第9章
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 20:52:37.99 ID:2R0QGmtg0
第9章 「スポットライト・トゥ・デレ」
ζ(゚ー゚*ζ 「……」


出玲(No18)は迷っていた。
このゲームに乗るか否かを。
思えば自分は散々な人生を送ってきた。
容姿は人並み、というか結構平均よりも上であるという自負は持っていた。
しかし運が悪かった。出玲のクラスには必ず自分より上の容姿を持つ人間がいた。
いつもいつもクラスナンバー2の称号を頂き続けてきたのだ。


ζ(゚ー゚*ζ 「……」


出玲は自らのバッグに目を落とす。
島内の地図、食糧、飲料水、出席簿、ペン(これで禁止エリアを地図に書き込むのだろう)などが入っている。
そしてその中でひときわ異様な物体がひとつ。


ζ(゚ー゚*ζ 「H&KMP5A3……長いっつーの」


マシンガン、と平たく言えばいいのに。
武器の説明書には赤い丸文字で大きく『あたり』と印刷されてあった。
ずいぶんと不謹慎なことで。


ζ(゚ー゚*ζ (どうしよう?)

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 20:56:03.60 ID:2R0QGmtg0
出玲は先ほどから堂々巡りを続けてきた。
殺す。殺さない。誰を。殺すか。殺さないか。


ζ(゚ー゚*ζ 「……ま、いっか」


生来考えるのが苦手なたちだ。考えるより行動した方が早い。
思えば自分はナンバー2だ。なら競争相手を全部殺せば自動的にナンバー1だ。
ナンバー2の立場でスポットライトを浴びるナンバー1に拍手するのはもう終わりだ。


ζ(゚ー゚*ζ 「もくひょー、女子生徒ぜんいんー」


今度は自分がスポットライトを浴びる番だ。
自分以外が浴びることなどあってはならない。
出玲はぺたり、と木に『あたり』と印刷された紙を張り付ける。


ζ(゚ー゚*ζ 「もっかのもくひょー、ナンバー1ツンちゃーん」


手に持ったマシンガンの引き金を引く。
大した反動はない。これなら女でも十分戦える。
出玲は歩き出す。女子生徒を探し求めて。
『あたり』の紙は散り散りと紙屑となって出玲の行く道を彩っていた。

【No18 出玲  武器:H&KMP5A3(マシンガン) 現在位置:C-5】
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