蛍光灯が明暗しながら、頼りない光を放っている。

元は純白だったであろう、長年の歳月により灰色に薄汚れた壁。
雨風に当てられ軟らかく歪んだ段ボールの山が、ただでさえ狭い路地を更に通り難いものとしていた。
コンクリートには謎の染みが付き、片側に設けられた側溝には、どす黒い何かの塊が浮いている。


そんな路地の中に、桜の花びらが舞っていた。


辺り一帯には桜の木はおろか、雑草の一つさえ生えてない。
しかし花びらはどこからともなく現れ、地面にある物を覆い隠していく。
煙草の吸殻、潰れたペットボトル、泥まみれの雑誌…………そして、倒れている少年。


そこから少し離れた所で、その光景を一人の少女が見守っていた。
男を助けようなどの素振りは見せず、少女はただじっと見守っている。



少年の姿が完全に覆い隠された頃には、少女はもうそこにはいなかった。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:47:10.71 ID:zHpqXrYl0

     △     △     △

えーっと、俺の名前はドクオ。昨日から高校生をやっている。
こちらに引っ越したばかりで知り合いはいなかったが、
昨日の入学式だけでも四人の友人が出来た……と俺は思っている。


ξ#゚听)ξ「…………」

('A`;)「…………」


時おりこちらを睨んでくる彼女が、カウントに入ればだがな……



        俺達は平穏に過ごせないようです


     ξ*゚听)ξ<『その2:桜色の季節』だからねっ! ……べっ、別に(ry

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:49:26.93 ID:zHpqXrYl0
朝の街中、青地に白い牛乳ビンが特徴のコンビニ前に俺とツンはいた。
目の前を通る人々は、皆慌しそうに目的地へと向かっている。
正直俺もその中に加わりたいが……

ξ  )ξ「全く、ブーンはいつも待ち合わせに……」

('A`;)「…………」

ξ# )ξ「ただでさえ寝不足気味だってのに……」

(;'A`)「……………………」

だめだ、怖くて逃げ出せない!
怒りのオーラがツンから滲み出て、体の周りで渦を巻いているのがわかる。
目の前を通り過ぎてく人たちも、心なしか俺達から距離を置いているように見えるし……


……発端は先日の帰宅ルートだった。

  ( ^ω^)『そうだお、明日の朝ここで待ち合わせしようお!
         ツンも一緒だお! 7時半でいいかお?』

  ('A`)『ああ、構わないぜ』

二つ返事でOKを出したのだが、つい寝坊してしまった俺が到着したのが35分。
そしてそこには怒り狂ったツンがいた。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:51:08.54 ID:zHpqXrYl0
  ('A`;)『……おはよう、遅れてゴメンな』

  ξ )ξ『おはよう。あら、ドクオも一緒なの?』

  ('A`)『ああ、昨日ブーンに誘われてな。ブーンは?』

  ξ# )ξ『……まだよ』

……以上、会話終了。
その後、俺は気まずい空気の中、10分ほど耐えている。

ξ ゚听)ξ「……」

(;'A`)「…………」

……正直ここまで重い空気は初めてだ。
深海魚の気分が何となく解る気がしてきたぜ。

( ^ω^)ノシ「おいすー! 遅れてすまんこ!」

そしてそんな空気へ無防備に飛び込んでくる馬鹿。
こいつは絶対に、『空気』を『からけ』とでも読んでるに違いない。

ξ ゚ー゚)ξ「おはよう、ブーン。今日もいい朝ね」

バキバキと指を鳴らしながら言う台詞じゃないと思いますよ、ツンさん……

 ※ 【大変見苦しいシーンが入るため、しばらく同時刻の教室のシーンをお楽しみください】 ※

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:53:07.71 ID:zHpqXrYl0

     *     *     *

川 ゚ -゚)「やあ、おはよう」

(*゚∀゚)「おお、オハヨーさん。えーっと……」

川 ゚ -゚)「砂緒クー、クーで構わない。よろしくな、シンちゃん」

(;*゚∀゚)「あの、名前間違ってるんだが……」

川 ゚ -゚)「すまない、違ったか。……ルンちゃん?」

(;*゚∀゚)「それも違う!」

川 ゚ -゚)「じゃあ……ワンちゃん?」

(;*゚∀゚)「ある意味おしい! ……ってか犬扱いかよ!?」

川 ゚ -゚)「リンちゃんだったな。すまない、私とした事が……」

(;*゚∀゚)「いや、全然違うから。そもそも最後が『ン』じゃねーし!」

川 ゚ -゚)「ああ、そうなのか。……ピカチュウ?」

(;*゚∀゚)「ポケモンの名前ぇぇーーっっ!? そんな名前をつける親なんていねーよ!」

川 ゚ -゚)「ではギルミr ――」

(#*゚∀゚)「ストーーーップ!! それ以上は色々とヤバイ!!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:55:26.03 ID:zHpqXrYl0
lw´‐ _‐ノv「おや、おはようだな。クー」

川 ゚ -゚)「ああ。おはよう、シュー」

(*゚∀゚)「お帰り、シュー……ってあれ? 二人とも知り合いか?」

川 ゚ -゚)「いや、話をしたのは今のが初めてだ」

lw´‐ _‐ノv「所謂ファースト・コンタクトだ」

(;*゚∀゚)「なんで二人ともそんなフレンドリーなんだよ!?」

lw´‐ _‐ノv「ところで、私は飲み物を買ってきた所なので、今の状況を把握出来ていない。
       文章量にして三行ほどで、分かりやすく説明してもらえないだろうか?」

川 ゚ -゚)「私の
     目の
     前にいる高校生にしてはどう見ても外見上幼いと思う女の子の名前が分からない」

(;*゚∀゚)「三行目だけやたら長い!」

lw´‐ _‐ノv「ああ、この子の名前はこしひかりだ」

(*゚∀゚)「チョイ待て、平然と嘘をつくな」

川 ゚ -゚)「なるほど。よろしくな、ささにしきちゃん」

(;*゚∀゚)「しかもなんで違う名前になっているんだよ!」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:57:11.31 ID:zHpqXrYl0
川 ゚ -゚)「まあ落ち着くんだ、ツヴァイちゃん」

(#*゚∀゚)「つーかさ! さっきから確信犯だろ、絶対!」

川 ゚ -゚)「その使い方は誤用だぞ」

ノパ听)「間違ってる! 間違えてるぞぉぉっ!!」

lw´‐ _‐ノv「まあ、人は過ちを犯すものさ」

(;*゚∀゚)「いちいち五月蝿い! ――って何か増えてるし!」


 ※ 【……gdgdになってきたので、そろそろ元のシーンに戻ります】 ※


     △     △     △

ξ ゚听)ξ「さて、じゃあ行きましょ」

('A`;)「ああ……ブーン、大丈夫か?」

((#):メ"Ω#ノ')「な゛んとが……」

最早原型を留めてないブーンを引き摺りながら、俺達は高校に向かう。
……ってか何のAAだよ、ホントに。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 21:59:06.67 ID:zHpqXrYl0
('A`)「ってかいいのかな……」

((#):メ"Ω#ノ')「何がだお?」

('A`)「いや、ツンが一緒とは聞いてなかったからさ。
    お邪魔虫になるのも良くないし……」

ξ ゚听)ξ「駅の裏手にある病院は中々快適らしいわよ。利用したい?」

('A`;)「謹んでお断りします」



('A`) (あれ?あの人は確か……)

((#):メ^Ω#ノ')「どうしたお?急に立ち止まって?」

もうすぐ高校到着という頃、俺はとある人物を見かけた。
多くの生徒が高校へと足を運ぶ傍ら、その人物は道の片隅に座り込んでいる。
その人物の目の前にあるのは………………セグウェイ……だっけ?


さーて、どうしたものか……

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:00:01.91 ID:zHpqXrYl0
((#):メ^Ω#')「どうしたお、急に立ち止まって。調子が悪いのかお?」

('A`)「あ、いや。あそこの人だけどさ……」

ξ ゚听)ξ「あの人って……ああ、高岡さん……だっけ?  同じクラスの」

……やっぱ同じクラスの奴か。

((#):メ^Ω#')「おっおっ、なんとなく見覚えあるお!」

ξ ゚听)ξ「なんか困ってるみたいね。行ってみましょ」


从;(%)∀从「くっそ、最近調子悪かったしな……」

高岡さんとやらは、地面いっぱいに工具を広げ、右手に握ったスパナを振り回していた。
右目に装着した怪しいスコープを輝かせ、時々ブツブツと呟くその姿は、どう見ても……
…………近寄ったはいいが、正直少し……いや凄く声をかけ辛い。

ξ;゚听)ξ (どうする? ここは第一発見者のドクオが……)

('A`;) (いや、ツンさんのお手並み拝見と……)

((#):メ^Ω#')「おっおっ、こんな道の途中でどうしたんだお!?」

ξ ゚听)ξ(ブーン! GJ!)('A`)

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:04:10.61 ID:zHpqXrYl0
从 ゚∀从「ん? なんか用か?」

スコープを額に上げ、高岡さんは返事を返してくる。
白めの肌に白髪……アルビノっていうんだっけ? こういう人は。

(#):メ^Ω#')「あの、このままだと遅刻するお」

腕時計を見ると8時10分……たしかに危ないかもな。

从;゚∀从「うおっ、もうこんな時間か! センキュー!
       ところでお前誰? なんか酷い顔をしてるんだが……」

(#):メ^Ω#')「同じクラスのブーンだお!」

从 ゚∀从「ブーン、BOON、武運…………ああ、あのピーナッツ好きの奴か!」

(#):メ^Ω#')「おっおっ、覚えていてくれて光栄だお!」

ξ ゚听)ξ「お話中悪いんだけど、急がないと本当に遅刻するわよ」

从 ゚∀从「おっ、こっちも見覚えある顔だな。ちょっと手伝ってもらえないか?」

('A`)「何をすればいいんだ?」

从 ゚∀从「……お前クラスにいたっけ? 悪いけど見覚えねぇや。
      まあいいや。この工具箱に周りの道具を適当に収めてくれ」

どうやら俺は印象が薄いらしい……まあまだ二日目だもんな、そう信じたい。
俺達が工具箱に色々入れている間に、彼女は布袋の中に小さな部品を入れていく。
…………しかし何で工具箱なんかを普段から持ち歩いているんだ?
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:07:02.64 ID:zHpqXrYl0
从 ゚∀从「いやー、ナイスなタイミングで手伝ってくれてありがとな。
      このお礼はいつか三倍にして返すぜ!」

基盤が剥き出しになったセグウェイをゴロゴロと引きながら、彼女は言葉を続ける。

从 ゚∀从「おーっと、そういやまだ自己紹介してなかったな! ……まあ昨日したっちゃしたが。
      俺の名前は高岡ハイン、気軽に呼び捨てで構わねーぜ。
      特技は機械弄り、好きな食べ物はカワハギの刺身だ。よろしくな!」

そういや昨日のときにも、カワハギが好きという人が確かいたな……。
俺達も適当に自己紹介を返す。俺の話を聞いたとき、彼女は――

从 ゚∀从「うーん、やっぱ聞き覚えねえな。まあいい、これからよろしくな!」

まるっきり俺の事を覚えてないようだった。俺ってそんなに印象薄いのか、やっぱり……
ところでなぜハインが道端にいたかというと、壊れたセグウェイを直していたからだとか。
……というよりセグウェイで通学ってどうなんだろうか? 確かに校則では禁止されてないけど。

ξ ゚听)ξ「……そんな簡単に修理できるものなの?」

从 ゚∀从「まあ、俺が作った物だからな。修理出来て当然だろ?」

('A`)「なん…だと……?」

从 ゚∀从「とある事情でジャンクを手に入れてな。直すのに三ヶ月かかったんだぜ!」

……何気にこの人凄いんじゃないか?

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:10:01.86 ID:zHpqXrYl0
(#)^ω^Ω#)「もうすぐ教室だお!」

校内に入った頃には、大分ブーンの顔の腫れも引いていた。
……てかΩは口じゃなかったのか。位置的におかしくね?

ξ ゚听)ξ「ドクオ、今何分?」

('A`)「25分。まあ楽勝だろ」

朝礼は30分からだが、教室はもう目の前だ。これで間に合わないほうが驚きだな。



……俺達が教室に入った時、何が起こっているのか全く理解出来なかった。

川 ゚ -゚)「という訳で、このクラスの委員長をつーちゃんにしようと思うんだが……」

(#*゚∀゚)「ちょっと待て! 異議あり! ありまくりだ!!」

川 ゚ -゚)「とりあえず挙手を取ろうと思う。まずは賛成の人、どうぞ」

教壇にいるクーの発言と共に、いくつか勢い良く、その後ぽつぽつとクラスの手が上げられていく。
黒板にはでかでかと、『第一回 Q組看板娘選考会』とか書かれちゃっている。

川 ゚ -゚)「ふむ、19人か。では反対の人、どうぞ」

黒板に正の字を次々書き込んでいくクー。数字だけ書けばいいだろ……
とりあえず扉の所で立ち止まってもしょうがないし、ショボンの所へでも向かうか。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:13:18.68 ID:zHpqXrYl0
(´・ω・`)「やあ、おはよう」

ξ;゚听)ξ「ねえ、何が起こっているのか教えてくれない?」

(´・ω・`)「僕もさっき来たところなんだけどね……」


ショボンが来たとき、クーはシューと何かを話し込んでいたらしい。
そしてその後、いきなりクーが教卓まで行き、こう切り出してきたようだ。

  川 ゚ -゚)『なあ、教室にいる皆。このクラスの代表者を今の内に考えないか?』

クーは『やっぱり可愛い女の子であるべき』『賢い事も重要だ』などと話していき、

  川 ゚ -゚)『それらを全て満たすのは、鶴亀つー。彼女であると私は考えている』

  (;*゚∀゚)『………………ハイ?』

とか言いながら、いきなりつーを指差したらしい。背景に『ビシィィィッッ!!』とでも書かれそうな勢いで。
最初はキョトンとしていた教室の皆も、段々とクーの話術に飲まれていったとか……


川 ゚ -゚)「賛成が19、反対が1。……何か異議がある人は?」

(#*゚∀゚)「いや! だからオレの話を聞けって!!」

川 ゚ -゚)「ふぅ、君は一体何が不満なんだ?」

クーはいかにも渋々といった口調で、つーに聞き返してくる。
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:16:02.80 ID:zHpqXrYl0
(#*゚∀゚)「オレ自信がやる気がねーんだよ!」

川 ゚ -゚)「『長い人生、何事だって挑戦してみるものさ』……と、昔の偉い人が言ってそうだろ?」

(;*゚∀゚)「結局言って無いじゃん!」

川 ゚ -゚)「まあそれはともかく、君には他の人にはない魅力がある。
     その魅力でクラスを引っ張ってもらえないか?」

(;*゚∀゚)「いや、だからオレは――」

( ・∀・)「そこまでにしとこうよ、クーさん」

ツンの前の席にいる、今まで静観していた男が急に立ち上がった。

川 ゚ -゚)「……何か言いたいことでもあるのか?」

( ・∀・)「君なりに色々考えて行動しているんだろうが、本人が嫌がっているじゃないか。
      いらぬお節介って奴だよ。何より重要なのは……」

男が言いかけたまさにその時、ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴り響いた。

( ・∀・)「―― と、このように時間なのでね。議論はまた後からでもいいんじゃない?」

川 ゚ -゚)「……そうだな。つー、すまなかった」

(*゚∀゚)「えっ、いや……」

こうして、朝の謎の騒動はひとまず幕を閉じた。
教室に着いた和寒内先生が黒板を見て驚くのは、この後すぐの話だ。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:19:03.69 ID:zHpqXrYl0
今日のイベントは午前中に校内説明とクラス委員決め、午後からクラス親睦イベント。
親睦イベントでは何かクラス対抗で球技をするとからしいが、正直そこまで興味はない。
俺はどちらかというとスポーツは苦手な部類だしな……

SHR後、和寒内先生が職員室に資料を取りに行き、少しの休憩時間が訪れた。
俺はクーの元へ、朝の行動を問い質すために向かったのだが――

川 ゚ -゚)「いや、シューに頼まれてな」
lw´‐ _‐ノv「私がクーにお願いしたのだよ」

('A`)「一体何を?」

川 ゚ -゚)「つーをクラスの人と馴染ませてくれと言われてな……
     シューに言われたことを実行したまでだ」
lw´‐ _‐ノv「つーをこのクラスに打ち解けやすくするためにな……
       私が彼女に今回の計画を打ち明けただけの事だ」

ξ;゚听)ξ「あの、どっちか片方だけが説明してくれない?」

川 ゚ -゚)「……シュー、頼む」

lw´‐ _‐ノv「了解した、ギッタギタにしてやっからよ」

ちゃんと説明してくれるか不安だな……

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:22:14.75 ID:zHpqXrYl0
それからシューの難解にして不可解な説明が始まったのだが、要点を話すとこうだ。

・ つー自身もクラスに馴染みたいと思っているが、取っ掛かりが見つからなかった。
・ その事で昨日シューが悩んでいた所、テレビでとあるドラマをやっていた。
・ その内容とは、目立たなかった人物が偶然委員長に選ばれ、頭角を現すという話だった。

これだけの話なのに、なんで超ひも理論とか食物連鎖などの単語が出てきたのやら……
先生の帰りが遅れてなければ、絶対最後まで聞けなかっただろう。

('A`)「しかしだな、クー。どうしてこんな話を引き受けたんだ?」

川 ゚ -゚)「父がよく『何事もやってみるもんだ』と言っていたからな。
     私としては貴重な体験が出来て楽しかったぞ」

昔の偉い人って、クーの父親の事だったのか。
ところでさっきから疑問なんだが、クーってこんな奴だったっけ?
昨日はもっと冷静と言うか、淡々としているというか……

lw´‐ _‐ノv「まあ私としては……むっ、曲者か」

( ><)「遅れてごめんなさいです! LHRを始めるんです」

和寒内先生が予定より遅れて帰ってきた。まあ話はここまでかな。
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:25:05.58 ID:zHpqXrYl0
また和寒内先生の長語りと付き合う事になるかと思いきや、意外な話から始まった。

( ><)「さて、LHRを始める前に聞いておきたい事があるんです。
      この中にE組の滝立 来栖という人を知っている人はいませんか?」

俺はこの春からこの町にやってきたので、当然知らない。
見回した所、クラスの人も皆知らないようで――

ノハ;゚听)「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!
      中学のとき同じクラスだった奴だああああぁぁぁっっ!!!」

窓ガラスを震わせるほどの大声を出した一人の少女に、クラス中の注目が集まった。
声を出した本人は自分の状況に気がついたのか、やや赤い顔で言葉を続ける。

ノハ;゚听)「いやっ、そのなっ!! ただ中三の頃に一緒のクラスだっただけだ!!
      それより来栖がどうしたんだよっ!! 何かあったのか!?」

(; ><)「いや、昨日来栖君の姿を見なかったですか?」

ノパ听)「見かけてないぞ! さっき同じ高校に入ってたって知ったぐらいだしな!!」

その答えを聞いて、和寒内先生はあからさまに落胆した表情を浮かべる。

( ><)「……実はですね、その来栖くんが昨日意識不明で発見されたんです。
      何か情報があれば教えてほしいと思ったんですが……」

……意識不明とは穏やかでは無いな。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:28:01.50 ID:zHpqXrYl0
( ><)「来栖君は枠手家通りの近くにある、裏路地に倒れていたそうです。
      外傷や暴行を受けた跡は特に無かったのですが、未だに意識不明らしいんです」

枠手家通り……昨日ブーンから聞いた話では、まあよくある若者向けの歓楽街らしい。
すぐそばには、ブーンとツンの母校があるとの事だとか。

( ><)「まあとにかく、皆は怪しい場所に近づいたら駄目なんです!
      これでこの話は終わりなんです!!」

やや強引に話を終わらせる先生。
おそらく情報が入らなかった以上、あまり関心を示してほしくないのだろう。

( ><)「それではHRを始めたいと思うんです。まずは校内説明からなんですが――」

この校内説明とは、実際にクラス単位でゾロゾロと校内を歩き、各施設について説明するものらしい。
まあ百聞は一見にしかずって言葉もある位だしな。

( ><)「それでは早速行くんです! 僕について来てほしいんです!」

そう言い、即座に廊下に出て行く和寒内先生。
クラスの皆はやや戸惑いながらも、後を追っていく。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:31:05.75 ID:zHpqXrYl0

  この学校の校舎の配置図を大雑把に文字で表すと、『三品』という感じだろう。
  西にある正門から入ると、まず『三』の部分に当たる、メインの三つの校舎がお出迎えする。

  一番北にある、一般教室や職員室などが入った、メインの校舎である新棟。
  中央にある、実験室や音楽室などの特殊教室や学食が入った校舎、通称:特技棟。
  南にあるのは、今はクラブや同好会の部室として使われる旧校舎、通称:クラブ棟。

  新棟の隣、『品』の上側の四角には、体育館がある。
  下側の二つの四角には、それぞれ武道館とプールがあり、
  『三品』の下、つまり南側にはグラウンドが広がっている感じだ。



( ^ω^)「……解り辛い説明だお」

('A`;)「そうか?AAで図を作れれば良かったんだがな……」

俺達は例の五人グループを組み、和寒内先生の後をついていった。
周りも似た様に、仲間同士で雑談をしながら歩いているみたいで、
和寒内先生もそれを黙認……というか、注意する事を諦めているみたいだ。

(´・ω・`)「まあ僕らの年頃に、私語を止めろと言っても聞かないだろうし……」

川 ゚ -゚)「重要な事だけ聞いて貰えば、それでいいと思っているんだろうな」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:34:06.02 ID:zHpqXrYl0

     *     *     *

( ><)「ここが特技棟一階にある学食なんです。すぐ横には購買があるんです。
      ちなみに食券製なので、利用する時は注意してほしいんです」

ミセ*゚ー゚)リノシ「はいはーい! やっぱり昼は混むの?」

( ><)「うん、相当混雑するんです。あと人気メニューは、すぐに売り切れるんです。
      食券機は朝8時から起動するので、朝の内に買うのがオススメなんです」

lw´‐ _‐ノv「ミセリの死か……」

(;*゚∀゚)「な、何を言ってるんだよ……?」


('A`)「日替わり定食にうどんにパスタ、丼にカレー……デザートまであるのか」

(* ^ω^)「ボクとしては、この特盛りパフェが気になるお!」

ξ;゚听)ξ「それよりメニューの中に闇鍋があるんだけど……」

(;´・ω・)「このフォアグラ丼、2000円もするのに買う人いるのかな?」

川 ゚ -゚)「流し素麺もあるが、一体どうやって客に出すんだ?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:37:06.12 ID:zHpqXrYl0
( ><)「ここは特技棟三階にある化学実験室なんです。
      第一から第三まであるので、移動の時は注意してほしいんです!」

从*゚∀从「……なあ、当然薬品を自由に持ち出していいんだよな?」

(; ><)「当然駄目なんです!! なんで大丈夫だと思っているかわかんないんです!」


('A`)「ところでさ、なんでこの棟は特技棟って名前なんだ?」

( ^ω^)「きっと皆の特技を伸ばしてほしい、そう思って命名されたんだお!」

ξ ゚听)ξ「なんか違う気がするわね……」

(´・ω・`)「特殊技術の略称じゃないかな?」

川 ゚ -゚)「ショボン、いきなり正解を言うと面白くないじゃないか。
     ここはもっとボケ倒してから――」


( ><)「ちなみに、ここの棟が特技棟と呼ばれるのには、理由があるんです!
      それは『皆の特技を伸ばしてほしい』という、学長の思いが込められているんです!」


( ^ω^)「おっおっ、当たったお! 大正解だお!!」

ξ;゚听)ξ川 ゚ -゚)「「「「…………」」」」('A`;)(・ω・`;)

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:40:11.37 ID:zHpqXrYl0
( ><)「ここは図書室なんです。本を借りたい時は学生証を使うんです。
      貸し出し期限は一週間で、五冊まで借りる事が出来るんです。
      ちなみに図書の寄贈も受け付けているんです。学食のクーポンが出るんです」


('A`;)「……だいぶジャンルに偏りがあるな。寄贈の影響か?」

ξ;゚听)ξ「あっちの棚、リアル鬼ごっこが40冊ぐらいあったんだけど……」

(* ^ω^)「おっ、小説版のJ○JOがあるお。初めて見たお」

川 ゚ -゚)「『サラリーマンなんか今すぐ辞めなさい』『一番いいのはサラリーマン』……これ同じ作者だよな?」

(´・ω・`)「『 X X 事件について』 ……表紙の文字が擦れてて読めないな。一文字目は鮫かな?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:43:03.21 ID:zHpqXrYl0
( ><)「体育館内にあるこの扉は、女子用の更衣室なんです。ちなみに男子更衣室は無いんです。
      勿論僕は入った事がないので、中がどうなっているかは、自分で確かめてほしいんです」

(,,゚Д゚)「なあ先生、じゃあ男子は体育の時にどこで着替えるんだ?」

( ><)「基本的には教室なんです。ただ、クラブの時は各部室で着替る人が多いんです」

マト#>д<)メ「……それって差別じゃないのか?」

(; ><)「ち、違うんです! 区別と言ってほしいんです」

マト#>д<)メ「うるさい! 詭弁をはくな、この詐欺師が!」


('A`;)「なんか些細な事で揉めているな……」

ξ;゚听)ξ「っていうか、部屋の一つ位で怒らなくてもね……」

( ^ω^)「さっき見たクラブ棟の部屋数は凄かったお!」

(´・ω・`)「外見から見ても、そこまで広くなさそうだしね。
     むしろわざわざここまで着替えに来る分、女子の方が大変なんじゃないの?」


(*゚ー゚)「フフ、男子は教室で着替えるのね……」

(;,,゚Д゚)「しぃ、よだれが出てるぞ……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:46:10.67 ID:zHpqXrYl0
( ><)「ここが体育館横の倉庫です。老朽化してるので、今月中に新しいのに変わる予定なんです。
      ただ今体育館の裏に新倉庫を建設中なんです」

/ ゚、。 /「あのー、でしたら案内の意味が無いのでは……」

(; ><)「…………も、もしかしたら急用で訪れる事になるかもしれないんです!」


('A`;)「急用ってどんな用事だよ……」

川 ゚ -゚)「ほら、恋文を渡したりとか、愛の告白とか……定番だろ?」

(;´・ω・)「いや……どちらかというとカツ上げとか、そっち関係じゃないかな」

(; ^ω^)「そんな事より、倉庫内に大量の着ぐるみがあるのはスルーかお?」

ξ;゚听)ξ「昔の国体マスコット、各球団にサッカーチーム。
      エアホッケーをする二人組が着そうなものまで……」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:49:12.18 ID:zHpqXrYl0
( ><)「ここが剣道や柔道、弓道などを行う武道館なんです」

ノパ听)「先生っ!! 授業では使うのかっ!!」

( ><)「い、一応剣道か柔道が必修になっているんd ――」

ノハ*゚ー゚)「ぃいよおぉっっしゃあああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」


ξ;゚听)ξ「何か凄く嬉しそうね、彼女……」

川 ゚ -゚)「おそらく、体を動かすのが好きなんだろう」

( ^ω^)「おっおっ、剣道が出来るなんて楽しみだお!」


く(゚A゚;)ゝ「ぎゃああっっ!! 耳がああっっ!」

(;´・ω・)「な、なんで三人とも平気そうな顔をしてるの……?」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:52:28.70 ID:zHpqXrYl0
( ><)「ここがプールとシャワー室なんです。
      プールは夏限定ですが、シャワーは年中使えるんです」

(*゚ー゚)「ねぇ、ここには男子更衣室が……?」

( ><)「勿論あるんです。……しかし何でそんな事を聞くんです?」


川 ゚ -゚)「なあ、あの子あからさまにガッカリした表情を浮かべたんだが……」

('A`;)「理由をあまり考えたくないな……」

( ^ω^)「良かったお! 水泳の時に教室で着替えなくてすむお!」

ξ;゚听)ξ「……まさか廊下を水着だけで歩くつもりだったの?」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:55:08.38 ID:zHpqXrYl0

     △     △     △

……と、こんな感じで、校内説明は終了。
一同はクラスへの道のりを歩いていた。

m9( ^Д^ )「あれwwwブーンじゃんwwww」

/ ,' 3「…………」

もうすぐ教室と言う時、隣のクラスの人たちと流れが合流する。
その中の一人が、こちらの方を指差しながら話しかけてきた。

( ^ω^)「……プギャー、人を指差すなお」

( ^Д^)「何だよwwwはいはい、指さなきゃいいんだろwwwww」

二人の態度から言って、どう見ても友人同士の会話には見えない。
……ブーンの知り合いという事は、多分ツンも知っている人だろうな。

('A`;)「なあツン。あいつは誰だ?」

ξ#゚−゚)ξ「プギャー。いつも人を馬鹿にしてくる嫌な奴よ」

m9( ^Д^)「しっかしツンはともかく、よくブーンが受かったなwwww
       あれかwww? 山吹色のお菓子って奴かwwwwww」

(#^ω^)「うるさいお! ブーンは実力で受かったんだお!!」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:57:43.16 ID:zHpqXrYl0
( ^Д^)「ああそうかよwwwwwwwww実力ですかwwwwww
     まあ後一週間で、化けの皮が剥がれるだろうがなwwwwww」

(#^ω^)「どういう事だお!」

m9( ^Д^ )9m「プギャーwwwまさか知らないのかwwwwwww
          来週明けに実力テストがあるんだぜwwwww赤点は補習付きのなwwwww」

(; ^ω^)「ええっ!」

('A`;)「なっ、何だと!?」

実力テストなんて話、限りなく初耳だ。
予定表では、来週は普通に授業だったはずだが……

m9( ^Д^ )9m「抜き打ちテストなんだよwwwwwww
         知らなかったお前らアワレだなwwwwwwww」

(; ^ω^)「な、なんでプギャーは知ってるんだお!?」

m9( ^Д^)「お前らに説明する理由ねーしwwwwww
       じゃあなお前らwwwww おい、行くぞ荒巻www」

/ ,' 3「…………」

荒巻と呼ばれた眠たそうな顔の男子学生を連れ、プギャーは隣の教室に入っていった。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:58:27.50 ID:zHpqXrYl0
('A`;)「なあ、実力テストって知っていたか?」

川 ゚ -゚)「いや、全然知らなかった」

(´・ω・`)「抜き打ちって言ってたしね……皆は成績的にどうなの?
     僕は平均位は取れる自信があるけど……」

('A`)「俺も概ねその位だな。……かなり前後はするが」

川 ゚ -゚)「社会科以外はトップクラスだ」

ξ ゚听)ξ「自分で言うのもなんだけど、上の下って所ね。
     それより、問題は――」

不安そうな表情を浮かべながら、ツンはブーンの方をチラリと見る。

(; ^ω^)「やっぱり僕かお……」

('A`)「なあ、中学の時の成績はどうだったんだ?」

ξ ゚听)ξ「いっつも赤点スレスレだったのよ。
     正直ここに行きたいって言った時、私は絶対無理だと思ったわ」

(; ^ω^) ボソボソ(だって、ツンがここに行きたいっていうから……)

ξ ゚ー゚)ξ「まあ受験前二ヶ月間のあんたは凄く頑張ってたみたいだし、
     あの頃を思い出して勉強すれば何とかなるでしょ」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 22:59:09.29 ID:zHpqXrYl0

俺達が教室に入った時、教室内は阿鼻叫喚の巷と化していた。


ノハ;゚听)「なあっ! 来週にテストがあるって本当なのかあぁぁっ!!?」

(; ´Д`)「嘘だと言ってほしいモナァァァッッ!!」

(; ><)「そ、その話はちょっと……」

和寒内先生を問い詰めるもの。


マト#>д<)メ「どうせ適当な事なんだろ!! この詐欺師が!!」

(;=゚ω゚)ノ「で、でも確かに話を聞いたんだょぅ……」

( ´ー`)「まあ抜き打ちだったらありえるんじゃネーカヨ?」

仲間内で揉めているもの。


(*゚ー゚)「ねえねえギコ君、抜き打ちテストがあるらしいよ」

(,,゚Д゚)「そうか。それより今日の夕方はどうする? しぃが良ければ……」

我関せずなもの。そして……
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:00:01.05 ID:zHpqXrYl0
(*゚∀゚)「なあ、話の出所ってお前達だろ!?」

(’e’)「廊下での話、聞いてたっすよ!」

( ´_ゝ`)「ソースkwskplz」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ私は明太子で」

やっぱり俺達に聞いてくるのな……
そういやプギャーが騒いでいた時、結構周りが注目していたな。

ミセ*゚ー゚)リ「ねえねえ、ちゃんと答えてよ!」从'ー';从「ふええ〜っ、テストって本当なの〜?」
「うわあ〜〜」(’e’;(⊂三<#ヽ`∀´>「ウリ達に説明する義務があるニダ!」lw´‐ _‐ノv「うん、今夜は鮟鱇鍋だな」
( ´_ゝ`)「他にも有益な情報があったら是非!」(;*゚∀゚)「ちょっ、押すなっ!」
\(^o^)/「テストがあるとかオワタ」マト#>д<)メ「お前らがこの騒動の元凶なんだな!!」    ( ∵)

(;´・ω・)「そ、そんな一度に話しかけられても……」

(; ^ω^)「ボ、ボク達に聞いてもしかたな――」

マト#>д<)メ「うるさい!! この詐欺師が!!」

('A`;)「さ、詐欺師……」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:03:01.32 ID:zHpqXrYl0
(; ´∀`)「そこの人達、とりあえずあるか無いかだけ教えてくれモナ!!」

ノハ;゚听)「頼むうううううぅぅぅっっっ!! 先生はケチだから教えてくれないんだああっっ!!」

(; ><)「ちょっ、教師にそんな口を聞いたら駄目なんです!」

ああっ、この人達までこちらに……

ミセ*゚ー゚)リ「ねえねえ、どうなのー」  (;*゚∀゚)「だからさっきから押してる奴……って頭撫でるな!!」
( ´_ゝ`)「あとクーさん、3サイズはおいくつ?」( ・∀・)「ふふっ、なかなか愉快な事になっているね」
从 ゚∀从「おいおいなんだ、この騒動は……」lw´‐ _‐ノv「いや、マカロニグラタンも捨てがたいな」
<#ヽ`Д´>「アイゴー! はっきりしるニダ!」从'ー';从「あれれ〜、私の財布が無いよ〜」
(; ><)「とりあえず皆静k ノハ;凵G)「結局テストはあるのかあああああぁぁぁぁっっっ!!?」  ( ∵)


この混沌とした中、俺は――


ξ  )ξ  プツン


大切な何かが切れる音を聞いてしまう。


( <●><●>)「……彼女が怒る事はわかってました」

次の瞬間、教室に打撃音と破砕音が響き渡った。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:06:03.53 ID:zHpqXrYl0

最初に響いた打撃音は、ツンが目の前の机を拳で殴った音。
次の破砕音だが……なんと殴られた天板が真っ二つに割れている。

先ほどまでの騒ぎが嘘の様に静まり返る教室。
煙を上げる拳を持ち上げながら、ツンは口を開いた。

ξ ゚听)ξ「テストは来週頭予定、ソースは噂程度。以上」

ツンが話し終えても、皆の表情は固まったままだ。
……ってか俺も思考が追いついてない。


( ><)「…………あっ、とりあえず席に戻ってほしいんです」

和寒内先生の声により、呆然としながらも各々の席につく生徒達。

从'ー';从「私の机〜」

机が破壊された悲惨な被害者を除いて、皆は恐ろしく静かに従った。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:09:07.51 ID:zHpqXrYl0

     ○     ○     ○

この後HRで役員決めってのがあったのだが、そこは省略。
時間が飛んで昼食タイム。俺達は五人で集まり、各自の弁当を突いている。

( ^ω^)「……委員長が渡辺さんになるとは思わなかったお」

(´・ω・`)「まあ誰も立候補せず、サイコロで決まったからね」

やはりというか、委員長などをやりたがる様な稀有な人間はいなかった。
……朝につーをプッシュしていたクーとシューが、何も発言しないのは意外だったがな。
結局ショボンが言ったように、担任が取り出したサイコロの結果、渡辺さんが選ばれる事となった。

('A`)「……しかし何であの先生はサイコロなんて持っていたんだ?」

川 ゚ -゚)「おそらく授業中でも似たような事をやっているんだろうな。
     完全にランダムだから、当てられるタイミングが予想できない。
     座席は六列なので振り直しも少ないだろうし、中々面白い発想だな」

(; ^ω^)「おっ、じゃあ授業中安心して寝られないのかお……」

ξ ゚听)ξ「授業を寝ようなんて思わないでしょ、普通。
     あんたみたいに成績が悪い人は特にね」

他にもいくつか役員があったのだが、五人の中で所属している奴はいなかった。
正直美化委員とかに当たらなくてよかったぜ……

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:12:12.22 ID:zHpqXrYl0
俺は素麺ちゃんぷるーを食べているクーを見て、ある事を思い出した。

('A`)「そういやクー、昨日駅前にいなかった? ほら、俺達と別れたあとにさ」

川 ゚ -゚)「……ああ、いたぞ。それがどうした?」

('A`;)「いや、凄い高級車に乗っている姿が見えたからさ。どうしたのかなーって……」

(; ^ω^)「えっ、そんな事があったのかお?」

川 ゚ -゚)「…………」

ヤバい、何かクーの眼差しが少し鋭くなった気がする。

ξ ゚听)ξ「ちょっとドクオ、あんまりズケズケと――」

川 ゚ -゚)「いや、別に構わない。昨日会ったのは親戚の叔父さんだ。
     かなりの道楽ものでな、是非ピチピチの女子高生に会いたかったそうだ」

ξ;゚听)ξ「……クー、その人大丈夫なの?」

川 ゚ -゚)「変人ではあるが、一応常識は弁えてるはずだ」

……そうなのか? まあ俺が心配した所で、どうにかなる訳じゃないしな。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:15:04.44 ID:zHpqXrYl0

ノパ听)「すまないっ! ちょっと話があるんだがっ!!」

そんな声が聞こえたのは、俺達が弁当をちょうど食べ終えた頃だった。

川 ゚ -゚)「ん、君は……トールだったかな?」

ノハ;゚听)「『母さん、僕のピアノ……』って、違うぞっ!!
      砂緒ヒートッ! ヒートだああぁぁぁっっ!!」

……もしかしてクーは、人の名前を覚えるのが苦手なのか?
それとどうでもいい事だが、ヒートは多分何かを勘違いしている。

(´・ω・`)「で、ヒートさんは何の用なの?」

ノパ听)σ「そこの巻き髪ッ!」

ξ ゚听)ξ「……私の事?」

ノパ听)「そうだっ! さっきやったアレ、教えてくれ!!
     ほら、あの机を割った時の奴だっ!!」

ξ ゚听)ξ「私にはツンって名前が……それにあれは偶然よ、偶然。
     机が古くなっていたんでしょ」

……まあ机が割れる原因なんて、その位しか考えられないな。
しかしヒートはやや怪訝な顔をし、質問を続ける。

ノパ听)「いや、違うっ!! 割るときに拳が輝いていただろっ、一瞬!
     それのやり方を教えてほしいんだっ!!」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:18:14.18 ID:zHpqXrYl0
…………はあっ? 拳が?

ξ;゚听)ξ「拳が光った? ヒートさんの見間違いか何かじゃないの?」

ノパ听)「いーや、アタシは見たぞっ! なんかこう、グワッてピンクに輝いたのが!!」

ξ;゚−゚)ξ「輝いた、ねえ……そんな事言われてもさっぱりだわ」

ノパ听)「…………まあいい、邪魔してすまなかった! じゃあなっ!!」

そう言うとヒートは、来た時と同じく、怒涛の勢いで去っていった。

('A`;)「ったく、何が言いたかったのやら……」

ξ ゚听)ξ「さあ……ってもうこんな時間じゃない!」

午後からは男女に分かれて、クラス対抗球技大会だ。
ちなみに男子は校庭でサッカー、女子は体育館でビーチバレー。

そして男子は更衣室が無い以上、教室で着替える必要があるので、
女子は素早く更衣室まで移動しなくてはならない事になっている。
……流石に女子の目の前で着替えるほどの勇気はないしな。

川 ゚ -゚)「ツン、更衣室へ移動するぞ」

ξ ゚听)ξ「じゃあね、みんな。あとブーン、あんまりはしゃいで危ない事しないでよ」

(; ^ω^)「おっおっ、分かってるお」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:21:20.46 ID:zHpqXrYl0

     ○     ○     ○

川 ゚ -゚)「準決勝までは行けたのだがな……」

( ^ω^)「おっおっ、こちとら一回戦で敗退だお」

放課後、俺達は駅までの道のりを共にする事となった。
俺とブーン達にはやや遠回りだが、些細な違いなので気にはならない。

男子の球技大会の結果は、ブーンが言うように一回戦で敗退。
女子の方は伊藤さんとヒートが頑張っていたらしく、かなりいい所までいけたそうだ。

ξ ゚听)ξ「交代制の隙を突かれたのが痛かったわ。二人に頼りすぎていたのも……」

(´・ω・`)「球技は一人の力で何とかなるものじゃないしね」

男子の方は、頼れるほど飛び抜けた才能の奴はいなかったしな……
まあ楽しんでやれたから、クラス親睦という本来の目的は果しているのだろう。

ξ ゚听)ξ「そういえばクー、明日のお昼も昨日行った所で取らない?」

川 ゚ -゚)「ああ、構わないぞ……そういえばお金払い損ねていたな。
     確か200円だったか?」

ξ ゚听)ξ「明日来るときに一緒に払って欲しいそうよ」

明日の料理は俺も楽しみだ。今度は何が食えるのかな?

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:24:05.51 ID:zHpqXrYl0
駅前でクーとショボンと別れ、俺達は朝の待ち合わせ場所まで来た。
ここで二人と俺とは、帰り道が分かれる事となる様だ。

('A`)「じゃあな、二人とも。ツン、ブーンを襲うんじゃないぞ」

ξ#゚听)ξ「何でよ! こんな奴のどこが!」

(; ^ω^)「ってか普通逆じゃないのかお……」

ツンからの顔面直撃コースのパンチを避けて、俺は家へと走り出す。

('∀`)「はははっ。また明日ー!」

ξ;゚听)ξ「あっ、待ちなさいよ!」

待てと言われて、待つ奴なんていない。
ツンの怒り声と誰かの悲鳴を背景に聞きながら、俺は家への道のりを急いだ。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:27:07.97 ID:zHpqXrYl0

     *     *     *

マル ゚∀゚ル「あー、かったりー……」

夕暮れ時の公園、一人の青年がベンチで愚痴をこぼしていた。

マル ゚∀゚ル「ったく、店長は嫌味しか言わねーしよー……
      あんな安い給料で働かされてる俺の身にもなってみろってんだ」

青年は辺りを見回し、誰も居ない事を確認すると、懐から手の平に納まるほどの何かを取り出した。
軽い音と共に開いた先から出たのは、銀色に光る刃。

マル ゚∀゚ル「へへっ、いざとなったらこいつで……」

「ん、そんなものでいいのかい?」

マル;゚∀゚ル「なっ、誰だ!」

いきなり後ろから聞こえてきた声に青年は振り向く。が、そこには生垣があるのみだ。
男とも女とも取れる中性的な声は、今度は青年の右側から聞こえてくる。

「人を一人刺した所で、あっという間に警察に捕まるのがオチさ」

右側を向く青年だが、やはり声の主の姿は見当たらない。
注意深く右を観察する青年の後方、つまり左側からまた声がする。

「 若い貴重な時間を刑務所で過ごし、犯罪者として後の人生を寂しく過ごす……
 まあ人生の選択肢の一つとしてはあるかもね。僕は嫌だけど」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:30:02.68 ID:zHpqXrYl0
マル#゚∀゚ル「誰だよてめーは! 姿を見せやがれ!」

注意深く辺りを見回すが、やはり自分以外に人はいない。
しかし前方を見た時、先ほどまでそこにいなかった者を見た。


     ( [E/▽)


奇妙な模様をした仮面で頭を覆い、黒いマントで全身を覆う人物。
ゆったりとしたマントにより、外見から中身を推測するのは難しいだろう。

マル;゚∀゚ル「な、何だよてめー!」

( [E/▽)「さあ、何なんだろうね。君には解るのかな?」

そう言うと目の前にいる仮面の人物は、肩を震わせてクスクスと笑う。
馬鹿にされた青年は、怒りのあまり手にしたナイフを振り上げた。

マル#゚∀゚ル「てっめえ! 刺し殺s――」

しかし青年の願いは、叶えられる事が無かった。
いきなり手から弾き飛ばされるナイフ。数メートル先の地面に落ち、くるくると地面の上で回った。
驚愕した青年は目の前の仮面を見るが、その人物が少しでも動いた形跡は無い。

マル;゚∀゚ル「な、何をしやがった!」

( [E/▽)「さあ? 君に理解出来るとは思えないけど?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:33:35.24 ID:zHpqXrYl0
再び馬鹿にされた男は、今度は自分の拳で殴りかかる。

マル#゚∀゚ル「うざいんだよ! てめーは!」

だが青年は、先ほどのナイフと同じ運命を辿る事となる。
何かに全身を弾き飛ばされ、後ろへと吹っ飛ぶ体。
生垣の上へと落下し、全身を小枝で引っ掻かれながら青年は思う。

『目の前の人物には、どう足掻いても勝てない』

痛みに耐えながら顔を上げると、仮面の人物が目の前まで来ている。
身構える青年だが、追撃の代わりに彼に与えられたのは、差し伸べられた手であった。

( [E/▽)「正当防衛って奴でね。怪我はさせてないはずだよ」

青年の手を取り、引き起こす仮面。その人物は、言葉を続ける。

( [E/▽)「勘違いしないで欲しいのは、僕は君の味方だって事だよ」

マル ゚∀゚ル「……味方?」

( [E/▽)「君には店長に恨みがあるんだろ? その捌け口、僕が作ってあげるよ。
       それを出来るだけの力を君に与えよう。ただし……」

仮面の人物が話した条件は、青年には全く理解が出来なかった。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:36:10.19 ID:zHpqXrYl0

     △     △     △

('A`)「ふうっ、ご馳走様でした」

J( 'ー`)し「お皿下げといてね」

晩飯を終え部屋に戻った俺は、ノート型のPCを立ち上げた。
親父のお古を貰った物で、俺は主にネット専用機として利用している。
始めてから軽く30分は経った頃だろうか、とあるページに俺の目は釘付けとなった。

('A`)「あれ、あの漫画完結してたんだ……」

一昔前に好きで買い集めていた漫画だが、かなり切りのいい所で無期休載となったものだ。
連載している雑誌自体読んでなかったので、復帰している事さえ全く知らなかった。

('A`;)「げ、コミックも先月出てるのかよ……」

かなりマイナーな部類に入るので、店頭で平積みされなかったんだろう。
無性に内容が気になる俺は、時計の時間を確認した後、外出の用意を始めた。

J( 'ー`)し「あらドクオ、どこかに行くの?」

('A`)「ちょっと駅前の本屋まで」

J( 'ー`)し「十時までには帰るのよ。最近物騒だから、気をつけてね」

……そういえば母親には、他のクラスの奴が倒れた話をしてなかったな。
意外と心配性の母の事だ、もし話していたら絶対に外出は出来なかっただろう。
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:39:09.95 ID:zHpqXrYl0
('A`)「うー、やっぱまだ夜は寒いな……」

目当ての駅前の本屋まで歩きながら、俺は夜の街並みを堪能する。
あまりこの時間に外出した事はないので、目に映る景色は新鮮だ。

('A`)「へー、この店って潰れてなかったんだ」

登校時に見かける、外見がボロボロな店。
日中とは打って変わり、色取り取りのネオンを瞬かせている。
登下校では見られない街の一面を見れるのは、なかなか面白いな。


昨日も行った駅前の本屋に行ったのだが、生憎目的の本は売切れていた。
しかしここまで来た以上、手ぶらで帰るわけにはいかない。
俺は地図を売っているコーナーまで行き、適当な市街地図を立ち読みする。

('A`) (うん、ここだな。えーっと、まずはこの通りを……)

近くにある別の本屋の場所を確認し、そこまでの道のりを脳へと叩き込む。
時刻は九時前、多分十時までは営業しているだろう。


果たしてその目論見通り、次に行った店はまだ開いていた。
目当てのコミックも発見し、とりあえず一安心って所だ。

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:42:12.50 ID:zHpqXrYl0
('∀`) (へへっ、無事ゲットだぜ!)

目的の本を小脇に抱えながら、家路へと急ぐ俺。
漫画の内容を思い出しながら、ぼんやりと歩いていたのがいけなかったのか。

('A`;)「あれ、ここどこ?」

気がつくと俺は、見覚えの無い通りを歩いていた。
見たことの無い住宅が立ち並び、外灯が道を照らしている。
人通りは全く無く、どこからか洩れてくる生活音のみが道に響いていた。

('A`;)「まいったなー……」

流石にどこかの家の人に尋ねるのは非常識だしな。
くそっ、こういう時には携帯が無い事が悔やまれる……
しばらく道を歩いていると、右前方に公園が見えた。

('A`)「これは……チャンスかな?」

もしかしたら電話ボックスがあるかも……そんな期待を抱いて公園へと歩く。
そしてその期待通り、公園の奥に電話ボックスがあったが、それ以上の物を見つけてしまった。

('A`)「これは……この一帯の地図」

ありがたい事に、端の方には通学時に通る道が書かれていた。
やや遠回りにはなるが、何とか家には帰れるだろう。
そう思いながら俺は転進し……嫌なものを見てしまった。

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:45:09.92 ID:zHpqXrYl0
マル ゚∀゚ル「ねえ、お前って一人なの?」

俺の後ろに、男が一人立っていた。大体年齢は二十歳前後だろうか?
体格はややガッチリ、背は高め。そして何より……かなりガラが悪そうだ。
これはどう見ても……カツ上げだな。

('A`;)「すいません! 金は千円ちょいしかないです!」

これは本当である。万が一の事を考えて、家に余分なお金は置いてきていた。
慌てて財布を取り出そうとする俺。だけど目の前の男は意外な事を言ってくる。

マル ゚∀゚ル「あー、俺そんなんじゃないから。財布出さなくていいよ。
        それよりお前一人なんだよね?」

('A`;)「あー、まあそうです……」

マル ゚∀゚ル「やっぱそっかー。どうしてこんな夜遅くにこんな所まで?」

('A`;)「道に迷って……あの、俺ん家って金無いですよ」

マル ゚∀゚ル「んな事知らねーよ。さっさと帰りな」

……何が言いたかったのだろうか、この男は?
まあお言葉に甘えて、早く立ち去る事にするか。


その時茂みの辺りから、何かが動く音がした。
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/18(火) 23:48:05.93 ID:zHpqXrYl0
('A`)「……ん? 今何か音g――」

マル ゚∀゚ル「猫か何かだろ。とっとと帰れよ」

男の後ろの生垣の向こう、草むらの中で何かが動く音がする。
音の大きさから言っても、絶対に猫や犬ではない。

('A`;)「いや、でもかなり大きい気が――」

マル ゚∀゚ル「気のせいだろ。早く帰れ」


今だ、ガサガサという音は鳴り続けている。


('A`;)「いや、もし熊とかだったら……」

マル;゚∀゚ル「……こんな都会にいるわけないだろ。さっさと立ち去れよな」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:00:11.68 ID:CUDpgf9V0

なぜこの男はこんなにも焦って、俺を帰らせたがるのか。
なぜこの男が穿いているジーンズは、やたら泥で汚れているのか。
なぜこの男の後ろの茂みから、人の押し殺した呻き声が聞こえてくるのか。



マル ∀ ル「…………ハハッ」


そもそも公園の遊具がバラバラになっているのに、どうして俺は気がつかなかったんだ?
公園の真ん中にある銅像が、腰の辺りで真っ二つになっているのがどうして見えなかった?



マル ∀ ル「あーあ、もしかして気がついちゃったか」



どうして俺は、男の帰れという言葉に気がつかなかったのだろう?
あれは『早く立ち去れば見逃してやる』というサインだったはずだ。
忠告にさっさと従っていれば、俺はこんな思いはしなかったのに。
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:03:09.19 ID:CUDpgf9V0
( A ;)「…………」

マル ゚∀゚ル「ほんとは店長一人殺れれば良かったんだがな……」

男の右前腕部から、まるで手品かの様に、広くて薄い刃物が生えてくる。
鮫の背びれの様な形をしたそれの長さは、身の丈半分はあった。
きっと人一人ぐらい、簡単に真っ二つに出来るだろう。

マル ゚∀゚ル「まー、運が無かったって事で――」

お前はカーズ様かと突っ込むほど、俺には余裕が無い。
昨日のブーンの件並みに衝撃的だが、大きな違いが一つある。
それは、俺自身が絶対絶命な事。正直逃げる余裕さえない。

マル ゚∀゚ル「来世では上手い事やれよな」

男が腕を振り上げた。月明かりが刀身に映って、怪しく輝く。
よく死ぬ前に走馬灯が流れるって聞くが、あれって嘘だったんだな。
現に俺の目の前には、でっかい刃物と狂った男しか見えてこない。



男が腕を振り下ろし――俺の視界は真っ赤に染まった。
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:06:02.11 ID:CUDpgf9V0
マル;゚∀゚ル「なっ、これは……」

俺の視界の前には、桜色に染まった光景がある。
……いや、よく見てみると、俺と男の間に半透明のピンクの壁があった。
男の腕から生えた刃物はその壁に遮られ、目の前で止まっている。


「凍てつく寒さの冬を耐え――」

俺の右側、電話ボックスがあった方から声が聞こえてくる。
透き通ったソプラノボイス、まだ若い少女の物だ。

「春の訪れを待ち侘びて――」

電話ボックスの上に、一人の少女がいた。
白と桜色を基調とした、ゴスロリ風の衣装に身を包んでいる。

「幾多の人へと舞い落ちる――」

鮮やかな金髪は左右でカールし、それが服装と相まって可愛さを醸し出していた。
よく見ると少女の肩には、アザラシを丸くしたような謎の生物が乗っかっている。
少女は持っていたステッキを突き出し、やや恥ずかしそうに叫んだ。


ξ ゚听)ξ「魔法少女、プラナス・チェリー参上! この世の悪を駆逐するわっ!」

./・ω・ ヽ「するぽ!」


何やってるんだよ、ツン…………

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:09:04.77 ID:CUDpgf9V0

ξ;゚听)ξ「あーっ、もう! 本当にこれって毎回言わなきゃいけないの!?」

+ ./・ω・ ヽ「こういう時のお約束だぽ!」

ξ ゚听)ξ「……まあ今はいいわ。とにかくそこの刃物男ッ! これ以上一般人に手は出させないわよ!」

威勢よく電話ボックスから飛び降りるツン、もといプラナス・チェリー。
目の前の男はツンの方を向き、不敵そうに笑った。

マル ゚∀゚ル「そうか、お前が例の女か……」

男は左腕を出し、力こぶを作るような動きをする。すると右腕と同じ様に、黒く輝く刃が生え出してきた。
右腕と比べると、若干短く、そして明らかに幅が太い刃。

マル ゚∀゚ル「いいぜ、まずはお前からだ!」

二刀流になった男は口元を歪め、地面を蹴った。
ほんの軽い動きだが、男の体は10mほどの高さまで飛び上がる。
たった一跳びで20mほどの距離を詰めた男。落下の勢いを利用し、ツンに右腕の刃を振り下ろす。

だがツンも黙って見ていた訳ではない。
桜の花弁をデザインした飾りが付いているステッキ。それを横向きに構え、叫ぶように言葉を放つ。

ξ ゚听)ξ「『桜重ね』!」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:12:01.96 ID:CUDpgf9V0
その言葉と同時。ツンと男の間に、半円形をした桜色の障壁が築かれる。
先ほど俺の前に現れたのと同じ半透明の壁に、男の刃がぶつかった。
両者の間に紫電が走り、甲高い音が辺りへと響く。

男は相当力を入れているはずだが、防壁には傷一つつかない。
ツンが余裕そうな表情を浮かべ、杖の構えを変えようと――

マル ゚∀゚ル「甘いぜっ!」

ξ;゚听)ξ「なっ……!」

男の左腕の刃が輝きを増し、障壁へと軽く横薙ぎに振るわれる。
たったそれだけで横一文字のひび割れが入り、バリアは粉々に砕け散った。
男が再び右腕を振るう前に、ツンはサイドステップで距離を取る。

./・ω・ ヽ「……どうやら男の左腕には、対魔力因子が組み込まれてるぽ」

ξ#゚听)ξ「そんなの見たら解るわよ!」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:14:03.12 ID:CUDpgf9V0
ツンはステッキを縦に構え直し、言葉を放つ。

ξ ゚听)ξ「『桜玉』ッ!」

その言葉と同時、ステッキの頭の飾りに、ピンク色の光球が灯る。
光球は輝きと大きさを増し、バレーボールほどになった所で、ツンがステッキを振り被った。
スイングの勢いで光球は男へと飛んでいき、ぶつかると同時に爆発を起こす。

マル;゚∀゚ル「ぐっ!」

しかし男の方も、ただやられた訳では無いようだ。
両腕の刃で防いだらしく、右腕の刃がボロボロになっている。

マル ゚∀゚ル「へへっ、中々やるじゃねー……っなぁ!?」

ξ ゚听)ξ「『乱れ桜』ッ!」

ツンの周囲の空中に十数個ほどの結晶が生み出され、男に向けかなりの速度で迫っていく。
一つ一つが人の頭ほどもあるそれらを、男はかわしたりガードしたr――って!

('A`;)「うおっ!」

男の避けた結晶の一つが、俺の方へと跳んできた。
ギリギリ避ける事が出来たが、正直危なかったぜ……

./・ω・ ヽ「ツn……じゃなくてプラナス・チェリー、民間人を巻き込む所だったぽ」

ξ;゚听)ξ「うっ、今度から気をつけるわ……あと名前言ったら潰すから」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:17:02.73 ID:CUDpgf9V0
ツンが俺の方を見て、声をかけてくる。

ξ ゚听)ξ「そこの人! もうちょっと下がっ……て…………」

ツンの言葉の勢いに反比例して、顔の赤みが増していく。

ξ;゚−゚)ξ「…………ど、どくお……?」

もしかしてというか、やっぱりというか……気がついてなかったな、俺の事。


マル ゚∀゚ル「隙だらけだなっ! 貰った!」

呆然としているツンに向け、チャンスだと見たのか男が迫る。

./・ω・ ヽ「「ツン!」」('A`;)

俺と謎生物の言葉に気がついたツンは、ステッキで男の攻撃を弾く。
再び距離を置きながら、ツンは流れるように言葉を紡ぐ。

ξ;゚听)ξ「『桜雨』ッ!」

男に向けたステッキの先から、桜色の光がシャワーの様に拡散する。
その攻撃をもろに受けた男は、まるで熱湯を浴びたかの様に怯んだ。

マル;゚∀゚ル「ぐおおっ! てっめぇ!」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:20:06.95 ID:CUDpgf9V0

     *     *     *

立ち直った男の顔には、明らかに怒りの色が浮かんでいる。

マル#゚∀゚ル「もう許さねぇ! 殺してやる!」

ξ ゚听)ξ「やれるもんならやってみなさいよ!」

マル ゚∀゚ル「いいぜっ! その言葉、後悔させてやるよ!」

突如男の刃に縦への切れ込みが入り、細い刃が幾重にも並ぶ様な形状へと変わる。
男はボクサーのフェイスガードの様なポーズを取り、ツンの方へと刃の先を向けた。

マル ゚∀゚ル「死ねっ!」

男が腕に力を込めた瞬間、腕の刃全てがツンに向かって飛び出していく。
しかしツンはそれを予期していたのか、余裕そうな表情で呪文を唱える。

ξ ゚听)ξ「『桜重ね』!」

ツンの前に再び現れる防壁。刃は防壁に刺さりはするが、そこで勢いを殺されてしまう。
全ての攻撃を受け止めた防壁は、受け止めた刃と共に崩れ去った。

ξ ゚听)ξ「ふん、この程度で――」

./・ω・;ヽ「前だぽ!」

ツンの目には、再び右腕から刃を生やした男と、その刃を喉に突きつけられたドクオの姿があった。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:23:07.32 ID:CUDpgf9V0

     △     △     △

('A`;)「えーっと……」

マル ゚∀゚ル「はははっ。本当に運が無かったなー、お前はよ!」

俺は男に羽交い絞めにされていて、喉元には触っただけで切れそうな刃物があって……
うん、どう見ても人質です。本当にありがとうございました。

ξ;゚听)ξ「そ、その人を放しなさい!」

マル ゚∀゚ル「絶対嫌だね。しかもてめーの顔見知りっぽいじゃないか。
        とことんまで利用させてもらうっきゃないだろ!」

./・ω・;ヽ「何が目的だぽ!?」

マル ゚∀゚ル「そうだなー、まずはその物騒なステッキを置いてもらおうか。
        ゆっくりとだぜ。もし変な動きを見せた場合――」

ξ;゚听)ξ「……分かったわ。だからその人に手出しはしないで」

('A`;)「…………」

もし俺が漫画とかに出てくる人物だったら、次の俺の台詞は――

('A`#)『俺に構わず、こいつをやっつけろ!』 ……って感じだろう。

しかしこれは現実、残機は常にゼロ。リセットしたらやり直しが聞かないクソゲーだ。
……目の前で起きている一連の流れは、かなり非現実的だがな。

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:26:05.53 ID:CUDpgf9V0
ツンがステッキを地面に置く光景を、俺はただ見る事しか出来なかった。
頭の上まで両手を上げ、ツンは淡々と話す。

ξ ゚听)ξ「……次は何? 服を脱げとでもいうつもり?」

マル ゚∀゚ル「はっ、ガキの体なんかに興味はねーよ。
        ただお前をギッタギタにしろって言われていてな……」

ξ ゚听)ξ「……誰に?」

マル ゚∀゚ル「お前に話す義理はないね。 ……今の内に両腕に別れを言っとけよ」

こいつ、まさかツンの両腕を斬り落とすつもりなのか!?
くそっ、俺にも何か力があれば…………駄目だっ、中二の頃の黒歴史が……
そんな俺の葛藤の合間に、男はツンの前まで俺を引き連れながら移動する。

マル ゚∀゚ル「最後に何か言いたい事はあるか?」

ξ ゚听)ξ「……じゃあ三つほど、いい?」

マル ゚∀゚ル「中々多いな。手短に済ませてくれよ」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:29:01.17 ID:CUDpgf9V0
ξ ゚听)ξ「まずはあなたへ。あなたはその人に従っているつもりかもしれないけど、
     ただ都合のいいように利用されているだけよ」

マル ゚∀゚ル「へっ、上等だよ。俺はもう、いい思いをさせてもらってるしな」

ξ ゚听)ξ「……じゃあ次、ドクオ。私の事は、絶対誰にも話さないで。
     勿論クーやショボン、ブーンにも。 ……そうすれば、皆の中で生きたままでいられるから」

('A`;)「ツン、それって……」

悲しそうに話すツンを見て、俺は一つの考えに思い当たる。
もしかしてツンは、自分から命を絶つつもりではないのか!?

ξ ゚听)ξ「約束して。絶対よ」

('A`;)「ツン、それは駄目だ! まだ――」

マル ゚∀゚ル「はいはーい、そのくらいにしといて」

俺の体を押さえる手に力が入り、言葉が遮られる。
ツンは俺から目を逸らし、男の目を睨みつけた。

ξ ゚听)ξ「じゃあ最後の一言――」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:32:00.97 ID:CUDpgf9V0


「『舞桜』」


ツンがそう呟いた次の瞬間だ。ツンの体が赤く染まり、目の前から消え去る。
俺の右側を赤い突風が走り抜け、男の腕から生えていた刃がへし折られた。
強い衝撃で男が後ろへと吹き飛ばされ、俺は煽りをくらい地面に倒れ込んだ。


仰向けに倒れこんだ俺は、ピンク色の濁流で打ち上げられる男の姿を見る。
男がかなり高い所まで上がったのを見届けた少し後、離れた地面から強い落下音が聞こえてきた。



俺が顔を起こした時、目の前にいたのは――


   ξ ゚ー゚)ξ


全身から桜の花弁を舞い散らせ、こちらへと手を差し伸べるツンの姿だった。
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:45:23.71 ID:CUDpgf9V0

     ○     ○     ○

まるで桜を散らしているかの様な淡い光の粒が、ツンの体から湧き出している。
それは段々と薄まっていき、やがて発光は完全に収まった。

ξ ゚听)ξ「大丈夫? 怪我は無い?」

('A`)「ああ、大丈夫だが……」

ξ ゚听)ξ「ちょっと待っててね」

ツンは俺を助け起こした後、茂みの中へと向かっていった。
そこにいたのは、猿轡をされ縛られている、絶賛気絶中の中年過ぎの男。
多分最初に俺が聞いた音は、このオッサンが発生源だろう。

ξ ゚听)ξ「うん、この人も大丈夫そうね」

./・ω・ ヽ「危なかったぽ。殺される前に来れてよかったぽ」

('A`;)「あ、あのs――」

ξ ゚听)ξ「ドクオ、この人をそこのベンチに寝かせてあげてくれない?」

……まあツンの指示に従っておくか。
俺がオッサンをベンチの上まで引き摺り上げてる間に、
ツンは地面でのびている刃物男の元へ行き、呪文を呟いた。

ξ ゚听)ξ「『桜染め』」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:48:13.31 ID:CUDpgf9V0
ツンの一言により、刃物男の上に文様の入った光の輪が描かれる。
輪の中からは桜の花弁の様な光が降り注ぎ、男の体は段々とその光で埋もれていく。

ξ ゚听)ξ「……ふうっ、これでよしっと」

('A`)「ツン、少しいいか?」

ξ  )ξ「…………分かってるわよ、ドクオの言いたい事は。
       何でいい年してこんな事をしてるかでしょ?」

('A`;)「ちょっ、自虐的になるなよ! 別にそんな事思ってないし!」

やっぱ恥ずかしかったんだな……
ツンはオッサンが寝ているベンチとは別の物につき、俺にも座るように促す。

ξ ゚听)ξ「……まあいい、理由を話すわね。あれは半月ほど前の事だったわ――」

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 00:51:11.42 ID:CUDpgf9V0

     □     □     □

ξ ゚ー゚)ξ (ったく、ブーンったら……)

確かあれはブーンの家に遊びに行った帰りだったわ。
時間は大体夕暮れ時だったかしらね……

ξ*゚听)ξ「(『ボクはツンの作ったハンバーグが一番好きだお!』って……
      また暇を見て作りに行こうかしら)…………あれ?」

ふと道端をみると、メロンぐらいの大きさの毛玉が落ちてたのよ。
純白でふわふわ、最初は捨てられたぬいぐるみだと思ったわ。

ξ*゚ー゚)ξ (……まだ綺麗そうだし、こっそり持って帰ろうかしら)

触ってみると予想通りのモフモフ感。
まだ寒かった時期だから、ほんのりとした温かさが最高だったわね。
……あまりに気持ち良かったから、つい抱き締めてみたのよ。

『痛い、痛いぽ!』

ξ;゚听)ξ「ん、どこから声が?」

辺りを見たけど、近くには誰もいない。
おかしいなーと思って、手元の毛玉を見ると……

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:00:09.27 ID:CUDpgf9V0
 _,,..,,,,_
./・ω・#ヽ 「抱き締めるにも限度ってものがあるぽ!」
l      l
`'ー---‐´


ξ;゚听)ξ「か…………」

./・ω・ ヽ「ん、蚊がどうしたぽ?」

ξ*゚ー゚)ξ「可愛いぃぃぃぃっっ!!」

./・ω・;ヽ「だ、だから力が強いp……」


     △     △     △

ξ ゚听)ξ「こうして出会ったのが、こいつ」

./・ω・ ヽ「『ぽ』だぽ。よろしくぽ」

('A`;)「確かに可愛い気もするが……」

とりあえずブーン、お前は幸せ者だな。

ξ ゚听)ξ「私は動かなくなったぽを家まで連れて帰ったわ」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:03:04.07 ID:CUDpgf9V0

     □     □     □

ξ;゚听)ξ「魔法少女?」

./・ω・ ヽ「そうだぽ。ツンには才能があるぽ」

ぽを洗面所で洗っていると、急にそんな事を言い出してきたのよ。

ξ ゚听)ξ「またまたー。私はそんなので喜ぶ歳じゃないわよ。
     大体そんな非現実的な事がある訳ないじゃない」

./‐ω‐;ヽ「……ぽの存在自体、非現実的だとは思わないかぽ」

ξ;゚听)ξ「……そういえばそうね。あまりの可愛さで忘れていたけど」

./・ω・ ヽ「実際に、ぽの姿が見えた事自体が証拠だぽ。
      ぽは魔力を持つ者にしか見えなくなってるぽ」


     △     △     △

('A`;)「……まてよ、じゃあなんで俺には見えるんだ?」

./・ω・ ヽ「それは、魔力の結界の中にいるからだぽ」

ξ ゚听)ξ「さっきから公園内で音や叫び声がしたけど、誰も見に来ないでしょ?
     中の戦闘と外とをなるべく干渉させないため、毎回こうやって結界を準備するのよ」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:06:13.53 ID:CUDpgf9V0

     □     □     □

ξ ゚听)ξ「で、なんで今の時代に魔法少女なの?
     そもそも戦う相手がいるって訳?」

./・ω・ ヽ「……それは、ぽの生まれた原因から話す必要があるぽ。
      ぽは元々、はるか昔に生まれたぽ」

ξ ゚听)ξ「……2000年前ぐらい?」

./・ω・ ヽ「いや、もっと昔だぽ。その昔、『超科学』というものがあったぽ」

ξ ゚听)ξ「……なにそれ?」

./・ω・ ヽ「今の科学とは全く違う、人間に隠された能力などを使った技術だぽ。
      水を操ったり、空間から物を出したり、空を飛んだりとか……何でもありだぽ」

ξ ゚听)ξ「へー、夢の様な話ね」

./・ω・ ヽ「まあその技術は、結局はぽも含めて封印される事になるぽ……
      とにかく、その中に『新たな生物を生み出す』というのがあったぽ」

ξ ゚听)ξ「じゃあそれで作られたのが……」

./・ω・ ヽ「そうだぽ。ぽは元は愛玩動物として作られたらしいぽ」

ξ*゚听)ξ「そう……だからこんなに可愛いのね」

./・ω・;ヽ「だから体を揉む力が強いぽ!」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:09:04.56 ID:CUDpgf9V0
ξ ゚听)ξ「で、なんで封印されたあんたが蘇ってるのよ」

./・ω・ ヽ「それは大体三百年前、ツン達のいう江戸時代に遡るぽ。
      超科学は、世界中の幾つかの場所に分けられて封印されたんだぽ。
      その中の一つ、ぽのいる遺跡の封印を解いた物がいたぽ」

ξ ゚听)ξ「ふんふん、それでそれで?」

./・ω・ ヽ「その人物は、その遺跡にあった物を、全て一つの蔵にいれたぽ。
      ……それからまた年月が流れるぽ」

ξ ゚听)ξ「……おかしいわね。なんでぽが連れてこられたのよ。
     たしかあんたは魔力が無いと見えないんでしょ?」

./・ω・ ヽ「言い忘れてたぽ。ぽには省魔力モードがあるんだぽ。
      その形態の場合、誰にでも見えるんだぽ」

ξ;゚听)ξ (……何か家電みたいね)

./・ω・ ヽ「まあともかく、話は半月前になるぽ」

ξ ゚听)ξ「……いきなり最近の話題になったわね」

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:12:26.82 ID:CUDpgf9V0
./・ω・ ヽ「ぽが久しぶりに目を覚ました時、蔵の中が明るくなってたぽ。
      そして恐ろしい話、『古代神』を蘇らせるという計画を聞いてしまったぽ」

ξ ゚听)ξ「『古代神』って……?」

./・ω・ ヽ「新生物を作る過程で偶然発見された、恐ろしい怪物だぽ。
      超科学で武装された大都市を壊滅させるほどの力を持つぽ。
      ……超科学が封印された原因の一つはそいつにあるぽ」

ξ;゚听)ξ「そんなものを復活させるなんて……正気の沙汰じゃないわね」

./・ω・ ヽ「全くだぽ。ぽはその話を聞いて、とりあえず逃げ出したぽ」

ξ ゚听)ξ「……まああんたが何か出来そうには見えないしね」

./・ω・ ヽ「後は魔力が偶然高い人物に拾われる事を願ってたぽ。
      そしたら今日、急に抱き締めてくる女の子がいたぽ」

ξ ゚听)ξ「……それが私って訳か」

./・ω・ ヽ「正直最初は小学生かと思ったぽ。
      だって背が低いし、胸g―― ぎゃあっ! 目がぁっ! 目があぁぁっぽ!」

ξ#゚ー゚)ξ「あーら、ごめんね。シャンプーが目に入っちゃったかしら?」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:15:01.96 ID:CUDpgf9V0
./‐ω‐;ヽ「大佐の気分がよく分かったぽ……」

ξ;゚听)ξ (何でこいつはラピュタを知ってるの……?)

./・ω・ ヽ「まあともかく、ツンに拾われて正解だったぽ。
      古代でも、ここまでの魔力を持った人は中々いないぽ」

ξ;゚听)ξ「……その事が一番ピンとこないのよね」

./・ω・ ヽ「……そうだぽ。じゃあ証明するかぽ?」

ξ ゚听)ξ「何をどうするの?」

./・ω・ ヽ「ぽの体と、ツンの頭を合わせるぽ。とりあえず、やって見るぽ」

ξ ゚听)ξ「頭って……こう?」

私はぽを額に当てたのよ。そしたら……

ξ;‐凵])ξ「な、何これ……」

脳内に映像というか……とにかく膨大な量の情報が流れ込んできたの。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:18:11.35 ID:CUDpgf9V0

はるか高くから地上へと降り注ぐ、光の柱。

ゴミの様に無造作に詰まれた、人骨の山。

空高くに浮かぶ、神話に出てきそうな宮殿。

洞窟の闇の中で蠢く、異形の生物の群れ。


燃え盛る古代都市と、信じられないほど巨大な怪物。


そして――――



ξ ;凵G)ξ「………………」

./・ω・;ヽ「ツン、大丈夫かぽ!?」

ξつ凵G)ξ「あれ、なんで涙が……」

./・ω・ ヽ「ちょっと落ち着くぽ」

ほら、何かとても嫌な夢を見たけど、内容が思い出せない時ってあるじゃない?
あの時の私は、まさしくそんな感じだった……それもとびっきりの悪夢ね。
……結局落ち着くまで、五分くらいはかかったわね。

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:21:18.20 ID:CUDpgf9V0

./・ω・;ヽ「ごめんぽ。ツンの魔力が予想以上に強すぎたので、
      必要以上の力を注ぎ込んでしまったみたいだぽ」

ξ ゚听)ξ「……別にいいわ。それよりさっきのあれ、何だったの?」

./・ω・ ヽ「超科学の時代の、人類の記録だぽ」

ξ ゚听)ξ「…………悲しい歴史だったのね」

./・ω・ ヽ「……確かにそうかもしれないぽ」

ξ ゚听)ξ「………………」


……私がこんな事をやろうと決意したのは、これが原因だったわね。
あんな事が再び今の時代に起きるなんて……絶対に嫌だから。

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:24:03.03 ID:CUDpgf9V0

./・ω・ ヽ「……ツン、もう一度だけ目を閉じてほしいぽ。
      さっきの様な事は起きないから、大丈夫だぽ」

ξ ‐凵])ξ「ん、分かったわ……」

./・ω・ ヽ「何か見えてこないかぽ?」

ξ ‐凵])ξ「…………桜の木?」

./・ω・ ヽ「よしぽ。じゃあそれをイメージしながら、右手に力を込めるぽ」

私はさっき頭に浮かんだ光景を思いながら、右手を握りしめたの。
そしたら――

ξ ゚听)ξ「……えっ?」

手の平から桜色の光がたくさん溢れ出して、部屋の中がピンク色に染まったのよ。
……まるで舞い落ちる桜の花弁の中にいるみたいだったわ。
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:27:25.13 ID:CUDpgf9V0

     △     △     △

ξ ゚听)ξ「で、後は色々あって、こうしてこんな事をやってるって訳」

('A`;)「それは何ていうか……お疲れ様だな」

とりあえず、色々省略された事はよく分かった。
まあこれだけは聞いておかないとな……

('A`)「でだ。その怪物を蘇らせようとしている奴らって、心当たりがあるのか?」

ξ ゚听)ξ「それが……さっぱりなの」

('A`)「尋問とかしなかったのか? ほら、そこに倒れてる男とかさ……」

俺は既に体の半分以上が埋もれている、刃物男の方を指差す。

ξ ゚听)ξ「ああ、その男は何の関係も無いはずだわ」

./・ω・ ヽ「人が自我を叶えた時、あるエネルギーが発生するぽ。
      古代神を蘇らせようとしている組織は、それを集めてるぽ」

ξ ゚听)ξ「で、悩みを抱えている一般人を見つけてはそれに付け込み、力を渡すわけ。
     ……正直私自身もまだ組織の人とは会った事がないの」

自分の願いを叶えた時に出るエネルギー……そんな物があるのか。
かなり眉唾に聞こえるんだが、まあ非常識に立ち会うのは昨日から慣れてるし……
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:41:16.40 ID:CUDpgf9V0
俺とツンはそのまま、刃物男が桜の花弁に埋もれていく様を、無言で眺める。
やがて刃物男の姿が完全に埋め尽くされた頃、ツンはベンチから立ち上がった。
隣のベンチで寝ているオッサンの頭に杖を当て、呪文を唱える。

ξ ゚听)ξ「『桜染め』」

先ほど刃物男に唱えたものと同じだが、効果は全く違った。
杖の先にほのかな光が灯り、オッサンの中へと吸い込まれていく。

ξ ゚听)ξ「よし、これで完了!」

('A`)「なあツン、その魔法って何なんだ?」

ξ ゚听)ξ「数日分の記憶消去と、体内に組み込まれた余分な魔力除去よ。
     あと、一応回復効果もあるわね」

./・ω・ ヽ「外見上無傷でも、ぽ達が来る前に何をされてるか解らないぽ。
      念には念をいれとくべきだぽ」

ξ ゚听)ξ「……本当はドクオにもやらなきゃいけないんだけどね。
     でもこの数日間の記憶を忘れたくはないでしょ?」

ツンやブーン、ショボンやクーにその他大勢と知り合ったのは、たった昨日の話だ。
それを忘れるなんて、当然誰だって嫌だろう。

ξ ゚听)ξ「だからこれは友人としての特別。 ……でもあの言葉は忘れないでね」

……あの言葉って何だ?
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:53:10.98 ID:CUDpgf9V0
ξ ゚听)ξ「ほら、言ったでしょ。あの三つの言葉の時に……」


『 ……じゃあ次、ドクオ。私の事は、絶対誰にも話さないで。
 勿論クーやショボン、ブーンにも。 ……そうすれば、皆の中で生きたままでいられるから』


そういえばそんな事を言ってた様な……って、もしや…………

('A`;)「なあツン、『皆の中で生きたまま』の主語って……」

ξ ゚听)ξ「そんなの決まってるでしょ? ドクオの思うとおりの人物よ」

ツンはステッキを俺の方に向け、笑顔を作りながら言葉を続ける。

ξ ^ー^)ξ「生きていたいのなら、誰にも話さないでね☆」

どう見ても笑顔だが、身にまとったオーラは全然違った。
正直な話、銃を持ったヤクザの方がまだ可愛い。


ξ ゚听)ξ「……まあともかく、これからもよろしくね」

./・ω・ ヽ「よろしくだぽ!」

('A`)「……ああ、こちらこそな」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:55:38.88 ID:CUDpgf9V0

     ○     ○     ○

家に帰った時には10時なんてとっくに回っていて、母から大目玉を食う事になった。
もう少し帰るのが遅くなった場合、警察を呼ぶ事も考えていたとか。
こんなに心配されるのは確かにありがたいんだろうが…………

わざわざ買いに行ったコミックも、いつの間にか無くしてしまってたようだ。
あのドタバタ騒ぎで落としちゃったんだろうな。というかそれ以外考えられない。
ツンと別れた時には、頭の中に全く無かったし……


そんな踏んだり蹴ったりな事になった夜は明け、翌日の朝。

( ^ω^)「おいすー、ドクオ。また朝から冴えない顔だお」

('A`)「よおブーン、今朝は遅刻しなかったんだな。後一言余計だ」

ξ ゚听)ξ「……おはよう。じゃあ行きましょっか」

多分少しでも昨日の事でからかった場合、致命傷を負うんだろうな……
試してみたい気もするが、命は一つしかない。
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:58:00.84 ID:CUDpgf9V0

学校に着いた俺は、教室内にいたショボンにこっそりと話しかけた。

('A`)「なあショボン、人には言えないような凄い秘密とか無いよな?
    実は宇宙人だったとか、未来人とか……」

(´・ω・`)「……何かの作品に感銘を受けるのはいい事かもしれないね。
     でも少しは現実を見た方がいいんじゃないかな?」

……まあ普通はそんなものだよな。
同じ質問を後から来たクーにもしたのだが――

川 ゚ -゚)「人には言えない秘密ぐらい、誰にでもあるだろ」

('A`;)「いやさ。例えばの話、超能力が使えるとか……みたいな」

川 ゚ -゚)「…………すまない、ドクオ。私に精神科の知り合いはいないのでな。
     どこかいい病院を紹介出来ればいいのだが……」

と、かなり真面目な顔で返されてしまった。
まあそんな非日常な話、そうそうあって堪るものかって事だ。
この二日間で、俺の中にある日常の株は大暴落してるがな…………


魔法少女な彼女は今、空を飛べる男に対して何か文句を言っている。
かなりお似合いなカップルかもな、こうして考えると……
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/19(水) 01:59:35.13 ID:CUDpgf9V0

     :÷:     :÷:     :÷:


太り気味の少年にパンチを入れている金髪の少女、津出ツン。
……彼女は間違いなく、計画を邪魔してくる『プラナス・チェリー』だろう。
まさか同じクラスだとは…………これはやはり、運命という奴なのか?


まあいい。昨日の男からは、ある程度のエネルギーを確保できた。
まだ少ししか溜まってないが、半年もあれば必要な量が手に入るだろう。
後はあれが見つかるかだが……時間的には、十分間に合うはずだ。何の問題もない。



……プラナス・チェリー。もし戦場で会った場合、覚悟をしておく事だな。



     【次回へ続く】

142 名前:【次回予告】:2009/08/19(水) 02:01:10.63 ID:CUDpgf9V0

('A`)「次の話は……」


  春、それは始まりの季節。色々と新たな出来事が起こるものだ。
  この高校に入った俺にも、その事は例外ではない。
  高校というフィールド、人との繋がり、様々なイベント……

  _
( ゚∀゚)「どうでもいい話だが、アポロって意外と美味いよな?」

('A`;)「本当にどうでもいいな!」


  次回:『塊オンザロック』
  君は刻の涙を見る……

  _
( ゚∀゚)「次回は総集編らしいな」

('A`;)「短編集な。三話目に総集編やってどうするんだよ……」
144 名前:以下、本編にかわりまして後書きをお送りします:2009/08/19(水) 02:16:27.65 ID:CUDpgf9V0

……今回の後書きは自分の言葉で。
別に眠いからネタが思いつかないとかじゃ(ry


次回の投下予定は8月終日辺りを予定しています。
……ここ数日で自分の周りの環境が激変して、平日でもネットOKになりました。


まとめて頂いた両サイト様、あらためてありがとうございます。
あと文丸さん、もし差し支えなければ、『次回予告までが本編だ!』という事でお願いします。


それでは深夜までサル退治にお付き合い頂き、ありがとうございました!
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