第6章
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:59:29.25 ID:3BTGt0bz0
- 第6章 「狂気混乱」
ミ,,゚Д゚彡 「よっと……」
布佐(No26)はD-4地点の小屋に待機していた。
その目的はひとつ、同じサッカー部である盛岡(No31)と合流するためだ。
2トップを組んでいたふたりはアイコンタクトなどお手の物だった。
ミ,,゚Д゚彡 「まあ……俺の勘違いかもしれないけど」
しかし、盛岡のあの目はゲームに参加しようとしている者のそれではなかったような気がする。
それよりも危険な目をしていた奴がいる。
茂等(No30)だ。あの目は今まで見たことがないそれだった。
今思い出しても茂等の狂気をはらんだ目はゾッとする。
あいつを敵に回してはいけない――。
ミ,,゚Д゚彡 「おっと、誰か出てきたな」
ミセ;゚ー゚)リ
ミ,,゚Д゚彡 「ミセリ(No27)か……まだ出てくるのは先だな」
この小屋は本部の西ゲートが見える場所に建てられている。
出席番号から考えると盛岡が出てくるのは西ゲートだ。
布佐は先回りして盛岡を待つ作戦をとった。 - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:02:27.32 ID:3BTGt0bz0
- ギイ……
ミ,,;゚Д゚彡 「! ……誰だ」
不意に小屋の扉が開く音がした。
納屋に近いこの小屋は出入り口が1つしかない。
もし入ってきた人物が『やる気』の人間だったら……
そう考えるとにわかに心臓がざわつく。濃厚な死の予感が漂っている気もしてくる。
布佐は支給された青龍刀の柄を握りしめる。その手は汗ばんでいた。
ミ,,;゚Д゚彡 (誰だ……? 誰が入ってくる……?)
( ФωФ) 「……」
ミ,,;゚Д゚彡 「杉浦……?」
( ФωФ) 「やらなきゃ……やられる……
みろあいつを……かたなだ……やらなきゃ……やられる……
そうだやらなきゃやられるやらなくちゃ」
ミ,,;゚Д゚彡 (ちっ……なんだかわかんねーけど、ヤバそうだ……)
ミ,,;゚Д゚彡 「待て杉浦! 俺はこのゲームに乗る気は……」
その瞬間杉浦の手に持たれていたサバイバルナイフは布佐の首を狙って振り下ろされる。
布佐は反射的に右に避けようと飛ぶ。
しかし避け切れず、ナイフの刃は布佐の左肩をかすめる。
- 61 :今日は7章まで予定:2009/01/17(土) 22:05:03.43 ID:3BTGt0bz0
- ミ,,;゚Д゚彡 「っ! いってぇなぁ!」
杉浦は今度こそ布佐の首を斬ろうとナイフを振り回す。
しかし大振りのその軌道を、布佐は一歩下がって対応する。
杉浦が振る。布佐が下がる。
布佐はどんどん小屋の奥に追い詰められていく。
ミ,,;゚Д゚彡 (やべぇ……このままじゃ壁に追い詰められてやられる……!
いや、あいつの大振りの隙をつけばなんとか……)
ミ,,;゚Д゚彡 「!」
ついに布佐の体が小屋の壁に追い詰められる。
杉浦はこのチャンスを逃すまいと今までで一番大きなナイフの軌道を放った。
ミ,,;゚Д゚彡 「っっ!」
その軌道はまたも布佐の左肩を捉える。
今度は先ほどの傷よりも深そうだ。
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:07:37.70 ID:3BTGt0bz0
- ミ#゚Д゚彡 「くそったれが、いいかげんにしやがれぇぇぇぇぇぇ!!!」
そう言って布佐はサッカー部仕込みの強烈な前蹴りを放つ。
当たるか当たらないかもわからないぐらい大きな振りで放った蹴りだが、杉浦の腹部を捉える。
杉浦はナイフを放し、逆側の壁まで吹っ飛んでいった。
ミ,,;゚Д゚彡 「う……痛っ。くそったれ、盛岡はまだか……?」
そう言って西ゲートを確認する。
ちょうど出てきたのは稚内(No35)だった。
ミ,,;゚Д゚彡 「稚内……? クソっ、盛岡はもう出ちまったのか。
……仕方ねえ、俺も出発しよう」 - 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 22:09:41.71 ID:3BTGt0bz0
- それにしても……。布佐は小屋の床でのびている杉浦に目をやる。
杉浦とはあまり話したことはないが、少なくともこんなゲームに喜び勇んで参加する奴ではないはずだ。
そんな奴までこのゲームに乗ってしまっているのか。
これは自分以外、全てこのゲームに乗っていると考えていいかもしれない。
いや、盛岡だけは信用しよう。あいつに裏切られればその時はその時だ。
最後にのびている杉浦に向って話しかける。
ミ,,゚Д゚彡 「じゃあな杉浦。俺はゲームに乗りたくないから殺さないぜ。
起きた時には正気に戻っとけよ」
布佐は歩みを速める。杉浦に斬られた左肩が痛む。
一刻も早く盛岡と合流したいがどちらに向かったかもわからない。
ミ,,゚Д゚彡 「道の神様に身を任せ……こっちだ」
そう言って布佐は南へ向かう。
左肩がジクジクと痛む。傷は思いのほか浅そうだが、戦闘するとなると邪魔だろう。
なるべく盛岡以外に会わないよう願いながら、布佐はさらに歩みを速めた。
【No26 布佐 武器:青龍刀 現在位置:D-4】
【No11 杉浦 武器:サバイバルナイフ 現在位置:D-4】
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