第14章
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 21:58:38.37 ID:2R0QGmtg0
- 第14章 「殺人鬼として」
( ФωФ) 「……」
杉浦(No11)は疑問にあけくれていた。
( ФωФ) (どうして、ふさくんはいなくなってたんだろう)
自分は確かに布佐をやっつけたはずだ。なぜなら、自分は殺人鬼だから。
なのに、自分が目を覚ました時には誰もいなくなっていた。
ただ、血痕だけがポタポタと地面に落ちていただけだった。
( ФωФ) 「ぼくが、ころしたからだ」
そうとしか考えられない。
死体は、たぶんあの黒服の連中が持って行ってしまったんだろう。
( ФωФ) 「ぼくは、さつじんきだ。だから、ひとをころすんだ。
ふさくんは、ひとりめ。ふたりめは、だれにしよう」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 22:01:13.45 ID:2R0QGmtg0
- ――ぅゎぁぁぁぁぁぁああああああ!
( ФωФ) 「? なんだろう」
その叫び声のような音は間違いなく自分に近づいてきている。
自分の横にある斜面から――?
ノハ;凵G) 「うわあああああああああああ!!」
( ФωФ) 「!!」
人が、落ちてきた。
ドスン、と言う音と共に自分の体へのしかかってくる。痛い。重い。
ノハ;凵G) 「うわあああああ!! 人だああああああ!!
って、あれ、ロマ……? ロマじゃないか!!
会いたかったぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
( ФωФ) (だれだろう、このひと……) - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 22:03:43.71 ID:2R0QGmtg0
- 杉浦は必死に脳内の記憶を漁る。
しかしどうにも思い出せない。思い出せないと言うことは殺してもいいということだ。
ナイフを握る右手に力がこもる。振りおろそうとする。
(――やめるのである!! その人は、大切な――!!)
( ФωФ) 「? なに、いまのこえ」
ノハ;凵G) 「ろ、ロマ……?」
須田も杉浦のただならぬ様子に気づいたらしい。
一歩下がって様子を見る。
( ФωФ) 「……だれもいない。そらみみ、かな?
いけない、いけない。ぼくは、さつじんきだから。
ひとを、ころさなくちゃ」
ノハ;凵G) 「ロマ……? 何言って……きゃっ!!」
杉浦は須田の首をつかんで地面に押し倒す。
須田の口からは苦しそうな声が漏れる。
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 22:06:05.91 ID:2R0QGmtg0
- ノハ;凵G) 「ロマ……? けほっ。やめてよ、ロマ、どうしたの……?」
( ФωФ) 「ぼくは、さつじんきだから」
そう言って今度こそ杉浦は右手に持ったナイフを須田の首めがけて振りおろそうとする。
その時、またあの声が聞こえた。よく聞いてみれば、自分の声に似ている気がする。
(やめるのである、杉浦ロマネスク!! その人は、大切な、大切な、お前の恋人なのである!!)
( ФωФ) 「うるさい」
杉浦はナイフを振り下ろす。
その速度は緩むことなく、的確に須田の首を捉える。
鮮血が、噴水のように噴き出す。
ノハ ) 「ゴボ……ガハッ……ロマ……ぁ……」 - 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/24(土) 22:08:40.13 ID:2R0QGmtg0
- 喉から血がとめどなく溢れているため、しゃべるのも困難らしい。
結局、その『ロマ』という言葉が須田の遺言となった。
(杉浦ロマネスク!! お前は!! お前は、自分の恋人を!!)
( ФωФ) 「うるさいうるさいうるさい」
まだ声は聞こえる。それを振り払うように、ナイフを振り下ろす。
須田の胸に、下腹部に、足に、手に、頭に、顔に、顔に、顔に。
須田の顔がもはやだれのものかわからないほどになったとき、自らの内側から出ていた声は止まった。
( ФωФ) 「ははははは!! やったぞ!! ふたりめげきつい!!
さつじんきのしょうり!!」
杉浦は高笑いをしながら歩き去っていく。
自らの恋人を手にかけて。もう、自分の声も、自らを止められない。
【No11 杉浦 武器:サバイバルナイフ 現在位置:B-4】
【No12 須田火 × 残り33名】