第2幕
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 00:55:04.58 ID:hoSxN7IMO
http://speedo.ula.cc/test/r.so/sports2.2ch.net/entrance2/1234151183/l10?guid=ON
前回は間違ってクラシック板に投下してました
 
第2幕
  
チビキャラ登場!?
 
 
目が覚めた。
覚めただけで目の焦点が合わさってはいないが、ベッドから起き上がるなりカーテンを勢いよく左右に開けた。暗みがかった部屋に日光が差し込み、辺りを明るく照らす。
白で統一された非常に清楚な部屋だ。棚の上には大小さまざまなぬいぐるみが鎮座している。
まだ開ききっていない目をぐいぐいとこすり、目覚まし時計に目を向け──られなかった。

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 00:59:01.17 ID:hoSxN7IMO
なんせ、いつも置いてあるはずの目覚まし時計が姿形もなく消え失せていたからだ。
ヤバい……ヤバいヤバいヤバい。落ち着け、落ち着くんだあたし。
焦る気持ちを抑えつつ、デレはキョロキョロと周囲に目をやる。
そして見つけた。
まぁ見つけたといっても目覚まし時計ではない。むしろ目覚まし時計だった、と言ったほうが的確だ。
ベッドから離れて扉のほう。
プラスチックのボディが粉砕され、内部機構が粉砕しているモノを目覚まし時計とは言わない。可哀想な目覚まし時計という。
 
ζ(゚ー゚;ζ「また壊れてる……もっと頑丈なの買わないと──てか今、何時?」
 
恐る恐る壁にかけられた時計を見た。
時刻は7時30分。
遅刻とまではいかないが、そろそろ学校の準備をしないと危うい時間帯だ。もう少し寝ていたいが、さすがにそれは無理な話なので、のっそりと立ち上がった。
学校か……うーん、めんどくさいなぁ。
勉強しなきゃならない、ということでちょっと気分が憂鬱だが、昨日──日付が変わっていたから今日のこと──のメールの内容を思い出して思わずにやけてしまう。
そりゃ嬉しいもんね、と勝手に納得。にやけ顔のまま大きく伸びをした。部屋の色と同じく白いパジャマの裾が上がり、肉が付きすぎず、無さ過ぎずの健康的なウエストラインが露わになる。
なるほどスタイルはいい。スラリと手足も長いし、体のバランスもとれている。が、1つだけ欠けているものがあった。
それはパッと一見しただけでもよくわかる。
まぁ、そのアレだ。見事にぺったんこなのだ……胸が。『貧乳はステータスだ』という格言がある今日この頃、どうやっても拭えないデレのコンプレックスであった。
そんなデレは胸を覗き込み、はふっと諦めと失望の混じったため息1つ。ツラい現実をつきつけられながらも、もぞもぞとパジャマを脱ぐと、もそもそと制服に着替え始めた。
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:02:20.34 ID:hoSxN7IMO
ζ(゚ー゚;ζ「ったく、どうしてこんなに暑いのよ……」
 
もう9月も後半だというのに全く衰えない太陽の光を浴びながら、学校までの道のりを必死にペダルを踏む。
太陽もたまには有給休暇ぐらいとればいいのに、と思ったりもするが、まぁ我慢我慢。
頬を伝う季節外れの汗を拭いながら、ようやく校門が見えてきた。よく言って格式のある、悪く言えばおんボロな校門だ。
さっさと修理なりすればいいのに。まぁ古いと伝統の区別がつかない先生には無理か。
そんなことを思いながらも駐輪し、てくてくと歩いてゆき、昇降口に足を踏み入れた。
ふと、顔を校門のほうに向けた。すると、クーが見えた。ここからは少し距離があって見えにくいが、あの少々色素の薄くて長く綺麗な髪はクー以外の何者でもないだろう。
クーも気づいたらしくこちらに手を振っている。相変わらずの視力だ。
デレは校門から視線を移しスニーカーを脱ぐと上履きに履き替える。と、そこでトントンと肩を叩かれた。
 
ζ(゚ー゚*ζ「…………」 
なんとなく嫌な予感がカール・ルイス並みのスピードで脳裏を駆け抜けて行ったので、きっぱり無視して教室に行くことにした。
しかし行く手をふさがれた(某有名RPG風)。 
ζ(゚ー゚;ζ「って、ちょっと待てぇぇぇ!」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:05:51.43 ID:hoSxN7IMO
ヾ川 ゚ -゚)〃「おりょ。どーしたのさ」
 
デレの目の前で、髪や服すら乱れていない淫魔(=クー)が何食わぬ顔をして靴を脱いでいた。
えーっと……あれ? とりあえず状況判断だ。さっき校門んところにいてたよね。校門からここまで軽く30メートルくらいあるんですけど。
 
ζ(゚ー゚;ζ「クー!あんたどーやってこの距離を一瞬で走破したのよ!」 
大声でのツッコミを、むふふふと怪しく笑いながら聞くとクーは口を開いた。
 
川*゚ -゚)「瞬歩って知ってる?」
 
ζ(゚ー゚;ζ「いやいやいや、あんたは死神じゃないでしょ。斬魂刀も持ってないし」
 
クーは、むぅと唸ると、 
川 ゚ -゚)「んじゃさぁ、星ふる腕輪って知ってる?」
 
ζ(゚ー゚;ζ「ファンタジーと現実をごちゃ混ぜにするな!」
 
しかもドラ〇エの強力なアイテムだし……ってなに考えてるんだあたしは。
 
川 ゚ -゚)「ふむむ……それじゃピリオムは知ってるよね?」
 
ζ(゚ー゚*ζ「あぁ、あれね。最近で復活したらしい遺失呪文のことね。って、だからファンタジーを現実に持ち込むな!」 
何のことかわからない方はドラ〇エをしましょう。ファミコンのドット単位のヤツもなかなかだ。 
ヾ川 ゚ -゚)〃「もう、ワガママねぇ。とりあえずさぁ、ソニードっつーことにしといてよ」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:09:19.60 ID:hoSxN7IMO
ζ(゚ー゚*ζ「だからなんであの漫画にこだわるのさ!?」
 
あの漫画というのは、死神が斬魂刀を振り回す、やたら漢字の使い方がカッコイい漫画のことである。
 
ζ(゚ー゚*ζ「まぁ要するに話す気はないと?」
 
川 ゚ -゚)〜♪「そーゆーこと」
 
ズンバラリンと斬り捨てられて唖然とするが、いつものことなのですぐにデレは気を取り持つ。こんな毎日を過ごせるとは、ある意味豪胆な性格だ。
 
川 ゚ -゚)「そーいや今日あれに行くの?」
 
クーが唐突に訊いてきた。
 
ζ(゚ー゚*ζ「行くけど……どうかしたの?」
 
川 ゚ -゚)「生徒会の書類処理でもしてもらいたいなぁ、なんて思ってたわけなんですけどね」
 
クーは高校2年生にして全校生徒を統べる第32代目生徒会の長だったりする。意外とかそんなレベルの話ではない。一種の過ちに近いことだ。
デレの言葉を借りるならば、こいつが生徒会長になったらこの学校も崩壊のカウントダウンを刻むだろう。
どうやって生徒会長になったのかは学校の7不思議の1つであったりする。
 
ζ(゚ー゚*ζ「生徒会長なんだからそれくらい自分でなんとかしなさい。いちいちあたしの手を借りようとするな」
 
手をヒラヒラさせつつ、きっぱりと断った。
 
川 ゚Д゚)「えぇぇっ! 手伝ってよ!」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:13:49.26 ID:hoSxN7IMO
ζ(゚ー゚*ζ「ダ―メ―。あんた会長でしょうが。仕事くらいきっちりこなしなさい」
 
川 >-<)「はいはい。わかりました―」
 
他愛もない会話をしながらクーとデレは教室に入った。
時刻はまだ8時15分。登校時間の8時30分までまだまだ余裕があるせいか、生徒の登校率はだいたい7割程度といったところか。
自分の机にカバンを置くと座った。ポジションは廊下と反対側の一番後ろの席。南側なのでポカポカとした陽気が漂ってくる。あと眩しい日差しと──
 
(*゚∀゚)「ヤッホー」
 
となりに座る小柄な女子高生。
 
ζ(゚ー゚*ζ「おはよ。んで、朝っぱらからノートと教科書広げてなにしてるのよ?」
 
(*゚∀゚)「むむ、余裕なんだね、でーちゃん」
 
でーちゃんと呼ばれるなり目を細めてデレは露骨に嫌な顔をした。
 
ζ(゚ー゚*ζ「あのねぇ、でーちゃんは止めてって言ったでしょうが。なんか間抜けみたいだし」
 
(*゚∀゚)「被害妄想たくましいですよ―」
 
デレは内心ため息をついた。
どうせ何回言っても無駄なのだ。毎日のようにこの娘は自分のことをでーちゃんと呼び、毎日のように自分はそれを咎めるが、やっぱり毎日のようにでーちゃんと呼び……。
 
ζ(ー*ζ「ふっ、なめられたものだな」
 
(;*゚∀゚)「ちょ、ちょっとでーちゃん? 顔が怖いよ―」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:16:40.65 ID:hoSxN7IMO
顔をひきつらせていたデレはニッコリと微笑んだ。
 
ζ(^ー^*ζ「気にしないで、ちょっとツーの存在を抹消したくなっただけだから」
 
(;*゚∀゚)「あたしに死ねと!?」
 
顔を青くさせて自分を指差すツーにデレは当然のようにうんうんとうなずいた。
 
ζ(゚ー゚#ζ「だってもう『でーちゃんって呼ぶな』って言うのめんどくさいし。こっちのほうが手っ取り早いし」
 
ドス黒い何かを放出させているデレは心の底からそう思っているようだ。ひきつり、そして顔を青くさせてぷるぷると震えるツー。
こんな猛獣がとなりにいて無事に今日1日を過ごせるかどうかが心配だ。
気づけば教室にはこのクラスに所属しているほとんどの生徒が集結していた。だが、このクラス──いや、この学校全体でもいえるのだが、男女の比率が女子のほうが圧倒的に多いのだ。全校比率でいってもだいたい7:3の割合。
このクラス、総勢40名のうち7割近くはプリーツスカートに白いブラウスを着た女子生徒である。男性諸君にしたら天国であると同時に肩身が狭い空間であることこのうえない。
しかも嬉しき(男性諸君)ことにそろいもそろって高レベルな美少女たちが集まっている。生徒会長は淫魔だけど。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:18:51.92 ID:hoSxN7IMO
なぜこんなにも女子生徒の数が多いのかというと、まずこのVIP高校は私立の高校であり、ほんの3、4年前までは女子校だったということが大きい。
女子校だった学校というのは古今東西、数年間は女子生徒の比率が男子生徒を圧倒的に上回るものなのだ。
 
ζ(゚ー゚*ζ「で、話は戻るけど、ツーは何してるのよ?」
 
(*゚∀゚)「これのこと?」 
ζ(゚ー゚*ζ「うん。それ以外ないし」
 
(*゚∀゚)「1時間めから数学のテストがあるから、その勉強だよ―」
 
カタン
 
ツーが言うなり、カバンから取り出した筆箱が音をたてて落下した。
デレは声もなく口を開閉している。
ツーは目線をそらした。次にくる言葉がなんとなく予想できるから。
 
ζ(゚Д゚*ζ「なんでもっと早く言ってくれないのよっ!」
 
いや、んなこと言われても……としか思うことのできないツーだった。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:21:11.60 ID:E5LgoF2XO
>>13
自作自演
この作品ももしかしたら盗作かもな

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/10(火) 01:29:45.33 ID:hoSxN7IMO
本日の投下は終わりです
ありがとうございました 
>>13
いま確認してきましたがわかりません。
ただ不自然で自演だと思われそうな状況になってるのはわかりました。
 
正直、自演に見せかけようとしているラドンがいるのかもしれないとは思います
 
>>15
こんなわかりやすい自作自演は普通しないと思います
 
寝落ちします
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