(*゚ー゚)土曜日は七色のようです
314 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 13:49:03.38 ID:omsOCz270

<日曜日 午後は曇りで>

日曜日。
昼下がり。
ベッドの上。

(*゚ー゚)「あー」

意味のない言葉をだらだらと流す。

(*゚ー゚)「早く明日にならないかなー」

高校生とは思えない変態的発言。
だけどちゃんと理由もあります。

(*゚ー゚)「早く会いたいなー」

早く早くと口にする。
会った所でうまく喋れないのに。

(*゚ー゚)「あー」

316 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 13:51:31.24 ID:omsOCz270
これがどんな状況かと言うとアレだ。
恋と云うやつでしょうか。

枕を抱くなんて可愛いことはできなくて。
頭にのっけてバランスをとってみても落ち着かなくて。

そんな風にして今か今かと携帯をチラチラと見る。
今日も今日とて、鳴るのを待っていた。

(;*゚ー゚)「わっ」

本当に携帯が鳴り少し驚くけれども。
待てと言われ続けた犬のようにそれに飛びつく。

(* ー )

今日も今日とてメルマガでした。
こんな日曜日はいりません。

御退席願います。


日曜日の空はグレー。

317 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 13:54:13.03 ID:omsOCz270


   (*゚ー゚)土曜日は七色のようです




318 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 13:56:26.40 ID:omsOCz270

<月曜日 あなたの隣は満席で>

月曜日。
朝8時。
自宅玄関前。

この時間にここにいればあの人がやってくる。

制服が汚れていないか。
髪は乱れていないか。
スカートが捲れていないか。

心配事は多々あるが、彼を見た時が一番心配で。

そんなこんなで待ち人来る。
彼と、もう1人。



319 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 13:59:49.73 ID:omsOCz270

( ^ω^)「おお!しぃちゃん。おいすー」

ξ゚听)ξ「おっはよー」

(*゚ー゚)「内藤先輩、ツン先輩、おはよーございます」

顔は赤くなっていないだろうか。
声は裏返っていなかっただろうか。

爽やかに挨拶をしてくる2人の後を追う。

決して待ち合わせをしているわけではなくて。
私はいつも偶然を装って待ち構えている。

少しでも彼に近づきたくて。

歩道は狭い。
並んで歩くのは二人が限界。



320 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:02:21.23 ID:omsOCz270

( ^ω^)「だおだお」

ξ゚听)ξ「でしょー」

2人の背中はいつも並んでいて。
私なんかに入る余地は無くて。

(*゚ー゚)「・・・いい天気」

それでも離れたくないから着いて行く。
そんな私が呟く一言に、2人は笑顔で反応してくれた。

ξ゚听)ξ「暖かくなってきたよね」

( ^ω^)「夏服も近いお!」

だから一度も二人を恨めない。
恨む必要などどこにも、ない。

323 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:05:02.05 ID:omsOCz270

ξ゚听)ξ「ん?どうかしたの?」

気持ちが顔に出ていたのだろうか。
先輩が私を気遣う声が聞こえた。

(*゚ー゚)「いえ、なんでもないです」

彼女は「そう」、と微笑みまた前を向く。
そんな彼女だから彼の隣にいられるのだろう。

(*゚ー゚)(本当に、いい天気)

三人が歩く道は細い。
見上げる空はどこまでも広い。


月曜日の朝は妙に蒼い。



324 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:08:30.00 ID:omsOCz270

<火曜日 部活に勤しむあなたのそばで>

火曜日。
放課後。
美術室。

美術部の私は、美術室へと足を運ぶ。

絵が特別好きというわけでもなくて。
絵をすごく上手に描けるわけでもなくて。
絵の知識が凄いというわけでもない。

そんな私がここに入部した理由はとっても不純。
それでも構わないと思えるほどの衝撃だった。

(*゚ー゚)「コンニチワー」

('、`*川「おつかれさまでーす」

从'ー'从「でーす」



325 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:12:13.49 ID:omsOCz270

入室すれば、後輩2人の明るい挨拶。

( ・∀・)「はろー」

少し遅れて同級生の国際的な挨拶。
もちろん彼は日本人。

(*゚ー゚)「・・・」

そんでもって、一番聞きたい声はやってこない。

( *^ω^)

カンバスに向き合い、微笑みながら世界を造る。
その間はほとんどの声が無視される。

別にマゾとかそういうわけではないけれど。
返事が返ってこないのが嬉しかったりするわけで。

(*゚ー゚)「やりますかー」

出来るだけ、彼の近くに席をとる。



326 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:14:41.04 ID:omsOCz270

暫くたつと、「お疲れ様でした」という声が聞こえ始める。
それぞれが帰宅の時間を迎えていた。

微妙に広い美術室。
その中に残るのは先輩と私。

( *^ω^)「おー」

彼が一息つくころには、終了するに十分な時間。

(*゚ー゚)「お疲れ様です」

(;^ω^)「あれ?しぃちゃんだけ?」

(*゚ー゚)「先輩、時間」

(;^ω^)「またかお・・・」


そんなこんなで帰り支度。

328 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:17:38.79 ID:omsOCz270

体験入部で色んな部活をまわった。
どの先輩も優しく部活の説明をしてくれた。

そんな中、私は美術室に足を踏み入れた。
何と、部員数は一人。

見てみるだけ見ようと思っていた私は驚いた。


誰が見に来ても、カンバスとしか向き合わない。
と言うよりも気づいていないような。
その人は本当に楽しそうに筆を走らせる。

そんな姿が、説明をしてくれた人たちよりも優しく見えた。
頬を拭い、絵の具を付けても気にしない彼が、すごく気になった。



329 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:20:37.03 ID:omsOCz270

帰り道。
私は何故だか恥ずかしくて、先輩の少し後ろを歩く。

( ^ω^)「なんで後ろ歩くんだおー」

(*゚ー゚)「だって、先輩と並ぶと窮屈です」

(  ω )「おーん・・・」

(;*゚ー゚)「冗談ですよ」

( ^ω^)「おお!」

(*゚ー゚)「あ、先輩」

( ^ω^)「?」

(*゚ー゚)「ほっぺたに絵の具付いてますよ」

夕暮れ時は少し寒い。
それでも蛙たちは静かに演奏を始める。


火曜日の頬は少し紅い。
331 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:24:28.42 ID:omsOCz270

<水曜日 夜は夢を見る時間>

水曜日。
夜の9時。
窓際。

(* ー )「・・・あっつい」

少し広めの窓台に突っ伏す。
時たま吹く、ひんやりとした風が心地いい。

(* ー )「今日はほとんど話せなかったなー」

人形の一つもない殺風景な部屋。
前に友人を入れたとき、少し笑われたのを覚えている。

(* ー )「どうしろっていうのさー」

よくよく考えれば先輩には恋人がいる。
気が利いて、すっごく美人で、髪を揺らせて振り返るのがとっても似合う人。



332 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:27:14.19 ID:omsOCz270

(* ー )「一年間諦められないとかねー」

言葉は網戸越しに、暗闇の中へと吸い込まれてゆく。
それと入れ替わるように風が入る。

(* ー )「・・・はぁ」

何度も諦めようと思って。
家を早く出たり、遅く出たり。

でも、もう体に染みついているのか美術室に足を運んで。
あの笑顔を見たら結局元通り。

(* ー )「ズル、卑怯、ちーと」

先輩は顔が良い訳でもないし。
頭は・・・どうなんどろう。
良さそうには見えない。

体型だって太り気味。
運動は走るのだけは早いと聞いた。


333 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:30:08.04 ID:omsOCz270

(* ー )「絵が上手」

とっても綺麗な色づかい。

(* ー )「いつもニコニコ」

愛嬌がある・・・かな。

(* ー )「正直いい所がほとんど見つからない・・・」

ならなぜでしょうね。
こんなにも落ち着かないのは。

すぐ横に置いていた携帯が光り、振動する。

(* ー )「だれよう」

面倒臭い。
なんて思いつつもスライドさせて、送り主を見る。

341 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:49:12.48 ID:omsOCz270

From:内藤先輩

(;*゚ー゚)「なんとっ!」

突っ伏すのをやめる。
しゃんとする姿は、面接を受ける者のようだろう。

(*゚ー゚)「うへへー」

にやつきながらメールを開く。
最早不審者レベルだ。


本文:ごめん!明日部活休むおー


(* ー )「業務連絡・・・。しかも一斉送信・・・」

こうして夜は更けてゆく。
冷え込むので風邪に注意。


水曜日の夜は黒く沈む。
345 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:53:35.69 ID:omsOCz270

<木曜日 実は隣は空席で>

木曜日。
いつもの時間。
自宅玄関前。

(*゚ー゚)「もうそろそろかな」

自宅から少し先は坂になっている。
先輩2人は、そこを毎朝昇って来ていた。

「あー、あっついおー」

「我慢しなさいよ」

(*゚ー゚)「きたきた。・・・でもやっぱり」

2人か。
そう繋げようとしてやめた。

言った所で何もならない。
こう言うのは思うだけにしておきたい。
348 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:57:17.11 ID:omsOCz270

ξ゚听)ξ「おっはよ」

( ^ω^)「ぱっぴー☆」

(*゚ー゚)「おはようございまーす。・・・ぱ?」

ツン先輩はため息をつき、気にしないでと短く区切る。
内藤先輩はそれでちょっとショックを受けていた。

そして相変わらず二人の背を見ながら登校する。
時折ツンさんが振り返っては話を振ってくれていた。

その優しさがちょっと苦しい。

ξ゚听)ξ「あー。ギコに何買おうかなー」

( ^ω^)「今月誕生日だおねー。小規模パーティーするお」

ξ゚听)ξ「いいわね」

途中から始まった二人の会話に全く付いていけなかった。
ああ、日差しが厳しいなぁ。



349 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 14:59:34.87 ID:omsOCz270

(*゚ー゚)「お友達ですか?」

必死に着いて行こうとした私は馬鹿みたいな質問をしていた。

ξ゚听)ξ「ブーンにとってはそうなるわね」

(*゚ー゚)「?・・・ツンさんにとってはどうなんです?」

( ^ω^)「彼氏だお!!」

ξ゚听)ξ「声のボリューム落としなさいよ・・・」

そっかぁ。
彼氏さんか―。

ツン先輩は内藤先輩と付き合ってて、そのうえギコって人とも――――。

・・・彼氏?

(;*゚Д゚)「はぁ!?」

ξ;゚听)ξ「え?な、何?どうしたの?」

( ^ω^)「ツンみたいなのに恋人がいるのがそんなにも可笑しいと。まったくその通――――」

351 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:03:10.85 ID:omsOCz270

(;*゚ー゚)「だって・・・ツン先輩は内藤先輩と・・・」

ξ゚听)ξ「いや、通り道にこいつの家あるのよ。こいつギコとも仲いいし」

(見せられないよ)「・・・」

(*゚ー゚)「そう・・・だったんですか」

少し泣きそうになる。
それと同時にたくさんの恥ずかしさがこみ上げてきた。

優しさが辛いとか。
変に嫉妬したりとか。

まだ、チャンスがあるんじゃないかとか――――。

ξ゚听)ξ「しぃちゃんはいないの?」

(;*゚ー゚)「い、いませんよ」
  _, 
ξ;゚Д゚)ξ「え?嘘よ!!男どもは何やってんの!!」

今度はツン先輩が驚いている。
何が起きたのだろうか。



352 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:07:37.38 ID:omsOCz270

(*゚ー゚)「え?」

ξ゚听)ξ「気になる人とかは?」

その言葉とともに、倒れている人物を見下ろす。
何という情けない姿だろうか。

ξ;゚听)ξ「え?ちょ・・・コレ?」

(;*゚ー゚)「ツン先輩!声が大きいですよ」ヒソヒソ

ξ;゚听)ξ「え?マジで?コレなの?」ヒソヒソ

(;*゚ー゚)「これですよ!というかコレとか言わないで下さいよ!」ヒソヒソ

(見せられないよ)「お・・・・」

ξ;゚听)ξ ハッ!

(見せられないよ)「おおおおおおおおおおおおおお!!!??」ゴリ

(;*゚ー゚)「あ・・・・」

ξ゚听)ξ「・・・行きましょう。私たちの学校へ」

354 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:10:16.22 ID:omsOCz270

校門前。
歩き中。

ξ゚听)ξ「意外ねー。彼氏がいないのもそうだし、アレとかねー」

(*゚ー゚)「アレって・・・。でも、そっかー。よかったー」

ξ゚听)ξ「勘違いしてたんだ」

(*゚ー゚)「はい」

ξ゚听)ξ「あいつも恋人いないわよ」

(*゚ー゚)「そっか・・・」

にやける私の背中を、先輩が軽く叩いた。
先輩の方を向くと頭をぐしゃぐしゃと撫でられる。

(;*゚ー゚)「先輩?」

ξ゚听)ξ「大丈夫よ、しぃちゃん」



355 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:13:29.38 ID:omsOCz270

ξ゚听)ξ「あいつは馬鹿で、どうしようもないけど、凄く良い奴よ」

「あなたなら知ってるわね」と付け足す。
その時の微笑みが、今迄で一番綺麗に見えた。

ξ゚听)ξ「あなた達が一緒になったら、今よりずっと楽しいわ」

そう言って、何故だか誇らしげに笑っていた。
ちょっと変わってるけど、本当に素敵な人。

少しすると、内藤先輩が歩いてきた。

( ´ω`)「ああ・・・ツンが天使に見えるお」

ξ゚听)ξ「あら、いつもでしょう?」

ツン先輩はこちらを向いて声をかける。
大丈夫よ、と。

チャイムが鳴り響く。
三人は血相を変えて走り出した。
その点に関しては全然大丈夫じゃない。


木曜日は様々なモノを白くした。

356 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:17:01.90 ID:omsOCz270

<金曜日 すぐにでも近づきたくて>

金曜日。
放課後。
2人だけの美術室。

皆が帰ってしまい、残るのはいつもの2人。

( ^ω^)「おっおー」

(*゚ー゚)「お疲れ様です、今日はいつもより早いですね」

( ^ω^)「そうだおね。帰るかお?」

(*゚ー゚)「はい」

2人で並んで歩く帰り道。
相手に心臓の音が聞こえていないか不安になる。



357 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:21:03.78 ID:omsOCz270

(*゚ー゚)「先輩」

( ^ω^)「どしたお?」

(*゚ー゚)「もし先輩のことが好きな人がいたらどうします?」

( ^ω^)「そんなチャレンジャーいないお」

先輩は声を出して笑う。
本当にそう思っているのだろう。

(*゚ー゚)「い た ら、どうするんです?」

先輩の反応に少しムッとして言い返す。
それに少し驚いたようで、渋々と答え出した。

( ^ω^)「とりあえず眼科に連れていくお」

(*゚ー゚)「・・・それ本気で言ってます?」

( ^ω^)「いえーす」

(*゚ー゚)「じゃあ、眼に異常が無かったらどうするんです?」

( ^ω^)「カウンセリング?的な・・・。心が病んでるのかもしれないお!」

(*゚ー゚)イラッ

359 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:24:00.78 ID:omsOCz270

(*゚ー゚)「それでも異常が無かったら?」

( ^ω^)「小一時間問い詰めるお」

あまりにも爽やかに答えるものだから。
それに釣られたのかどうなのか。

バケツをひっくり返したかのように声が出ていた。

(*゚ー゚)「私、先輩の見た目をカッコいいとは思えません」

(;^ω^)アウ

(*゚ー゚)「だから眼に異常はないです」

(;^ω^)「え・・?」

(*゚ー゚)「先輩は私が病んでるように見えますか?」

( ^ω^)「見えるわけないお!!」

(*゚ー゚)「ならカウンセリングは必要ないですね」

( ^ω^)「・・・しぃちゃん」



360 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:26:21.60 ID:omsOCz270

(*゚ー゚)「だけど・・・」

( ^ω^)「・・・」

(*゚ー゚)「ほっぺたに絵の具を付けて笑ってる先輩が好きです」

(*゚ー゚)「周りのことが見えなくなるぐらい頑張る先輩も」

(*゚ー゚)「つい口を滑らせるところも、空気が読めないところも」

( ^ω^)(褒められてるの?けなされてるの?)

(*゚ー゚)「・・・明日は部活がお休みです」

( ^ω^)「だお」

(*゚ー゚)「だから小一時間お話しましょう。どこかの喫茶店で」

( ^ω^)「・・・しぃちゃん」

(*゚ー゚)「なんです?」

( ^ω^)「一時間じゃ足りないかも・・・二時間でも、三時間でも全然だお」

(*^ー^)「大丈夫です、時間はまだまだたくさんありますし」

( *^ω^)「・・・お」

金曜日は黄色く咲く。
362 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:29:09.38 ID:omsOCz270

<土曜日 二人が傘を並べるには狭くて>

土曜日。
午前10時。
自宅玄関前。

雨の中傘を差して一人を待つ。
見えてくる人影は、相変わらずの笑顔。

( ^ω^)「おいすー」

(*゚ー゚)「おはようございます、じゃあ行きましょうか」

2人は並んで傘を差す。
道は少しずつ狭くなる。

傘を差さなければ並んで通れても、差していては通れない。
そんな時、内藤先輩は私に傘を閉じるように指示を出す。

364 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:31:10.57 ID:omsOCz270

一つの傘に入るは2人。
並んで歩くは狭い道。

あんなに憧れていた隣に今自分がいる。
恥ずかしくも嬉しい時間。

しかし、あっという間に雨が止む。
お天道様は先輩以上に空気が読めない。

(*゚ー゚)「・・・はぁ」

( ^ω^)「おっおっ、残念」

大して残念じゃなさそうに笑ってみせる。
本当に悔しい。

そこから少し歩いて喫茶店に向かう。
雲は割れて、日が差してゆく。

372 :(*゚ー゚)土曜日は七色のようです:2009/05/10(日) 15:48:32.06 ID:omsOCz270

テーブルの上の煙が踊る。
いざ話すとなると、何も話が浮かんでこない。

(;*゚ー゚)「・・・は、はやく問い詰めてくださいよ!」

(;^ω^)「え・・いや、その・・・」

油を差していないブリキの人形のような。
空気が上手く流れない。

そんな中、二人で窓の外を見る。

(*゚ー゚)「「あ」」(^ω^ )

空に掛かる七色の橋。
つい2人はそれに見惚れてしまって。
気づいたら話をしたくてたまらなくなって。

(*゚ー゚)「「あ、あのっ!」」(^ω^ )

これからのことについて話してみよう。
きっと、大丈夫。

――――土曜日の昼、窓からは虹色が見える。


(*゚ー゚)土曜日は七色のようです END
377 : ◆1opJeO9WQk :2009/05/10(日) 15:51:49.14 ID:omsOCz270
あとがき

本当にごめんなさい
さるばっかりでごめんなさい
面白くもないのに時間をとってしまってごめんなさい

支援してくださった皆さん、本当に感謝です
何とか最後まで投下出来ました

励みになりました


それではここで退散します
祭りがさらに賑わうよう、陰ながら応援させていただきます

それでは失礼します
ヨバレテさん
ありがとうございました
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