――――玩具は既に壊れていたようです―――
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 12:53:16.01 ID:3KPVEl1gO
 
('A`)「落ちたら痛い?」
 
4階以上の高さがある学校の屋上。
冬が近付き肌寒さを感じるようになった中、フェンスが軋む音を確かめながら後ろに立っていた男に話しかける。
彼は何をするでもなく壁に背を預けていて、僕の一言に目もくれず空を見ている。
 
('A`)「落ちたら、君は僕を見てくれる?」
 
フェンスに足をかける。
流石に止めるのか彼は目線を僕に向けてくれるが、何も言わない。
 
( A )「ねえ、何か言ってよ…」
 
フェンスの上に座る。
彼は泣きそうに声が震える僕を見据えて口を開いた
 
( ω)「死んでしまえ」 

――――玩具は既に壊れていたようです―――
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:00:27.78 ID:3KPVEl1gO
 
(; A )「―…っ!!」
 
勢いよく開いた瞳。
心臓は早鐘を打ち、浅い呼吸を数度繰り返せば、深呼吸をしてそれらを落ち着かせた。
また夢かと思いつつも、その内容には脳内から消え去っていて、思い出そうとも、断片しか浮かばない。
映像を忘れようと頭を振る。
枕元に置く時計を見れば起きるには少し早い時間だというのが分かった。
 
(つA`)「おふろ…」
 
うっすらと汗ばむ背中と額を流してしまおうとシャワー室に向かい、一糸纏わぬ姿になる。
冬に冷たいのは流石に厳しいとは思っていた。
案外、ほてった体には調度よく、気持ち良さに座り込んだ。
上から落ちてくる冷水を感じながら壁に寄り掛かる
 
('A`)「…まさし」
 
口から出たのは想い人の名前。
好きで好きで好きで好きで。
寝ても覚めても何をしていてもまさしの事が頭から離れない。
('A`)(そういえば最近元気ない)(お弁当でも作って元気付けよう)
有言実行。
シャワーを止めて立ち上がり、
直ぐさま出て体を拭くと、用意していた淡いピンクのワンピースを着用してキッチンヘ走った。
時間はまだまだたっぷりある。
(*'A`)(愛妻弁当ならぬ彼氏弁当だね)(まさしは喜んでくれるかな)


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:03:40.98 ID:3KPVEl1gO
あれから自分でもびっくりするくらい美味しいお弁当を作って、今は学校。
びっくりさせたくて今日は朝から会ってない。
 
( 目口目)「腹減ったー」「購買行こー」
从゚×ナ从「やべ!弁当忘れた!!」
 
がやがやと昼休み特有の話がクラス中に行き渡る。
僕はお決まりの屋上へとお弁当を持って走った。
屋上にはまさしがいる。
びっくりしたまさしの顔が目に浮かぶようで、つい顔が綻ぶ。
全力疾走して階段を駆け登ったからか、息が切れる。心臓がドキドキと煩く、もはや緊張か疲れか何かわからなくなってきた。
 
「……だ…ね」
 
彼の声が聞こえた。嬉しくて笑顔になりながら耳を扉に当てる
 
(`エ´)「…まさし大丈夫なのか?」
 
まさしの友達の声
 
( ・`ー・´)「ああ…今日は会ってないしな、休みか?」
 
まさしだ。
僕の事を話してる!
心配してくれたのかな、ごめんねまさし。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:06:23.11 ID:3KPVEl1gO
 
(`エ´)「ホント大変だよな」
 
( ・`ー・´)「…まあな」
 
(`エ´)「 ス ト ー カ ー 」
 
何を言ってるのか、一瞬わからなかった。
僕の事じゃなかった。
まさし、なんで相談してくんなかったのだろう
だから元気なかったんだね…
(#;A;)(なんて可哀相なまさし!)(僕がそのストーカー殺してアゲル)


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:08:12.60 ID:3KPVEl1gO
( A )「まさしまさしまさしまさし」「愛してる」「僕がずっと傍にいるんダヨ」「誰にもアゲナイ」
 
小さな声で呟く。
まさしがストーカーにあってると聞いてから僕はまさしの学校の行き帰りを見守るけど、僕が見回りをしているからかその姿はいっこうに現れない。
僕の愛に怖じけづいたのかな、僕が1番まさしを愛してるんだ。
現れたらすぐに殺してヤル。
('∀`)(その為に毎日包丁を磨いてるんだからね)
 
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:11:52.56 ID:3KPVEl1gO
( A )「…まさしまさしまさしまさしまさしまさし。
まさしを1番愛してるのは僕なんだ僕以上なんて有り得ない。」
 
(*゚ー゚)「まさし君」
 
( ・`ー・´)「…ッ!!…ああ、おまえか。」
 
(*゚ー゚)「大丈夫…?顔色悪いよ?」
 
( ・`ー・´)「大丈夫大丈夫、これくらい」
まさしは知らない女と話している。
誰?アレは誰なの?なんで楽しそうにしてるの?まさしは僕のものなのに奪わないでよ…!!
 
( A )「まさし」
 
( ・`ー・´;)「ッ!!!?」
 
( A )「なんでなんでなんでなんで」
 
(*;゚ー゚)「まさし君…」
 
( A )「あんたが…あんたがまさしを…許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
 
( ・`ー・´;)「やめ…!彼女は俺のともだt」
 
言い終わらない内に僕は包丁を女に突き刺した。
まさしを奪った怨みは高くつくよ?
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:17:17.37 ID:3KPVEl1gO
ずぶり、と肉が裂ける感覚を包丁の柄ごしに感じた。
生暖かい血が手に伝い、鉄の香りが鼻腔を擽る
 
( ∀ )「あは…ははッ」
血が口から吹き出る女を見て笑って包丁を引き抜いた。
真っ赤に染まった包丁を見て鳥肌が立った。

(*;ー)「まさ…しくん…にげ」
まだ口を開く女の腹を蹴りとばす。
女は痙攣し白目を向いた。
('A`)(みっともない顔)
(気持ち悪い。直也をあげられないよ)
 
('∀`)「まさし」
 
( ・`ー・´;)「く…来るなっ」
 
('∀`)「ふたりきりだ」
 
( ・`ー・´;)「ひ…ひと殺し…」
 
('∀`)「愛してるよ」
 
( ゚`ー゚´;)「助…け、」 
( ∀ )「 ズ ッ ト 一 緒 」
 

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:18:47.89 ID:3KPVEl1gO
 
[―〇〇県〇〇市で殺人事件がありました。
被害者は二名、内一人が首が切り取られていていて、首は今だ見つかっておりません。
犯人は逃亡中で目撃者が居ないか捜索中です――――…]
 
 
 
堕ちる。
 
 
 
【end】
 
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/07(土) 13:26:12.15 ID:3KPVEl1gO
支援ありがとうございました

( ・`ー・´) + キリッ
俺?俺、佐藤裕也(`エ´)ピャー
从゚×ナ从まじ魑魅魍魎〜
( 目口目)

 
こいつら大好きです。
もう一個中篇があるんですが、スレ立てた方がよいですかね?
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