第1章
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 20:56:30.79 ID:3BTGt0bz0
第1章 「開始」


('A`) 「ーン……おい、起きろ……ブーン」


頭上から見知った声が聞こえる。
ああ、そうか、もう目的地についたのか……
そう思い体を起こす。
しかし、内藤(No21)が起きた場所は飛行機の狭苦しいシートではなく、ふかふかとした絨毯の上だった。


( ^ω^) 「うーん、よく寝たお……ってあれ? 寝てる間にホテルについたのかお?」


自分は確か修学旅行のため、沖縄へ向かう飛行機に乗っていた筈だ。
そこで何で修学旅行なのに全員制服なのかと隣の席の毒田と愚痴り合いながら時間を過ごしていた。
しかし前日眠れなかったためか、猛烈な眠気に襲われ毒田についたら起こしてもらうよう頼んだのだ。


('A`) 「いや、なんか様子がおかしいんだ。この部屋にクラス全員閉じ込められててさ……」

( ゚∀゚) 「そうそう、俺が最初に起きたんだけど、みんな寝てて」


そう話しているのは長岡(No23)だ。内藤と毒田と長岡は親友とも言ってもいい存在だ。
いつも一緒にいるため、3人はお互いケツの穴の皺の本数まで知っている。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 20:58:59.50 ID:3BTGt0bz0
( ^ω^) 「みんな寝てたって……ドクオもかお」

('A`) 「ああ、俺もブーンが寝てからすぐに眠たくなって……ジョルジュに起こされたらここにいた」

( ゚∀゚) 「俺は最初から寝てたぜ!」


ブーンとは内藤、ドクオは毒田、ジョルジュは長岡のそれぞれのあだ名だ。
このあだ名をつけたのは1人の女子生徒で、この3人とも仲がいい。


ξ゚听)ξ 「あら、あんたらもやっと起きたのね」

( ^ω^) 「おっおっ。おそようだお、ツン」

( ゚∀゚) 「俺はお前より早く起きてたけどな」


内藤らと仲良くしている女生徒は津出(No17)。通称ツン。
美人が多いといわれているこのクラスでも1番人気の生徒だ。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:03:04.20 ID:3BTGt0bz0
ξ゚听)ξ 「それにしても……なんなのかしらね、ここは」

('A`) 「こんなとこ、しおりの予定表には書いてなかったよなあ?」

( ^ω^) 「えーと、しおりしおり……ってあれ? 僕の荷物がないお?」

('A`) 「そうなんだよ。全員の荷物もなくなってるんだ」

( ^ω^) 「ええー……あのなかにモンハンも入ってたのに……」

( ゚∀゚) 「俺なんかほら! 見ろよ!」


そう言って長岡は左手の手首を内藤に見せる。


( ^ω^) 「……? なにもないお」

( ゚∀゚) 「そうだよ! ないんだよ! 俺の昨日買った腕時計が!」

('A`) 「腕時計までなくなってるってどう考えてもおかしいよなあ……」

ξ゚听)ξ 「それに……」

( ^ω^) 「おっ……? ツン、そんな首輪してたかお?」


内藤の言う通り、ツンの首には銀色の首輪がされていた。
それだけではなくドクオやジョルジュの首にも同じデザインの首輪がされていた。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:06:24.71 ID:3BTGt0bz0
( ゚∀゚) 「そうそう。この首輪、36人全員の首にあるんだぜ。外そうとしても外れねーし」

( ^ω^) 「36人って……おおっ!? 僕の首にもあるじゃないかお!」

('A`) 「まったく、意味わかんねーよ。先生か誰かこねーかな……」

そうこうしているうちに、最後まで寝ていた渡辺(No34)も起き、クラス36名が全員起床した。
そして鍵がかかって開かなかった開かなかった扉から1人の男が入ってきた。
それはクラスのメンバーもよく知る人物。

N| "゚'` {"゚`lリ 「ようお前ら。全員お目ざめか?」

内藤らが通うVIP高校の校長、阿部高和だった。
阿部は36人全員を見回し、まだ寝ているものがいないか確認する。


(´・ω・`) 「校長先生。どういうことかご説明願えますか」


諸本(No32)が早速校長に詰め寄る。
ここにいるすべてのものが気になっているであろうことを。


( ^Д^) 「そうだよ! 大体俺は風邪の連絡をしたぜ! なんで俺もここにいるんだよ!」


続いてクラスの不良、宝(No16)も叫ぶ。
内藤は思い出す。宝は修学旅行の前日、不良仲間達に修学旅行をサボることを明言していた筈だ。
それがなぜかここにいる。わけがわからないが恐らく宝もわけがわかっていないんだろう。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:09:17.71 ID:3BTGt0bz0
N| "゚'` {"゚`lリ 「まあ待て。順番に話していこう。

          まず最初に。おめでとう。君たちは選ばれた。これは10億円を得るためのチャンスだ」

(;´・ω・`) 「10億……?」

N| "゚'` {"゚`lリ 「そうだ。10億。君たちが普通に働いても決して稼げない額だ。

          それを得るためのチャンスが、今回のゲームだ」

(;^Д^) 「ゲーム……? 何言ってんだ、コイツ。それに俺は」

N| "゚'` {"゚`lリ 「このゲームに欠席は許されない。体調に問題がなかったようなので連れてきたよ」

(;^Д^) 「……」

('A`) 「……ゲーム、とは」

N| "゚'` {"゚`lリ 「そう、ゲーム。これについて簡単に説明するよ。

          君たちVIP高3−1の36名には、これから殺し合ってもらう」

(;゚∀゚) 「こっ……!」

N| "゚'` {"゚`lリ 「生き残った3名の生徒に10億円を進呈しよう」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:11:51.84 ID:3BTGt0bz0
36名が入った部屋が静寂に包まれる。
3−1の生徒は思い思いの表情を浮かべている。しかし思っていることは皆同じだ。
『本当なのか? クラスで殺し合いなんて冗談に決まっている』
それを代弁したのが中嶋(No22)だった。


( ,'3 ) 「は、はは……阿部先生、冗談にもほどがありますよ」

N| "゚'` {"゚`lリ 「冗談じゃないよ。君たちには10億のチャンスがある」

( ,'3 ) 「またまたそんな……素人向けのドッキリとか何かでしょう? 先生も人が悪いや」


おいおいカメラはどこだ〜? と、おどけてカメラを探す中嶋。
他の生徒たちも中嶋のおどけたしぐさに若干の笑みがこぼれる。


('A`) 「……」

(;^ω^) 「お……おっおっ。なんだ、ドッキリかお……」


パン。生徒たちの空しい願いは乾いた音にかき消される。
中嶋を始めとする笑っていた生徒は凍りつく。
弾痕は中嶋のすぐ足もとについていた。
銃弾はもちろん阿部の手元から出ている。


N| "゚'` {"゚`lリ 「うるさいね。少し静かにしようか。僕が話せない」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:13:56.01 ID:3BTGt0bz0
生徒たちのささやかな希望は打ち砕かれ、誰もが絶望に身を浸す。
そんな中阿部は話し始める。


N| "゚'` {"゚`lリ 「これでわかってもらえたと思うけど、これは冗談でもドッキリでもない」

( ´_ゝ`) 「本当に殺し合わなきゃいけないってことか……」

N| "゚'` {"゚`lリ 「その通り。さすがだね、兄者(No5)くん」

(´<_` ) 「……担任は? 担任の鴨志田も1枚噛んでいるのか?」


弟者(No6)も問い詰める。それはクラス全員の思いだった。
殺し合いが確定した今、担任も1枚噛んでいるに違いない――。
あの、生徒の悩みを真面目に聞き、体育祭で優勝した時みんなに焼肉をおごったあの先生が――。


N| "゚'` {"゚`lリ 「……鴨志田君、ね。いるよ。会わせてあげようか?」


阿部の隣にいた黒服の大きい白人に何事か告げる。
黒服は部屋を出ていってしまった。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:16:36.19 ID:3BTGt0bz0
N| "゚'` {"゚`lリ 「鴨志田君は、いい先生だったろう?

          でも彼は、世間を知らなすぎた」


黒服が部屋へ戻ってくる。
何かを引きずりながら。


ξ;゚听)ξ 「ひっ……!」

N| "゚'` {"゚`lリ 「会いたかったろう? 鴨志田君だよ」

「「うわああああぁぁぁあぁあぁあぁ!!!!」」


それは――鴨志田の死体だった。
いつも来ていた水色のジャージが胸のところから赤く紅く染まっている。
死後放っておかれたと思われるその死体は強烈な鉄の匂いと腐臭を漂わせていた。
目は見開かれ、しかしその瞳は何も反射していない。
若干色黒であったはずの鴨志田の肌は血が抜けたことによって異常な白さをしていた。
舌を人間の限界以上に伸ばしてしまっている彼は、生徒のイメージの『いい先生』とはほど遠いものだった。


(,,; Д ) 「……おぇ」

(;゚ー゚) 「だいじょうぶ? ギコくん……」
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:18:57.29 ID:3BTGt0bz0
周りの生徒もにわかにざわつき始める。
所々に嘔吐している生徒もいる。
当然だろう。昨日まで慕っていた先生が死体となってここにいるのだから。
ざわつきを鎮めるため、阿部は持っていた拳銃を天井に向け発砲する。
蛍光灯が砕け散り、生徒たちは水を打ったように静かになった。


N| "゚'` {"゚`lリ 「ゲームの説明をするぞ」


阿部が静かになったところで話し始める。
36人が放り込まれる地獄のルールを。
【残り36名】

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/17(土) 21:20:40.30 ID:3BTGt0bz0
VIP高校3−1 出席簿(番号は50音順)

No1 伊藤 ('、`*川    No21 内藤 ( ^ω^)
No2 擬古 (,,゚Д゚)     No22 中嶋 ( ,'3 )
No3 狐村 爪'ー`)     No23 長岡 ( ゚∀゚)
No4 斉藤 (・∀ ・)     No24 ニダ <ヽ`∀´>
No5 流石兄 ( ´_ゝ`)  No25 比木 (-_-)
No6 流石弟 (´<_` )   No26 布佐 ミ,,゚Д゚彡
No7 沢近 *(‘‘)*      No27 ミセリ ミセ*゚ー゚)リ
No8 椎名 (*゚ー゚)     No28 未奈 ( ゚д゚ )
No9 斜近 (`・ω・´)   No29 茂名 ( ´∀`)
No10 新保 (*‘ω‘ *)  No30 茂等 ( ・∀・)
No11 杉浦 ( ФωФ) No31 盛岡 (´・_ゝ・`)
No12 須田火 ノパ听)  No32 諸本 (´・ω・`)
No13 砂尾秀 lw´‐ _‐ノv No33 山村 川д川
No14 須名空 川 ゚ -゚)  No34 渡辺 从'ー'从
No15 高岡 从 ゚∀从   No35 稚内 ( ><)
No16 宝  ( ^Д^)   No36 和手枡 ( <●><●>)
No17 津出 ξ゚听)ξ
No18 出玲 ζ(゚ー゚*ζ
No19 都村 (゚、゚トソン
No20 毒田 ('A`)
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