それぞれの母の日、のようです
- 469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:38:58.04 ID:EXPiFuAQ0
-
あらまき幼稚園、えーえー組───
('、`*川「よーし皆 上手にかけたかな?」
「「「「「かけましたー!!」」」」」
('、`*川「じゃあ、今度の日曜日に、お母さんに見せてあげること わかったかな?」
「「「「「はーい!!!」」」」」
('、`*川「うんうん」
あらまき幼稚園の各教室から、元気な声が聞こえてきます。
母の日を目の前に、園児達が母親の似顔絵を描き、プレゼントをするイベントのようです。
精一杯クレヨンを走らせた渾身の作品を手に持ち、早く渡したくてたまらないと言った様子。
そんな園児達の顔を見て、保育士ペニサス伊藤の表情もとても嬉しそうです
彼女が担当するのは年長クラス、『えーえー組』。
さて、このクラスの園児達がどのように母の日を迎えたのか、追いかけてみましょう。
- 470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:43:32.49 ID:EXPiFuAQ0
-
【デレちゃん】
ζ(゚ー゚*ζ「ママーっ!」
ξ゚听)ξ「んー? なぁに?」
ζ(゚ー゚*ζ「こっちむいて!」
ξ゚听)ξ「はぁい ちょっとまってね」
洗い物をしている手を止めて、ツンはデレの方を向きました。
ξ゚ー゚)ξ「どうしたのかしら?」
ζ(゚ー゚*ζ「あのねぇ……」
■ヽζ(゚ー゚*ζ「これー!」
ξ )ξガカーン!!
- 471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:45:57.62 ID:EXPiFuAQ0
-
ツンに電流走る。
ξ゚听)ξ
ξ )ξ「こ、これは……?」
ζ(゚ー゚*ζ「きょーは、ははのひでしょ? だから、ママをかいたの!」
ξ )ξ「カッ……!」
ζ(゚ー゚*ζ「えっとね」
ζ(゚ー゚*ζ「ママ」
ζ(^ー^*ζ「いつもありがとうございます!」ペコリ
ξ )ξ「カッ……」
ξ*゚听)ξ「かあああああああああああああああいいいいいいいいいいいいいい!!!」
- 474 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:48:01.10 ID:EXPiFuAQ0
-
ζ(゚ー゚;ζ「わ」
ξ*゚听)ξ「デレちゃん! あなたはなんて良い子なのおおおおおお!!」
ξ*゚听))゚ー゚;ζ スリスリスリスリスリスリスリ……
ξ*゚听))゚ー゚;ζ「ま、ママ…くるしぃ……」
キャーデレチャーン!!
( ^ω^)「朝起きたら妻と娘が一体化していた」
ξ*゚听))゚ー゚;ζ「パパー! たすけてー!」
( ^ω^)「おー……ツン、ドリルでデレに穴が開かないうちにやめろお」
ξ*゚听))゚ー゚;ζ スリスリスリスリスリスリスリスリ……
( ^ω^)「だめだこりゃ」
- 475 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:50:30.64 ID:EXPiFuAQ0
-
( ^ω^)「おっ? その絵はなんだお?」
ξ*゚听))゚ー゚;ζ「ま、ママをかいたのっ」
( ^ω^)「あぁ 今日は母の日だったおね」
( ^ω^)っ■「どれどれ」
( ^ω^)
( ゚ω゚)
( ゚ω゚)
スリスリスリスリスリ
ξ*゚听))゚ー゚;ζ「?」
スリスリスリスリスリ
( ゚ω゚)「て、天才じゃないかお……」
- 476 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:52:52.44 ID:EXPiFuAQ0
-
( ゚ω゚)「デレーーーー!!」
ξ*゚听))゚ー゚;ζ「きゃああああああああああ!!!」
ξ*゚听))゚ー゚;((^ω^ *) スリスリスリスリスリスリスリスリ
キャアアア!!
「こんな絵を描けるなんて……うちの子は天才だお!」
「デレちゃん可愛すぎるわ! 将来はきっとアイドルね!」
ワーワーペチャクチャ……
ζ(゚ー゚;ζ「く、くるしいよぉ……」
どうやらデレちゃんの両親は、かなりの親バカのようです。
この後、デレちゃんが解放されるのは数時間後のことでした……
- 477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:55:57.07 ID:EXPiFuAQ0
-
【兄者くん・弟者くん】
(* ´_ゝ`)「ふふふ……おとじゃよ!」
(´<_` )「なんだあにじゃ」
(* ´_ゝ`)っ■「みろ! このははじゃの絵を!」
(* ´_ゝ`)「これをみたははじゃは感動し、おこづかいアップまちがいなしだ!」
(´<_`;)「そんな下心があるのか……」
( ´_ゝ`)「ははは! よわたりじょうずがかつとアニメで言ってたのだ!」
(´<_` )「さすがだな あにじゃ」
(* ´_ゝ`)「ということで、ははじゃに見せに行くぞ!」
(´<_` )「おれも描いたからな 一緒に見せに行こう」
トコトコトコ……
- 478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:56:35.93 ID:tFsK9oDyO
- 良いバカ親だwww
しえん
- 479 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/10(日) 23:58:41.04 ID:EXPiFuAQ0
-
@#_、_@
( ノ`)「どうしたんだいあんたたち」
(* ´_ゝ`)「ふふふ……ははじゃよ! これをみてくれ!」
(* ´_ゝ`)っ■
@#_、_@
( ノ`)「なんだいこれ? アニメのロボットかい?」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)「いや、え?」
(´<_` )(あーあ……)
@#_、_@
( ノ`)「で、これがどうしたんだい?」
(´<_` )「ははじゃー」
■ヽ(´<_` )「ははじゃをかいたんだ みてくれー」
- 480 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:01:12.57 ID:TKiv7X8xO
- なんという機動戦士母者
- 481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:01:14.01 ID:FOKvXRyP0
-
@#_、_@
( ノ`)「おお、上手にかけてるじゃないか」
(´<_` )「今日は母の日らしいから、かんしゃのきもちだ!」
@#_、_@
( ノ`)「あれま ありがとうね!」
( ´_ゝ`)
( ´_ゝ`)
(;´_ゝ`)「お、おれもははじゃをかいたんだぞ!」
@#_、_@
( ノ`)「……」
@#_、_@
( ノ`)「これが私かい?」
(* ´_ゝ`)「そうだぞ! そうだぞ!」
- 483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:04:09.39 ID:FOKvXRyP0
-
@#_、_@
( ノ`)「ん、あぁ、ありがとうね よく描けてるじゃないか」
(* ´_ゝ`)「そうだろ! そうだろ! ははじゃをしっかり思い出してかいたぞ!」
@#_、_@
( ノ`)(なんでこんなに角ばってるねん……なんでギガドリルついてるねん……)
(* ´_ゝ`)「ということでははじゃ!」
(* ´_ゝ`)「お小遣いくれ!」
@#_、_@
( ノ`)
(* ´_ゝ`)
(´<_` )(あーあー……)
@#_、_@
( ノ`)「アンタ……そうかいそうかい そんな下心があったのかい」
(* ´_ゝ`)「あれ?」
- 484 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:05:43.95 ID:MEvvkYUlO
- 兄者オワタ
- 485 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:06:38.77 ID:FOKvXRyP0
-
「いやちょ、ちょっとまははじゃあっ……ああああああああああああぁぁぁぁぁ……」
(´<_`;)「だまっておけばよかったのに……」
やれやれ、純粋にお礼として渡しておけばよかったのに……
兄者くんは、母の日がトラウマになってしまったようです。
それでも母者はやはり嬉しかったのか、二人の絵を額に入れ大事に飾ります。
それを見る度に、兄者はまた震え出してしまうのですが、それはそれ、ご愛敬ということで。
さてさて、次の家族へ行きましょう。
- 486 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:09:49.96 ID:FOKvXRyP0
-
【モララーくん】
( ・∀・)「かあさん」
从 ゚∀从「うん?」
( ・∀・)っ■「はいこれ」
从 ゚∀从「おっ なんだなんだ」
( ・∀・)「今日は母の日だから、感謝の気持ち」
从*゚∀从「おぉー上手じゃないか!」
( ・∀・)「母さん、いつもありがとう」
从 ゚∀从「……あぁ、モララーも、ありがとうな」
ガチャ……
( ゚д゚ )「ただいま」
从 ゚∀从「おかえりー」
- 487 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:12:05.32 ID:FOKvXRyP0
-
( ・∀・)「……おかえり」
从 ゚∀从「ご飯、すぐ温める」
( ゚д゚ )「あぁ、頼む」
( ゚д゚ )「ん…なんだそれ」
从 ゚∀从「ああ、モララーからの母の日のプレゼントさ」
( ゚д゚ )「ほう……上手くかけてるじゃないか」
( ・∀・)「……そんなことないよ」
( ゚д゚ )「モララー……」
( ゚д゚ )「ふむ」
( ゚д゚ )「明日、皆でどっかいくか?」
从;゚∀从「えっ? 仕事は?」
- 489 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:14:48.27 ID:FOKvXRyP0
-
( ゚д゚ )「今日休日出勤して、粗方片付いたからな」
( ゚д゚ )「有休だ有休」
( ゚д゚ )「どうだ? モララー、三人で遊園地でも」
( ・∀・)「……ほんと?」
( ゚д゚ )「あぁ、父さんも、母さんに感謝の気持ちをプレゼントしなくちゃな」
从 ゚∀从(とか言って、モララーと遊んでやれてない事気にしてんだろ)
(;゚д゚ )(おい! 黙っとけ!)
( ・∀・)「……」
(* ・∀・)「……いきたい」
( ゚д゚ )「そうかそうか! よーし、それなら今から準備だ!」
从 ゚∀从「よかったな、モララー」
(* ・∀・)「うん!」
- 490 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:17:01.35 ID:FOKvXRyP0
-
( ゚д゚ )「たくさんお弁当を作ってもらおうか!」
从 ゚∀从「おいおい、いきなりこき使ってるじゃんか」
(;゚д゚ )「む……そうだな……よし、じゃあ母さんの為に、一緒に作るか!」
( ・∀・)「うんっ!」
───────………
お母さんへのプレゼントが、家族皆を幸せにしてくれたようです。
お仕事が忙しくてお父さんと遊べなかったモララーくん、大喜びですね。
それでは、次の家族はどうでしょうか?
- 493 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:19:53.97 ID:FOKvXRyP0
-
【ヒートちゃん】
ノハ*゚听)「おかーさんっ!」
川 ゚ -゚)「どうした?」
ノハ*゚听)っ■「これをみて!」
川 ゚ -゚)「ほう……」
lw´‐ _‐ノv「だー」
川 ゚ -゚)「む よしよし」
lw´‐ _‐ノv「だー」
川 ゚ -゚)「お腹空いたのか? ヒート、ちょっと待ってな」
ノハ;゚听)「うぅ……はぁい」
ヒートちゃんはお姉さん。クーお母さんは生まれて数か月のシューちゃんにつきっきりです。
ヒートちゃんはどんな時でも後回しにされてしまうので、それがお気に召さないようです。
- 494 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:22:32.96 ID:FOKvXRyP0
-
ノパ听)「……はぁーあ……」
ノパ听)「おかーさん……」
居間に一人座り、自分で描いた絵を見つめ、溜息を一つ。
甘えたいざかりのヒートちゃんには、辛い時間です。
そこへやっと、クーお母さんがやってきました。
川 ゚ -゚)「ごめんな、ヒート なんだった?」
ノパ听)「あっ……あの、これ……」
ノパ听)っ■
川 ゚ -゚)「ん……これは?」
ノハ*゚听)「きょ、今日は母の日っていうの? だからその、お母さんに」
川 ゚ -゚)「……」
ノハ;゚听)「ぅ……あの……」
- 495 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:24:36.33 ID:FOKvXRyP0
-
川 ゚ -゚)「ヒート」
クーお母さんは手を伸ばし、ヒートちゃんを抱き寄せました。
川 ゚ -゚)「ありがとう、ありがとうな」
ノハ*゚听)「ぇ……う、うん……えへへ」
久しぶりに感じたお母さんの温もりに、ヒートちゃんは恥ずかしがりながらも、嬉しそうです。
川 ゚ -゚)「なぁ、ヒート」
ノハ*゚听)「う、うん」
川 ゚ -゚)「お母さん、ヒートの事も大好きだからな」
ノハ*゚听)「……」
ノハ*゚听)「うんっ!」
- 497 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:28:10.68 ID:FOKvXRyP0
-
その日から、ヒートちゃんはシューちゃんの面倒をよく見るようになったそうです。
クーお母さんも、ヒートちゃんの不満には気付いていたのですね。
でもシューちゃんはまだ赤ちゃんですから、どうしてもそちらに向いてしまいます。
クーお母さんも、悩んでいたのでしょう。
絵のプレゼントは、もっと大切な物もプレゼントしてくれたようです。
……おや?
子供たち以外にも、母の日に何かがあった人がいるようです。
- 498 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:31:24.03 ID:FOKvXRyP0
-
【どこかのオフィス】
(* ^ω^)「いやー……もう娘が可愛くて可愛くて」
('A`)「あー、親冥利につきるよなー」
( ^ω^)「ドクオも早く結婚して、子供作ればいいんだお」
('A`)「けっ 相手がいねぇんだよ!」
( ^ω^)「嫁はいるのに……」
('A`)「パソコンの中にな」
そう、俺の嫁はパソコンの中にいる。
ブーンの会話に挫けずついていけるのは、まさしくその嫁のおかげだ。
しっかしこいつ、新婚当初からずっとラブラブしやがって……
う、うらやましくなんかないんだからねっ!
そんなこんなで、またつまらない仕事を終わらせ、帰路につく。
- 500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:34:05.21 ID:FOKvXRyP0
-
('A`)「母の日……か……」
薄暗くなった街を歩きながら、ぽつり呟いた。
そういえば、カーチャンに母の日の贈り物をしたのは何年前だったか……
('A`)「もう……過ぎちまったしなぁ……」
それでも……
……
……あげない、よりは……
気がつけば、俺は閉店間際の花屋に着いていた。
('A`)「あの……」
*(‘‘)*「いらっしゃいませー」
('A`)「カーネーションって……まだあります?」
*(‘‘)*「あ、はい」
- 501 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:36:29.14 ID:FOKvXRyP0
-
*(‘‘)*「ちょっと遅めですけど、母の日ですか?」
('A`)「えぇまぁ、思い出しまして」
*(‘‘)*「お母さん、喜ばれると思います」
('A`)「どもです えっと……十本くらいで……」
*(‘‘)*「わかりましたー」
花屋なんて来た記憶がないから、なんて言ったらいいかわからない。
だから店員さんに全部任せた。
なんだか色々選んでくれてるようだ。
*(‘‘)*「お待たせしました」
('A`)「え、あの」
*(‘‘)*「かすみ草はサービスです」
('A`)「え、あ、ありがとうございます」
- 502 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:38:03.75 ID:FOKvXRyP0
-
*(‘‘)*「カーネーションも、長持ちするように開きかけのお花を混ぜておきました」
('A`)「あぁ……どうも」
値段もよく見ると、母の日で並ぶカーネーションよりも安い気がする。
なんだか随分、良くしてくれてるみたいだ。
*(‘‘)*「ありがとうございましたー」
店員さんの元気な声を背中に受けて、俺は花屋を後にした。
まったく、俺に花なんてとんでもなくミスマッチだ。
それでも……
※
*(‘‘)*「お母さん、喜ばれると思います」
※
彼女が言ってくれたみたいに、カーチャンが喜んでくれるなら……いいか。
- 504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/11(月) 00:40:12.30 ID:FOKvXRyP0
-
('A`)(でも店員の子……可愛かったな……)
……また、花を買いに行ってみるか。
おっと、そんな下心は出しちゃいけねぇよな……
先ずは、この花をカーチャンに届けないと。
カーチャン、喜んでくれっかなぁ。
───────………
一日遅れでも、お母さんはきっと喜ぶと思います。
たった一輪のカーネーションでも、感謝の気持ちは伝わるはずです。
あなたも何か、贈ってみてはいかがでしょうか?
終わり。 - 506 : ◆iAiA/QCRIM :2009/05/11(月) 00:43:24.44 ID:FOKvXRyP0
- 支援ありがとうございました
母の日間に合わなかったけどいいよね!
ほのぼの祭りはまだまだ続く……よろしくお願いします
- ペルソナさん
- ありがとうございました