第3章
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:32:15.51 ID:3BTGt0bz0
第3章 「伊藤出発」
N| "゚'` {"゚`lリ 「他に質問はないか? では、ルール説明は終了だ」

('、`*;川 「……」


伊藤(No1)は怯えていた。
さっき阿部は出席番号順にこの部屋を出ていってもらうと言った。
とすれば最初に出るのは間違いなく自分だ。


('、`*;川 (くそったれ、わ行の奴なんて他の奴と相談する時間が山ほどあるじゃねえか)


阿部はチームを組んでもいい、と言った。
生き残るのが3人である以上、3人以下でチームを組むのが得策と思える。
後の奴はチームを組む相談をしやすい。これはあまりに不利だ。
阿部に抗議をしようとする。しかし。


('、`*川 (いや……)


伊藤は考えなおす。殺し合いのゲーム。
恐らくみんなは(自分も含めて)疑心暗鬼になることだろう。
内藤とか、稚内はチームを組んでも、他の奴はそんなにチームなんて組みたがらないだろう。
それよりもチームを組もうと声をかけてきた奴の裏を読み取ろうとするはずだ。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:35:32.75 ID:3BTGt0bz0
('、`*川 (なら……)


先に出て島を探索するアドバンテージを取るべきだ。
仲間探しはそこからでも決して遅くない。


('、`*川 (なにはともあれ……身を守るためにもいい武器が欲しい……)

N| "゚'` {"゚`lリ 「では出発してもらう。現在時刻は正午12時だ。

          出席番号1番、伊藤!」

('、`*川 「は、はい!」


いよいよ始まる。黒服の係員からバッグを受け取り、誘導されたゲートに向かう。


('、`*;川 「ここから出たら……いよいよ始まる」


1歩が踏み出せない。踏ん切りがつかない。
殺人ゲームに勝てるのか。自分が。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:39:19.01 ID:3BTGt0bz0
('、`#川 「うわああああああああああ!!!!」


大声を出し、自らを鼓舞する。
東に向かって全力疾走する。
遠く。遠く。後発組が追ってこないところまで。


('、`*川 「う……こんなに走ったのはじめてだわ」


既に市街地エリアの端に到達し、近くに海岸が見える。
最初から見晴らしのいい浜辺に行くのは得策とは思えないので、そこらへんの家にお邪魔する。


('、`*川 「ふぅ……」


家にあったソファに座り、支給されたミネラルウォーターを一口含む。
のどの渇きは大して癒えないが、贅沢はしていられない。


('、`*川 「さて、いい武器であってよ……」


がさごそとバッグを漁る。
出てきた武器は――ヌンチャク。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:42:10.27 ID:3BTGt0bz0
('、`*川 「……は?」


ヌンチャク? さっき阿部は死亡者がどうたら言っていたではないか。
まさかみんながみんなヌンチャクなんかを支給されてハイ殺し合い。
そんなわけはない。殺人ゲームなんだから銃を支給されるものは必ずいるはずだ。
ヌンチャクVS銃。考えれば考えるほど生き残るのは無謀だと思える。


('、`*川 「……いやだよぅ」


泣きだしたくなる気持ちをこらえる。
そしてこの家に武器はないかと探し始める。
ゲームに勝つために。生き残るために。

【No1 伊藤  武器:ヌンチャク 現在位置:G-4】
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