第4章
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:45:30.94 ID:3BTGt0bz0
第4章 「他殺願望」
N| "゚'` {"゚`lリ 「斉藤は行ったか? よし次。出席番号5番、流石兄者」

(`・ω・´) 「……」


斜近(No9)は目の前の光景をただ見つめていた。
殺人ゲーム。自分が? 人を? 殺す?
無理だ。自分の性格は自分が一番よくわかっている。
自分には人殺しという十字架を背負ってまで生きれる人間ではない。
また、人を殺す度胸が自分に備わっているとも思えなかった。


(´・ω・`) 「斜近……大丈夫か? 顔色が悪いぞ」

(`・ω・´) 「この状況で顔色がいい奴を見てみたいもんだな」


話しかけてきたのは諸本。
2人は顔が似てるとからかわれたのをきっかけに知り合った。
今ではお互い無二の親友だと思いあっている間柄だ。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:48:15.85 ID:3BTGt0bz0
(´・ω・`) 「それは……」

(`・ω・´) 「なあ……諸本、お前はどうする? このゲーム、乗るか?」

(´・ω・`) 「……ああ。僕は、まだ死にたくないもんでね」

(`・ω・´) 「そか」

(´・ω・`) 「……軽蔑したか?」

(`・ω・´) 「うんにゃ。全然。それが当然だろ。でも、俺は無理だな。俺には人を殺す度胸はない

       だから、俺、さっさとリタイアするよ」


その言葉に諸本の眼が見開かれる。
その眼には友の死を止めようとする光があった。


(´・ω・`) 「お前、自殺する気か」

(`・ω・´) 「いや、それも無理だ。自分で自分を殺すなんてこと、俺は怖い。

       だからさ、諸本。頼みがあるんだ」

(´・ω・`) 「頼み?」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:51:29.17 ID:3BTGt0bz0
(`・ω・´) 「……俺を、殺してくれ」

(;´・ω・`) 「なっ……!」

(`・ω・´) 「宝らへんは絶対にこのゲームに乗ってくるだろ。お前が乗るぐらいだし。

       あんな奴らに殺されるぐらいなら友達に殺された方がましだよ」

N| "゚'` {"゚`lリ 「次、出席番号9番、斜近」

(`・ω・´) 「じゃあな。なるべく早く頼むぜ」


そう言って斜近はバッグを受け取る。
振り返ることはしない。
諸本は斜近の言葉に反応できず、そこに立ち尽くすだけだった。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:52:48.03 ID:3BTGt0bz0
(`・ω・´) 「よっと……」


東のゲートから出た斜近。
一応武器を確認する。拳銃だ。
しかし、手に持ってみると異常に軽い。銃とはこんなに軽いものなのか。
訝しげに思っていると取扱説明書が出てきた。
それにはただ一言こう書いてある。


『モデルガン』


(`・ω・´) 「ったく……諸本の土産にもなりゃしねえ」


諸本に殺される前に誰かに殺されたらたまったもんじゃない。
斜近は殺されるために一路東へ進路を取った。

【No9 斜近  武器:モデルガン 現在位置:E-4からF-4方面へ】
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