第17章
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:39:23.05 ID:TrIhuqyG0
第17章 「まどろみのなかで」
押し倒される。痛い。やめてよ。ロマ――。


( ФωФ)


わたしを見下ろすその視線は、いつもとなんら変わりが無いように見える。
でも、その眼の奥にはいつもと違う彼が広がっていた。


( ФωФ)


彼のナイフを持った右手が、私に向って振り下ろされる。
その瞬間、私の見える世界は急にスローになった。
走馬灯、ってやつ? じゃあ、私は、もう死ぬんだ。
いやだな。もっとロマと遊んでいたかったのにな。
こんなバカみたいなゲームじゃなくて、もっともっと、素敵な遊び。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:42:24.84 ID:TrIhuqyG0
ノパ听) 「ロマああああああ!! 急げええええええ!!」

( ФωФ) 「ヒート、そんなに急がなくても遊園地は逃げないのである」

ノパ听) 「ばかたれ、逃げちまったらどうすんだああああああ!!」

( ФωФ) 「はいはい、わかったのである。ほら、走るのである」

ノパ听) 「ちょっ、まっ、速い、速いってロマ、止まれえええええええ!!」

( ФωФ) 「どうすればいいのであるか」

ノパ听) 「わたしといっしょに歩け!! いや、ちょっと小走りしろ!!」


これはいつの時だろう。ああ、付き合い始めてから初めてのデートだ。
これは確か美府遊園地。小さいけれど、必要最小限のものはそろっていた遊園地。
2人の、思い出の場所。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:45:27.47 ID:TrIhuqyG0
ノパ听) 「ぐるぐるぐるぐる――!!」

(;ФωФ) 「ちょっ、おま、まわ、回しすぎゲロゲロゲロゲロ」

ノハ;゚听) 「ぬわああああ!!」


コーヒーカップ。
私はハンドルを回しすぎて、ロマが戻して、係員さんにこっぴどく叱られたっけ。


ノパ听) 「お馬さんだぞおおおお!!」

( ФωФ) 「我輩がヒートの馬に……いやなんでもない」

ノパ听) 「?」


メリーゴーランド。
ちょっぴりセクハラなロマもご愛敬だった。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:48:29.50 ID:TrIhuqyG0
ノハ;゚听) 「さ、さあてっぺんだぞ……」

(;ФωФ) 「ひ、ヒート、ま、まさか怖いのであるか……?」

ノハ;゚听) 「ま、まさかそんな……あ、あは、あはは」

(;ФωФ) 「は、はは、ははは」

シュゴー

「「ぬわああああああああああああ!!!」」


ジェットコースター。
2人とも怖がりなことがわかって、嬉しかった。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:51:31.83 ID:TrIhuqyG0
ノパ听) 「おお……きれいだな……」

( ФωФ) 「そうであるな……」

ノパ听) 「……」

( ФωФ) 「ひ、ヒート」

ノパ听) 「うん?」

(*ФωФ) 「我輩は、ヒートが好きであるぞ」

ノハ*゚听) 「……ふふっ」

(;ФωФ) 「な、なにをわらっておられるのですかわがはいなにかへんなことでもいいましたか」

ノハ*゚ー゚) 「ありがと」


観覧車。
あの海に映える夕陽の中で、2回目の告白をしてくれたロマ。
一生、忘れそうにない。

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:54:36.22 ID:TrIhuqyG0
私は、ロマと結婚するつもりでいた。
もちろん、結婚なんて家族も関わってくるし、ロマにも話したことはなかった。
自分の心の中だけで描いていた、ささやかな夢。


ノパ听) 「ロマああああああ!! すきだああああああ!!」

(;ФωФ) 「こ、声がでかいのである!!」


それでも。少し恥ずかしがりなあなたが好きで。
結婚だって、法律的には16歳からできる。
あくまで、法律上の話だけど。


(*ФωФ) 「ひ、ヒート……好きだぞ」

ノハ*゚听) 「……わたしはきらい」

(  ω ) 「シノウ」

ノハ;゚听) 「うわー!! ロマがドクオ状態にー! 戻ってきてー!」


いたずらしたらすぐころころと表情を変えるあなたが好きで。
愛しくて。自分のものにしたくて。本当に、本当に結婚したくて。

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 20:57:38.20 ID:TrIhuqyG0
( ФωФ) 「ヒート」

(*ФωФ) 「ヒート」

( ;ω;) 「ヒートおおおおおおお」

(  ω ) 「シノウ」


あなたを好きになって本当に良かった。
そう思って、沖縄での修学旅行で結婚話を出すつもりでいた。
断られたらしょうがないと思ってたし、半ば、と言うよりほとんど望みはなかっただろうけど。
それでも。
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 21:00:49.00 ID:TrIhuqyG0







N| "゚'` {"゚`lリ 「殺し合いをしてもらう」






勝率0割でも、チャンスぐらいくれたって、いいじゃない――!!

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 21:03:50.21 ID:TrIhuqyG0
私は怯えていた。怯えきっていた。
ロマと合流するなんて慌てすぎてて考えもつかなかった。
もし、すぐに合流できてたら、こんなことにはならなかったのかな。


( ФωФ)


ロマの右手が私の首を貫いた。
痛い。痛い。血がとめどなく出る。
気管に血が入る。うまく喋れない。溺れているようなゴボゴボという声しか出ない。
伝えたいのに。あなたに殺されて、よかったって――!!


(ФωФ )


ロマが、もう私には興味ないと言う風に向こうを向いてしまう。
悔しいな。しょうがないよね。ロマは、生きなきゃダメだもんね。
私は、遅かれ早かれ死んでた。きっと、どこのだれかもわからない奴に殺されてたんだ。
それを考えたら、結婚しようとしてたロマに殺されてよかったよね。きっと。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/31(土) 21:06:51.65 ID:TrIhuqyG0
(    )


もうあっちに行ってしまう。
でも、ロマ、それじゃ駄目なんだよ。
そんな眼をしてちゃ、だめ。その眼はあなただけど、あなたじゃない。
それじゃ、生き残っても、楽しめないよ――!!
それだけ、ひとことだけ喋れるなら、それだけ伝えたいのに――!!


――? 誰かが、私におじぎしてる。
誰かな? ロマ、じゃ、ないよね……
だれでもいいや。私の、最期の言葉、ロマに伝えてくれたらいいな。
ごめんだけど、頼んだね。私はもう、ダメみたい。よろしくね。だれかさん。


ノハ ) (そうだ・・・・・・もしろまがじゅみょうでしんで・・・・・・てんごくで・・・・・・いっしょに・・・・・・

      なれたら・・・・・・けっこん・・・・・・できるかなあ・・・・・・)

ノハ ー ) (・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふふ・・・・・・・・・・・・・・)


【No12 須田火 × 残り33名】
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